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第三章
裏庭で③
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精霊樹の葉っぱ以外に、マンドラゴラちゃんの葉っぱが欲しいのと言ったら、シロガネにペルル、ドラにゃんに驚かれた。
[えっ?何で??ダメかな??
だって、貴重な錬金術の材料になるんだよね??普通に欲しくなるよね??]
《エルの人でなしぃ~っ…》
ドラちゃんがその短い腕で自分の体を抱きしめ、いやんいやんとぷるぷる震える。
あっ…。これはドラちゃん達のスキル『罪悪感』ですね。でも、効きませんよ?興味の方が強いんだからっ!!
[グッフフッ。良いではないか、良いではないか。苦しゅうない。近うよれ]
《いやっ!!こないでぇ~っ!!》
両手をわきわきしながら近づくわたしに対して、ズリズリ後ろに下がるドラちゃん。
完全に悪代官と町娘の図ですね。何だか楽しくなってきた。
[なぁ~に、痛いことは何もせん。ほんの先っちょだけ、先っちょを頂くだけだ]
そう言ってドラちゃんの葉っぱに触れようとするわたしに対して、
《あぁ~れぇ~~っ!!》
よよよっ…と泣き崩れる真似をするドラちゃん。
〔いい加減にするっきゅよっ!!〕
ドコッ!! クルルンッ スタッ
「いちゃいっ!!」
後頭部に痛みを感じ、後ろを振り返るとフンッと鼻息を鳴らし、腕を組むペルル。
[えっ…。ペルル、今わたしに飛び蹴りした…??]
〔加減はしたっきゅっ、エルはお遊びが過ぎるっきゅ。ドラもドラで、エルのお遊びに付き合うんじゃないっきゅよっ!!〕
[ごめんなさい…]
《ごめぇ~んっ…》
プスンプスンッと怒るペルルに同時に謝るわたしとドラちゃん。
だってどんどん興奮して楽しくなってきちゃったんだもん。ドラちゃんもノリノリだったし。
「ペルルよ、落ち着け。エルとドラは反省をせい。
エルは王都行きの対策をするのではなかったのか?」
[うっ…。そうでした…。ごめんなさい…]
シロガネの言葉に反省する。どうしても気になることがあると、そっちに集中というか、夢中になっちゃうんだよね。なんでだろ?
[ドラちゃんもごめんね]
《いいよぉ~っ》
「して、ドラよ。エルに葉っぱを与える事に対してはどうなんだ?嫌ではないのか?」
はっ!!そうだよ。葉っぱを採られるドラちゃんの気持ちを考えてなかった。
自分の体の一部を採られるんだもん、嫌に決まってるよね…。
わたしだって、急に髪の毛をくれって言われたら嫌だもん。
そんな事を考えていると、
《ぼくはいいよぉ~っ、エルのためだもん》
とドラちゃんが、あっけらかんと言う。
[えっ?]
「…本当にいいのか?自分の体の一部だぞ?」
《いいよぉ~っ。エルには毎日美味しいお水をたっぷりもらってるし、ぼくだってエルの役にたちたいんだ》
「それがドラの気持ちだと言うのであれば受け止めよう。
エルよ、ドラの葉っぱの事は許可しよう。しかし、精霊樹の葉っぱ同様、使う時は我とペルルがいる時に限る」
[わかったよ、シロガネ。ドラちゃんも本当にありがとう]
《エルの役にたてるなら、いくらでもいいよぉ~っ》
〔こらっ!!安請負するなっきゅ。エルが調子に乗るっきゅよ?〕
そう言いながら、こちらの様子を伺うペルル。
[えっ…。ドラちゃんが良ければ、マンドラゴラちゃん達の種と涙も頂こうかと…]
〔何でそうなるっきゅか…〕
ペルルが理解できないっといった感じで首を振る。
「エル、ドラの種と涙をどうするつもりだ?」
[う~ん。ドラちゃん達の種には弱いけど麻痺の効果があるみたいなの。だから、無いとは思うけど、わたしや家族のみんなとかが襲われた時とかに使えないかなって。涙については効果を研究する]
「ふむ。とりあえず、エルなりに考えてはいるのだな」
むむっ、シロガネさん。それじゃあいつもわたしが何も考えて無いみたいじゃんかぁ~っ。
〔いつも直感で動いてるっきゅよ…〕ボソッ
むぅ…っとふくれるわたしに、ツッコむペルル。
「まぁ良い。で、エルよ。どうやってドラ達の涙を回収するんだ?ドラ達を痛い目にあわせるのは見過ごせんぞ?」
[ふっふっふっ…。それは任せてっ!!ちゃんとわたしに考えがあるんだからっ!!]
