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第三章
心のもやもや②
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コンコンコンッ
「「エルお嬢様をお連れしました」」
「入りなさい」
おとしゃまの入室許可の後にセバスがサロンの扉を開けてくれる。
アメリアに抱っこされたままサロンの中に入ると、おとしゃまの隣に座るかぁしゃまが見える。
いつもなら優しく声をかけて起こしてくれるのに、今日は違う…。その事がひどく寂しく思えてしまう。
「エルちゃん、エミリーと話し込んでしまったの。起こしに行けなくてごめんなさいね…」
わたしが元気が無いのを察したのか、かぁしゃまが申し訳なさそうに声をかけてきた。
「かーしゃ…」
別にかぁしゃまを責めているつもりは無い。ないけど、何故かひどくもやもやして苦しくて仕方ない…。
「エル、おいで?」
「エルちゃん、いらっしゃい?」
いつまでもアメリアに抱っこされたまま、動かないわたしに、おとしゃまとかぁしゃまが入り口まで迎えに来てくれる。
「とーしゃ…、かーしゃ…」
おとしゃまの腕にペルルごと抱かれて、ぎゅうっとしがみつく。
「さぁ、エルちゃん、おやつにしましょう?」
かぁしゃまがわたしの顔を覗き込んでくる。
「ん…」
わたしが僅かに返事をしたのに安堵したのか、かぁしゃまが微かにホッとため息を漏らす。
わたしとペルルはおとしゃまに、シロガネはかぁしゃまに抱かれて座ると、心配そうな表現を浮かべるお兄ちゃんズにお姉ちゃん、エミリーちゃんが居る。
やっぱり今日のわたしは何処かおかしいのだろうか?
「セバス、全員が揃った。お茶とおやつの準備をしてくれ」
「かしこまりました」
おとしゃまの声掛けに、一礼してサロンを出て行くセバス。
「エル、ゆっくり眠れたかい?」
ウィルにぃの言葉に考える。わたしはゆっくり眠れたのだろうか?寝れた様な気もするし、眠れていない気もする。
「わきゃらにゃい…」
「そっか…」
わたしが弱くフルフルっと首を振ると、ウィルにぃが寂しそうに答える。
今のわたしが、ウィルにぃにこんな寂しそうな顔をさせてしまっているのだろうか…
「エル、眠かったら寝てもいいんだぞ?」
「そうよ、エルちゃん。無理しなくても大丈夫よ?」
「はりゅにぃ るーねぇ だいじょーび…」
「そうか?まぁ、おやつを食べたら目が覚めるかもな」
「そうね。今日のおやつは何かしら。楽しみね?」
バルにぃとルーねぇの言葉に上手く返せなくても、ふたりとも気にしていないフリをして話しかけてくれる。
バルにぃの言うとおり、案外おやつを食べたらスッキリするのかな?
うん、気持ちを上手く切り替えなきゃ。
今日のおやつは何だろう?
コンコンコンッ
「セバスにございます。皆さまのお茶とおやつをお持ちしました」
「入ってくれ」
おとしゃまの言葉に、ベアティがサロンの扉を開ける。
セバスがワゴンにお茶とおやつを乗せ入ってくる。
「本日のお茶はクイーンズマスカット烏龍のアイスティーとマンゴー・パッションフルーツ・ライチのフルーツムースパフェとなっております」
クイーンズマスカットのアイスティーは甘くてそれでいて透き通った芳醇な香り。
フルーツムースパフェはトロピカルフルーツがふんだんのミニサイズパフェになっている。
「さぁ、皆でいただこうか」
おとしゃまの言葉を合図にそれぞれがお茶やデザートに手をのばす。
「さぁ、エル。私達も食べようか。あ~んしてごらん?」
おとしゃまがフルーツムースパフェをスプーンで掬い、あ~んとしてくれる。おとしゃまに甘えて口を開けると、甘酸っぱいパッションフルーツのムースが入ってくる。
どんな味がするんだろう?
