110 / 166
第三章
心のもやもや②
しおりを挟む
コンコンコンッ
「「エルお嬢様をお連れしました」」
「入りなさい」
おとしゃまの入室許可の後にセバスがサロンの扉を開けてくれる。
アメリアに抱っこされたままサロンの中に入ると、おとしゃまの隣に座るかぁしゃまが見える。
いつもなら優しく声をかけて起こしてくれるのに、今日は違う…。その事がひどく寂しく思えてしまう。
「エルちゃん、エミリーと話し込んでしまったの。起こしに行けなくてごめんなさいね…」
わたしが元気が無いのを察したのか、かぁしゃまが申し訳なさそうに声をかけてきた。
「かーしゃ…」
別にかぁしゃまを責めているつもりは無い。ないけど、何故かひどくもやもやして苦しくて仕方ない…。
「エル、おいで?」
「エルちゃん、いらっしゃい?」
いつまでもアメリアに抱っこされたまま、動かないわたしに、おとしゃまとかぁしゃまが入り口まで迎えに来てくれる。
「とーしゃ…、かーしゃ…」
おとしゃまの腕にペルルごと抱かれて、ぎゅうっとしがみつく。
「さぁ、エルちゃん、おやつにしましょう?」
かぁしゃまがわたしの顔を覗き込んでくる。
「ん…」
わたしが僅かに返事をしたのに安堵したのか、かぁしゃまが微かにホッとため息を漏らす。
わたしとペルルはおとしゃまに、シロガネはかぁしゃまに抱かれて座ると、心配そうな表現を浮かべるお兄ちゃんズにお姉ちゃん、エミリーちゃんが居る。
やっぱり今日のわたしは何処かおかしいのだろうか?
「セバス、全員が揃った。お茶とおやつの準備をしてくれ」
「かしこまりました」
おとしゃまの声掛けに、一礼してサロンを出て行くセバス。
「エル、ゆっくり眠れたかい?」
ウィルにぃの言葉に考える。わたしはゆっくり眠れたのだろうか?寝れた様な気もするし、眠れていない気もする。
「わきゃらにゃい…」
「そっか…」
わたしが弱くフルフルっと首を振ると、ウィルにぃが寂しそうに答える。
今のわたしが、ウィルにぃにこんな寂しそうな顔をさせてしまっているのだろうか…
「エル、眠かったら寝てもいいんだぞ?」
「そうよ、エルちゃん。無理しなくても大丈夫よ?」
「はりゅにぃ るーねぇ だいじょーび…」
「そうか?まぁ、おやつを食べたら目が覚めるかもな」
「そうね。今日のおやつは何かしら。楽しみね?」
バルにぃとルーねぇの言葉に上手く返せなくても、ふたりとも気にしていないフリをして話しかけてくれる。
バルにぃの言うとおり、案外おやつを食べたらスッキリするのかな?
うん、気持ちを上手く切り替えなきゃ。
今日のおやつは何だろう?
コンコンコンッ
「セバスにございます。皆さまのお茶とおやつをお持ちしました」
「入ってくれ」
おとしゃまの言葉に、ベアティがサロンの扉を開ける。
セバスがワゴンにお茶とおやつを乗せ入ってくる。
「本日のお茶はクイーンズマスカット烏龍のアイスティーとマンゴー・パッションフルーツ・ライチのフルーツムースパフェとなっております」
クイーンズマスカットのアイスティーは甘くてそれでいて透き通った芳醇な香り。
フルーツムースパフェはトロピカルフルーツがふんだんのミニサイズパフェになっている。
「さぁ、皆でいただこうか」
おとしゃまの言葉を合図にそれぞれがお茶やデザートに手をのばす。
「さぁ、エル。私達も食べようか。あ~んしてごらん?」
おとしゃまがフルーツムースパフェをスプーンで掬い、あ~んとしてくれる。おとしゃまに甘えて口を開けると、甘酸っぱいパッションフルーツのムースが入ってくる。
どんな味がするんだろう?
「「エルお嬢様をお連れしました」」
「入りなさい」
おとしゃまの入室許可の後にセバスがサロンの扉を開けてくれる。
アメリアに抱っこされたままサロンの中に入ると、おとしゃまの隣に座るかぁしゃまが見える。
いつもなら優しく声をかけて起こしてくれるのに、今日は違う…。その事がひどく寂しく思えてしまう。
「エルちゃん、エミリーと話し込んでしまったの。起こしに行けなくてごめんなさいね…」
わたしが元気が無いのを察したのか、かぁしゃまが申し訳なさそうに声をかけてきた。
「かーしゃ…」
別にかぁしゃまを責めているつもりは無い。ないけど、何故かひどくもやもやして苦しくて仕方ない…。
「エル、おいで?」
「エルちゃん、いらっしゃい?」
いつまでもアメリアに抱っこされたまま、動かないわたしに、おとしゃまとかぁしゃまが入り口まで迎えに来てくれる。
「とーしゃ…、かーしゃ…」
おとしゃまの腕にペルルごと抱かれて、ぎゅうっとしがみつく。
「さぁ、エルちゃん、おやつにしましょう?」
かぁしゃまがわたしの顔を覗き込んでくる。
「ん…」
わたしが僅かに返事をしたのに安堵したのか、かぁしゃまが微かにホッとため息を漏らす。
わたしとペルルはおとしゃまに、シロガネはかぁしゃまに抱かれて座ると、心配そうな表現を浮かべるお兄ちゃんズにお姉ちゃん、エミリーちゃんが居る。
やっぱり今日のわたしは何処かおかしいのだろうか?
