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第三章
裏庭で⑦
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《うぅぅぅ~~っ!!もう、この酸っぱいの嫌ぁ~~っ!!!!》
《嫌、嫌ぁ~~っ!!!!》
ぷっ!! ぷぷっ!! ぷぷぅ~っ!!
梅干しを食べたマンドラゴラちゃん達が次々に、ぷっと梅干しの種を吐き出す。
ポンっ にょきにょきっ
すると、なんということでしょう。マンドラゴラちゃん達が吐き出した梅干しの種が芽吹きはじめたではありませんか。
[うわぁ~っ!!すごぉ~いっ!!]
思わずパチパチ拍手をしてしまう。
〔………エル?〕
「………エルよ、本当に何を食べさせた?」
ドラちゃん達に拍手を送るわたしをジト目で見つめるペルルとシロガネ。
[だから、ただの梅干しだってば]
「梅干しとはなんだ?」
[シロガネ、知らないの?
梅の実と塩と赤じそで漬けた、超酸っぱい食べ物だよ?]
「超酸っぱい…」
[うん。超酸っぱい。シロガネも食べてみる?]
「いや…、我は遠慮しておこう…」
[そう?美味しいのに]
インベントリから梅干しをひと粒取り出し、ひょいっと口に入れる。
「うぅ~んっ!!これこれこの味っ!!」
大婆様が居た頃から、代々受け継がれている作り方で漬けた梅干し。
単純に塩と赤じそだけで漬けた梅干したけど、わたしにとっては懐かしい味。
ましてや、異世界転生してからも食べられるなんて思ってもみなかった。
やっぱりさぁ、白米とみそ汁と梅干しの三種の神器は日本人の心だと思うの。
お行儀が悪いけど、わたしもぷっと種を吐き出させてもらおう。
ぷっ ポンっ にょきにょきにょき
oh… これも芽吹いたよ…
ペルルもシロガネもポカンとしている。
よしっ!!ここはひとつ知らんぷりをしようっ!!
クルッとドラちゃんの達の方を振り返り、
[みんなぁ~っ!!今日はどうもありがとぉ~っ!!わたしからのお礼だよっ!!ミストシャワーっ!!]
わたしは両手を上げて、いつもより魔力がマシマシなウォーターボールを打ち上げる。そして、そのウォーターボールがマンドラゴラちゃん達に優しく降り注ぐ様にミスト状にする。
《うわぁ~いっ!!お水だぁ~っ!!》
《やったぁ~っ!!やったぁ~っ!!》
《いつもより濃くておいしぃ~っ!!》
マンドラゴラちゃん達のキャッキャする可愛い姿に満足する。
うむ。試験管も造って、マンドラゴラちゃん達の種と涙も無事に回収した。お礼もバッチリだし、後は精霊樹の葉っぱとマンドラゴラちゃん達の葉っぱを回収すればミッションクリアだ。
[ドラちゃぁ~んっ!!葉っぱをくださいなっ♪]
《いいよぉ~っ♪》
わたしがウキウキで手を出すと、ドラちゃんが自分の葉っぱの一部をプチっと引き抜き、渡してくれる。
[ドラちゃん。頭、痛くない?]
葉っぱをもらっておいてなんだが、ドラちゃんが葉っぱを引き抜く姿は、人間でいうと、自分で自分の髪の毛を引き抜く様なもの。
痛くないか心配になってしまう。
《痛くないよぉ~?》
[そう?でも心配だからヒールかけとくね。ヒール]
《うわぁ~っ、気持ちいぃ~っ♪》
ぽわわぁ~んっとドラちゃんが淡く光る。
ドラちゃんはあっけらかんと、痛くないよ?と言うが、心配なので、ヒールをかけさせてもらった。
ヒールを受けたドラちゃんは気持ちよさそうだ。うんうん。これなら心配ないね。
あとは精霊樹の葉っぱ回収するだけ。
「よちっ!!」
〔エル、ストップっきゅ〕
「エルよ、待つのだ」
気合を入れて、精霊樹の葉っぱを回収しようとしていると、ペルルとシロガネに待ったをかけられた。
ちぇっ。もう復活しちゃったよ。あのままなかった事にしようと思ったのに…。
《嫌、嫌ぁ~~っ!!!!》
ぷっ!! ぷぷっ!! ぷぷぅ~っ!!