「「エルお嬢様をお連れしました」」
「入りなさい」
おとしゃまの入室許可の後にセバスがサロンの扉を開けてくれる。
アメリアに抱っこされたままサロンの中に入ると、おとしゃまの隣に座るかぁしゃまが見える。
いつもなら優しく声をかけて起こしてくれるのに、今日は違う…。その事がひどく寂しく思えてしまう。
「エルちゃん、エミリーと話し込んでしまったの。起こしに行けなくてごめんなさいね…」
わたしが元気が無いのを察したのか、かぁしゃまが申し訳なさそうに声をかけてきた。
「かーしゃ…」
別にかぁしゃまを責めているつもりは無い。ないけど、何故かひどくもやもやして苦しくて仕方ない…。
「エル、おいで?」
「エルちゃん、いらっしゃい?」
いつまでもアメリアに抱っこされたまま、動かないわたしに、おとしゃまとかぁしゃまが入り口まで迎えに来てくれる。
「とーしゃ…、かーしゃ…」
おとしゃまの腕にペルルごと抱かれて、ぎゅうっとしがみつく。
「さぁ、エルちゃん、おやつにしましょう?」
かぁしゃまがわたしの顔を覗き込んでくる。
「ん…」
わたしが僅かに返事をしたのに安堵したのか、かぁしゃまが微かにホッとため息を漏らす。
わたしとペルルはおとしゃまに、シロガネはかぁしゃまに抱かれて座ると、心配そうな表現を浮かべるお兄ちゃんズにお姉ちゃん、エミリーちゃんが居る。
やっぱり今日のわたしは何処かおかしいのだろうか?
「セバス、全員が揃った。お茶とおやつの準備をしてくれ」
「かしこまりました」
おとしゃまの声掛けに、一礼してサロンを出て行くセバス。
「エル、ゆっくり眠れたかい?」
ウィルにぃの言葉に考える。わたしはゆっくり眠れたのだろうか?寝れた様な気もするし、眠れていない気もする。
「わきゃらにゃい…」
「そっか…」
わたしが弱くフルフルっと首を振ると、ウィルにぃが寂しそうに答える。
今のわたしが、ウィルにぃにこんな寂しそうな顔をさせてしまっているのだろうか…
「エル、眠かったら寝てもいいんだぞ?」
「そうよ、エルちゃん。無理しなくても大丈夫よ?」
「はりゅにぃ るーねぇ だいじょーび…」
「そうか?まぁ、おやつを食べたら目が覚めるかもな」
「そうね。今日のおやつは何かしら。楽しみね?」
バルにぃとルーねぇの言葉に上手く返せなくても、ふたりとも気にしていないフリをして話しかけてくれる。
バルにぃの言うとおり、案外おやつを食べたらスッキリするのかな?
うん、気持ちを上手く切り替えなきゃ。
今日のおやつは何だろう?
コンコンコンッ
「セバスにございます。皆さまのお茶とおやつをお持ちしました」
「入ってくれ」
おとしゃまの言葉に、ベアティがサロンの扉を開ける。
セバスがワゴンにお茶とおやつを乗せ入ってくる。
「本日のお茶はクイーンズマスカット烏龍のアイスティーとマンゴー・パッションフルーツ・ライチのフルーツムースパフェとなっております」
クイーンズマスカットのアイスティーは甘くてそれでいて透き通った芳醇な香り。
フルーツムースパフェはトロピカルフルーツがふんだんのミニサイズパフェになっている。
「さぁ、皆でいただこうか」
おとしゃまの言葉を合図にそれぞれがお茶やデザートに手をのばす。
「さぁ、エル。私達も食べようか。あ~んしてごらん?」
おとしゃまがフルーツムースパフェをスプーンで掬い、あ~んとしてくれる。おとしゃまに甘えて口を開けると、甘酸っぱいパッションフルーツのムースが入ってくる。
どんな味がするんだろう?
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