わたしが胸を張りドヤっていると、
〔嫌な予感しかいない…〕
「激しく同意だ…」
《わぁ~っ、なになにぃ~?》
と言うペルルにシロガネ、ドラちゃんなのでした。
解せぬ…。
[えっ?何で??ダメかな??
だって、貴重な錬金術の材料になるんだよね??普通に欲しくなるよね??]
《エルの人でなしぃ~っ…》
ドラちゃんがその短い腕で自分の体を抱きしめ、いやんいやんとぷるぷる震える。
あっ…。これはドラちゃん達のスキル『罪悪感』ですね。でも、効きませんよ?興味の方が強いんだからっ!!
[グッフフッ。良いではないか、良いではないか。苦しゅうない。近うよれ]
《いやっ!!こないでぇ~っ!!》
両手をわきわきしながら近づくわたしに対して、ズリズリ後ろに下がるドラちゃん。
完全に悪代官と町娘の図ですね。何だか楽しくなってきた。
[なぁ~に、痛いことは何もせん。ほんの先っちょだけ、先っちょを頂くだけだ]
そう言ってドラちゃんの葉っぱに触れようとするわたしに対して、
《あぁ~れぇ~~っ!!》
よよよっ…と泣き崩れる真似をするドラちゃん。
〔いい加減にするっきゅよっ!!〕
ドコッ!! クルルンッ スタッ
「いちゃいっ!!」
後頭部に痛みを感じ、後ろを振り返るとフンッと鼻息を鳴らし、腕を組むペルル。
[えっ…。ペルル、今わたしに飛び蹴りした…??]
〔加減はしたっきゅっ、エルはお遊びが過ぎるっきゅ。ドラもドラで、エルのお遊びに付き合うんじゃないっきゅよっ!!〕
[ごめんなさい…]
《ごめぇ~んっ…》
プスンプスンッと怒るペルルに同時に謝るわたしとドラちゃん。
だってどんどん興奮して楽しくなってきちゃったんだもん。ドラちゃんもノリノリだったし。
「ペルルよ、落ち着け。エルとドラは反省をせい。
エルは王都行きの対策をするのではなかったのか?」
[うっ…。そうでした…。ごめんなさい…]
シロガネの言葉に反省する。どうしても気になることがあると、そっちに集中というか、夢中になっちゃうんだよね。なんでだろ?
[ドラちゃんもごめんね]
《いいよぉ~っ》
「して、ドラよ。エルに葉っぱを与える事に対してはどうなんだ?嫌ではないのか?」
はっ!!そうだよ。葉っぱを採られるドラちゃんの気持ちを考えてなかった。
自分の体の一部を採られるんだもん、嫌に決まってるよね…。
わたしだって、急に髪の毛をくれって言われたら嫌だもん。
そんな事を考えていると、
《ぼくはいいよぉ~っ、エルのためだもん》
とドラちゃんが、あっけらかんと言う。
[えっ?]
「…本当にいいのか?自分の体の一部だぞ?」
《いいよぉ~っ。エルには毎日美味しいお水をたっぷりもらってるし、ぼくだってエルの役にたちたいんだ》
「それがドラの気持ちだと言うのであれば受け止めよう。
エルよ、ドラの葉っぱの事は許可しよう。しかし、精霊樹の葉っぱ同様、使う時は我とペルルがいる時に限る」
[わかったよ、シロガネ。ドラちゃんも本当にありがとう]
《エルの役にたてるなら、いくらでもいいよぉ~っ》
〔こらっ!!安請負するなっきゅ。エルが調子に乗るっきゅよ?〕
そう言いながら、こちらの様子を伺うペルル。
[えっ…。ドラちゃんが良ければ、マンドラゴラちゃん達の種と涙も頂こうかと…]
〔何でそうなるっきゅか…〕
ペルルが理解できないっといった感じで首を振る。
「エル、ドラの種と涙をどうするつもりだ?」
[う~ん。ドラちゃん達の種には弱いけど麻痺の効果があるみたいなの。だから、無いとは思うけど、わたしや家族のみんなとかが襲われた時とかに使えないかなって。涙については効果を研究する]
「ふむ。とりあえず、エルなりに考えてはいるのだな」
むむっ、シロガネさん。それじゃあいつもわたしが何も考えて無いみたいじゃんかぁ~っ。
〔いつも直感で動いてるっきゅよ…〕ボソッ
むぅ…っとふくれるわたしに、ツッコむペルル。
「まぁ良い。で、エルよ。どうやってドラ達の涙を回収するんだ?ドラ達を痛い目にあわせるのは見過ごせんぞ?」
[ふっふっふっ…。それは任せてっ!!ちゃんとわたしに考えがあるんだからっ!!]
わたしが胸を張りドヤっていると、
〔嫌な予感しかいない…〕
「激しく同意だ…」
《わぁ~っ、なになにぃ~?》
と言うペルルにシロガネ、ドラちゃんなのでした。
解せぬ…。
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