「セバス、全員が揃った。お茶とおやつの準備をしてくれ」
「かしこまりました」
おとしゃまの声掛けに、一礼してサロンを出て行くセバス。
「エル、ゆっくり眠れたかい?」
ウィルにぃの言葉に考える。わたしはゆっくり眠れたのだろうか?寝れた様な気もするし、眠れていない気もする。
「わきゃらにゃい…」
「そっか…」
わたしが弱くフルフルっと首を振ると、ウィルにぃが寂しそうに答える。
今のわたしが、ウィルにぃにこんな寂しそうな顔をさせてしまっているのだろうか…
「エル、眠かったら寝てもいいんだぞ?」
「そうよ、エルちゃん。無理しなくても大丈夫よ?」
「はりゅにぃ るーねぇ だいじょーび…」
「そうか?まぁ、おやつを食べたら目が覚めるかもな」
「そうね。今日のおやつは何かしら。楽しみね?」
バルにぃとルーねぇの言葉に上手く返せなくても、ふたりとも気にしていないフリをして話しかけてくれる。
バルにぃの言うとおり、案外おやつを食べたらスッキリするのかな?
うん、気持ちを上手く切り替えなきゃ。
今日のおやつは何だろう?
コンコンコンッ
「セバスにございます。皆さまのお茶とおやつをお持ちしました」
「入ってくれ」
おとしゃまの言葉に、ベアティがサロンの扉を開ける。
セバスがワゴンにお茶とおやつを乗せ入ってくる。
「本日のお茶はクイーンズマスカット烏龍のアイスティーとマンゴー・パッションフルーツ・ライチのフルーツムースパフェとなっております」
クイーンズマスカットのアイスティーは甘くてそれでいて透き通った芳醇な香り。
フルーツムースパフェはトロピカルフルーツがふんだんのミニサイズパフェになっている。
「さぁ、皆でいただこうか」
おとしゃまの言葉を合図にそれぞれがお茶やデザートに手をのばす。
「さぁ、エル。私達も食べようか。あ~んしてごらん?」
おとしゃまがフルーツムースパフェをスプーンで掬い、あ~んとしてくれる。おとしゃまに甘えて口を開けると、甘酸っぱいパッションフルーツのムースが入ってくる。
どんな味がするんだろう?
92
お気に入りに追加
3,633
あなたにおすすめの小説
裏の林にダンジョンが出来ました。~異世界からの転生幼女、もふもふペットと共に~
あかる
ファンタジー
私、異世界から転生してきたみたい?
とある田舎町にダンジョンが出来、そこに入った美優は、かつて魔法学校で教師をしていた自分を思い出した。
犬と猫、それと鶏のペットと一緒にダンジョンと、世界の謎に挑みます!
(完結)もふもふと幼女の異世界まったり旅
あかる
ファンタジー
死ぬ予定ではなかったのに、死神さんにうっかり魂を狩られてしまった!しかも証拠隠滅の為に捨てられて…捨てる神あれば拾う神あり?
異世界に飛ばされた魂を拾ってもらい、便利なスキルも貰えました!
完結しました。ところで、何位だったのでしょう?途中覗いた時は150~160位くらいでした。応援、ありがとうございました。そのうち新しい物も出す予定です。その時はよろしくお願いします。
乙女ゲームの世界に転生したと思ったらモブですらないちみっこですが、何故か攻略対象や悪役令嬢、更にヒロインにまで溺愛されています
真理亜
ファンタジー
乙女ゲームの世界に転生したと思ったら...モブですらないちみっこでした。
なのに何故か攻略対象者達や悪役令嬢、更にヒロインにまで溺愛されています。
更に更に変態銀髪美女メイドや変態数学女教師まで現れてもう大変!
変態が大変だ! いや大変な変態だ!
お前ら全員ロ○か!? ロ○なんか!? ロ○やろぉ~!
しかも精霊の愛し子なんて言われちゃって精霊が沢山飛んでる~!
身長130cmにも満たないちみっこヒロイン? が巻き込まれる騒動をお楽しみ下さい。
操作ミスで間違って消してしまった為、再掲しております。ブックマークをして下さっていた方々、大変申し訳ございません。
システムバグで輪廻の輪から外れましたが、便利グッズ詰め合わせ付きで他の星に転生しました。
大国 鹿児
ファンタジー
輪廻転生のシステムのバグで輪廻の輪から外れちゃった!
