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第三章
心のもやもや①
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パチっ
こんにちは。お昼寝から目が覚めたエルシーアです。
目を覚したら、枕元にペルルとシロガネが寄り添う様に丸まって寝ていた。いつの間に?
わたし、本当にいつの間に眠ったんだろう?
確か、お昼ごはん食べてて、その時におとしゃまから、明日から王都での生活だから大人しくする様に言われたんだっけ?
おとしゃまから、“やらかさない”、“大人しくする様に”って言われて、もやっとしたんだっけ?そこまでは覚えてるけど、何であんなにもやもやしたんだろう?
いつもならお昼寝の後はスッキリしていて、バメイが作るおやつを楽しみにするはずなのに、今日に限ってスッキリしない…。なんで?
《エルぅ~、おきた?》
《おきた、おきたよ》
《なんでボーッとしてるのぉ?》
《エルぅ、なんで?なんで?》
わたしの側をふよふよしている精霊さん達が喋りだす。いつもなら元気に返事を返す事ができるはずなのに、今日はできそうにない…。
《エルぅ?》
《どうしたの?》
《かなしい?かなしいの?》
《エルぅ、へんじしてぇ~》
「精霊の子らよ、静かにせよ」
「ちろぎゃね…?」
さっきまで寝ていたはずのシロガネの一言で静かになる精霊さん達。いつもは元気いっぱいに飛び回ってるのに、今日はどこの子も眉根を下げて心配そうな顔をしている。何かあったのかな…?
〔目が覚めたっきゅか?〕
「ぺりゅりゅ…」
ペルルが何かを確認する様に、ジッとわたしの瞳を覗き込んでくる。
「どーした する??」
〔なんでもないっきゅ〕
そう言って、毛づくろいをはじめるペルル。
本当に、みんなどうしちゃったんだろう?
「エルよ。目が覚めたのなら、メイドを呼ぶがよい」
「あみぇり あんにぇ?」
「にゃんで?」
「いちゅも かーしゃま くるする…」
「ハリエットは明日からの王都での生活の事でエミリーと話をしている」
王都…。
もやっ……。
『王都』と聞いただけでもやっとする。
王都に行く事で、いつもの生活が変わっていく。その事がひどくもやもやする。
普段のアラフォーのわたしなら、こんな事でもやもやしないし、ちゃんと気分を切り替えられるはずなのに…。なんでだろう…?
「エル、サロンでみんな待っている。おやつとやらを食べようではないか」
いつまでも双子なメイドを呼ばないわたしの代わりに、シロガネがベッドの脇に置いてあるベルを尻尾で鳴らす。
チリリリィ~ン
コンコンコンッ
「「おはようございます。エルお嬢様」」
ノックと共に、アメリアとアンネリースがお昼寝部屋に入ってくる。
「エルお嬢様、おやつの時間ですよ。身なりを整えましょう」
アメリアがわたしを抱き上げ、鏡台の前に座らせ、寝ている間に乱れてしまった髪の毛や服装を整えてくれる。その間にアンネリースはペルルとシロガネをソファーに移動させ、ベッドメイキングをしている。
「さっ、お嬢様、準備ができましたよ。サロンへ参りましょう」
ボーッとしていると、アメリアから声をかけられる。気がついたら鏡の中のわたしは、髪の毛も服装もきちんと整えてられていた。
「わきゃった なの…」
わたしが返事をすると、アメリアが「失礼します」とペルルをわたしに抱っこさせ、ペルルごと抱き上げる。シロガネはアンネリースに抱っこされている。
何だろう…。何でこんなにもやもやするの?
いつもなら、早くおやつが食べたくてワクワクしているはずなのに…。
わたし、どうしちゃったんだろう…。
こんにちは。お昼寝から目が覚めたエルシーアです。
目を覚したら、枕元にペルルとシロガネが寄り添う様に丸まって寝ていた。いつの間に?
わたし、本当にいつの間に眠ったんだろう?
確か、お昼ごはん食べてて、その時におとしゃまから、明日から王都での生活だから大人しくする様に言われたんだっけ?
おとしゃまから、“やらかさない”、“大人しくする様に”って言われて、もやっとしたんだっけ?そこまでは覚えてるけど、何であんなにもやもやしたんだろう?
いつもならお昼寝の後はスッキリしていて、バメイが作るおやつを楽しみにするはずなのに、今日に限ってスッキリしない…。なんで?
《エルぅ~、おきた?》
《おきた、おきたよ》
《なんでボーッとしてるのぉ?》
《エルぅ、なんで?なんで?》
わたしの側をふよふよしている精霊さん達が喋りだす。いつもなら元気に返事を返す事ができるはずなのに、今日はできそうにない…。
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《エルぅ、へんじしてぇ~》
「精霊の子らよ、静かにせよ」
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さっきまで寝ていたはずのシロガネの一言で静かになる精霊さん達。いつもは元気いっぱいに飛び回ってるのに、今日はどこの子も眉根を下げて心配そうな顔をしている。何かあったのかな…?
〔目が覚めたっきゅか?〕
「ぺりゅりゅ…」
ペルルが何かを確認する様に、ジッとわたしの瞳を覗き込んでくる。
「どーした する??」
〔なんでもないっきゅ〕
そう言って、毛づくろいをはじめるペルル。
本当に、みんなどうしちゃったんだろう?
「エルよ。目が覚めたのなら、メイドを呼ぶがよい」
「あみぇり あんにぇ?」
「にゃんで?」
「いちゅも かーしゃま くるする…」
「ハリエットは明日からの王都での生活の事でエミリーと話をしている」
王都…。
もやっ……。
『王都』と聞いただけでもやっとする。
王都に行く事で、いつもの生活が変わっていく。その事がひどくもやもやする。
普段のアラフォーのわたしなら、こんな事でもやもやしないし、ちゃんと気分を切り替えられるはずなのに…。なんでだろう…?
「エル、サロンでみんな待っている。おやつとやらを食べようではないか」
いつまでも双子なメイドを呼ばないわたしの代わりに、シロガネがベッドの脇に置いてあるベルを尻尾で鳴らす。
チリリリィ~ン
コンコンコンッ
「「おはようございます。エルお嬢様」」
ノックと共に、アメリアとアンネリースがお昼寝部屋に入ってくる。
「エルお嬢様、おやつの時間ですよ。身なりを整えましょう」
アメリアがわたしを抱き上げ、鏡台の前に座らせ、寝ている間に乱れてしまった髪の毛や服装を整えてくれる。その間にアンネリースはペルルとシロガネをソファーに移動させ、ベッドメイキングをしている。
「さっ、お嬢様、準備ができましたよ。サロンへ参りましょう」
ボーッとしていると、アメリアから声をかけられる。気がついたら鏡の中のわたしは、髪の毛も服装もきちんと整えてられていた。
「わきゃった なの…」
わたしが返事をすると、アメリアが「失礼します」とペルルをわたしに抱っこさせ、ペルルごと抱き上げる。シロガネはアンネリースに抱っこされている。
何だろう…。何でこんなにもやもやするの?
いつもなら、早くおやつが食べたくてワクワクしているはずなのに…。
わたし、どうしちゃったんだろう…。
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この作品は、真面目なチート物ではありません。
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