梅干しを食べたマンドラゴラちゃん達が次々に、ぷっと梅干しの種を吐き出す。
ポンっ にょきにょきっ
すると、なんということでしょう。マンドラゴラちゃん達が吐き出した梅干しの種が芽吹きはじめたではありませんか。
[うわぁ~っ!!すごぉ~いっ!!]
思わずパチパチ拍手をしてしまう。
〔………エル?〕
「………エルよ、本当に何を食べさせた?」
ドラちゃん達に拍手を送るわたしをジト目で見つめるペルルとシロガネ。
[だから、ただの梅干しだってば]
「梅干しとはなんだ?」
[シロガネ、知らないの?
梅の実と塩と赤じそで漬けた、超酸っぱい食べ物だよ?]
「超酸っぱい…」
[うん。超酸っぱい。シロガネも食べてみる?]
「いや…、我は遠慮しておこう…」
[そう?美味しいのに]
インベントリから梅干しをひと粒取り出し、ひょいっと口に入れる。
「うぅ~んっ!!これこれこの味っ!!」
大婆様が居た頃から、代々受け継がれている作り方で漬けた梅干し。
単純に塩と赤じそだけで漬けた梅干したけど、わたしにとっては懐かしい味。
ましてや、異世界転生してからも食べられるなんて思ってもみなかった。
やっぱりさぁ、白米とみそ汁と梅干しの三種の神器は日本人の心だと思うの。
お行儀が悪いけど、わたしもぷっと種を吐き出させてもらおう。
ぷっ ポンっ にょきにょきにょき
oh… これも芽吹いたよ…
ペルルもシロガネもポカンとしている。
よしっ!!ここはひとつ知らんぷりをしようっ!!
クルッとドラちゃんの達の方を振り返り、
[みんなぁ~っ!!今日はどうもありがとぉ~っ!!わたしからのお礼だよっ!!ミストシャワーっ!!]
わたしは両手を上げて、いつもより魔力がマシマシなウォーターボールを打ち上げる。そして、そのウォーターボールがマンドラゴラちゃん達に優しく降り注ぐ様にミスト状にする。
《うわぁ~いっ!!お水だぁ~っ!!》
《やったぁ~っ!!やったぁ~っ!!》
《いつもより濃くておいしぃ~っ!!》
マンドラゴラちゃん達のキャッキャする可愛い姿に満足する。
うむ。試験管も造って、マンドラゴラちゃん達の種と涙も無事に回収した。お礼もバッチリだし、後は精霊樹の葉っぱとマンドラゴラちゃん達の葉っぱを回収すればミッションクリアだ。
[ドラちゃぁ~んっ!!葉っぱをくださいなっ♪]
《いいよぉ~っ♪》
わたしがウキウキで手を出すと、ドラちゃんが自分の葉っぱの一部をプチっと引き抜き、渡してくれる。
[ドラちゃん。頭、痛くない?]
葉っぱをもらっておいてなんだが、ドラちゃんが葉っぱを引き抜く姿は、人間でいうと、自分で自分の髪の毛を引き抜く様なもの。
痛くないか心配になってしまう。
《痛くないよぉ~?》
[そう?でも心配だからヒールかけとくね。ヒール]
《うわぁ~っ、気持ちいぃ~っ♪》
ぽわわぁ~んっとドラちゃんが淡く光る。
ドラちゃんはあっけらかんと、痛くないよ?と言うが、心配なので、ヒールをかけさせてもらった。
ヒールを受けたドラちゃんは気持ちよさそうだ。うんうん。これなら心配ないね。
あとは精霊樹の葉っぱ回収するだけ。
「よちっ!!」
〔エル、ストップっきゅ〕
「エルよ、待つのだ」
気合を入れて、精霊樹の葉っぱを回収しようとしていると、ペルルとシロガネに待ったをかけられた。
ちぇっ。もう復活しちゃったよ。あのままなかった事にしようと思ったのに…。
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