でも神様から便利なチートグッズ(笑)の詰め合わせをもらって、
他の星に転生しました!特に使命も無いなら自由気ままに生きてみよう!
主人公はチート無双するのか!? それともハーレムか!?
はたまた、壮大なファンタジーが始まるのか!?
いえ、実は単なる趣味全開の主人公です。
色々な秘密がだんだん明らかになりますので、ゆっくりとお楽しみください。
*** 作品について ***
この作品は、真面目なチート物ではありません。
コメディーやギャグ要素やネタの多い作品となっております
重厚な世界観や派手な戦闘描写、ざまあ展開などをお求めの方は、
この作品をスルーして下さい。
*カクヨム様,小説家になろう様でも、別PNで先行して投稿しております。
【超不定期更新】アラフォー女は異世界転生したのでのんびりスローライフしたい!
猫石
ファンタジー
目が覚めたら、人間と、獣人(けものびと)と鳥人(とりびと)と花樹人(はなきひと)が暮らす世界でした。
離婚後、おいしいお菓子と愛猫だけが心の癒しだったアラフォー女は、どうか自分を愛してくれる人が現れますようにと願って眠る。
そうして起きたら、ここはどこよっ!
なんだかでっかい水晶の前で、「ご褒美」に、お前の願いをかなえてあ~げるなんて軽いノリで転生させてくれたでっかい水晶の塊にしか見えないって言うかまさにそれな神様。
たどり着いた先は、いろんな種族行きかう王都要塞・ルフォートフォーマ。
前世の経験を頼りに、スローライフ(?)を送りたいと願う お話
★オリジナルのファンタジーですが、かなりまったり進行になっています。
設定は緩いですが、暖かく見ていただけると嬉しいです。
★誤字脱字、誤変換等多く、また矛盾してるところもあり、現在鋭意修正中です。 今後もそれらが撲滅できるように務めて頑張ります。
★豆腐メンタルですのであまめがいいですが、ご感想いただけると豆腐、頑張って進化・更新しますので、いただけると嬉しいです、小躍りします!
★小説家になろう 様へも投稿はじめました。
【完結】天下無敵の公爵令嬢は、おせっかいが大好きです
ノデミチ
ファンタジー
ある女医が、天寿を全うした。
女神に頼まれ、知識のみ持って転生。公爵令嬢として生を受ける。父は王国元帥、母は元宮廷魔術師。
前世の知識と父譲りの剣技体力、母譲りの魔法魔力。権力もあって、好き勝手生きられるのに、おせっかいが大好き。幼馴染の二人を巻き込んで、突っ走る!
そんな変わった公爵令嬢の物語。
アルファポリスOnly
2019/4/21 完結しました。
沢山のお気に入り、本当に感謝します。
7月より連載中に戻し、拾異伝スタートします。
2021年9月。
ファンタジー小説大賞投票御礼として外伝スタート。主要キャラから見たリスティア達を描いてます。
10月、再び完結に戻します。
御声援御愛読ありがとうございました。
女神の代わりに異世界漫遊 ~ほのぼの・まったり。時々、ざまぁ?~
大福にゃここ
ファンタジー
目の前に、女神を名乗る女性が立っていた。
麗しい彼女の願いは「自分の代わりに世界を見て欲しい」それだけ。
使命も何もなく、ただ、その世界で楽しく生きていくだけでいいらしい。
厳しい異世界で生き抜く為のスキルも色々と貰い、食いしん坊だけど優しくて可愛い従魔も一緒!
忙しくて自由のない女神の代わりに、異世界を楽しんでこよう♪
13話目くらいから話が動きますので、気長にお付き合いください!
最初はとっつきにくいかもしれませんが、どうか続きを読んでみてくださいね^^
※お気に入り登録や感想がとても励みになっています。 ありがとうございます!
(なかなかお返事書けなくてごめんなさい)
※小説家になろう様にも投稿しています
全能で楽しく公爵家!!
山椒
ファンタジー
平凡な人生であることを自負し、それを受け入れていた二十四歳の男性が交通事故で若くして死んでしまった。
未練はあれど死を受け入れた男性は、転生できるのであれば二度目の人生も平凡でモブキャラのような人生を送りたいと思ったところ、魔神によって全能の力を与えられてしまう!
転生した先は望んだ地位とは程遠い公爵家の長男、アーサー・ランスロットとして生まれてしまった。
スローライフをしようにも公爵家でできるかどうかも怪しいが、のんびりと全能の力を発揮していく転生者の物語。
※少しだけ設定を変えているため、書き直し、設定を加えているリメイク版になっています。
※リメイク前まで投稿しているところまで書き直せたので、二章はかなりの速度で投稿していきます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる