上 下
96 / 166
第三章

やっぱり家族会議④

しおりを挟む
「なんじゃ、なんじゃ?そんなに固まって。どうかしたのか?」

ピシリ…ッと固まってしまった家族。そして部屋の隅に控えていていた、セバス、ベアティ、デルミーラまでもが言葉を失っている。
ちなみに、双子なメイドのアメリアとアンネリースは通常運転です。現場に居たからね。

[おとしゃま、かぁしゃま、にぃに、ねぇね、大丈夫??]

わたしの心配そうな掛け声に、おとしゃまが、ハッ!!と反応する。 

「ありがとう。エル。お父様はついに耳までもが悪くなってしまったかと思ったよ…。ハハッ、書類仕事のし過ぎて、疲れてるのかな??アハハハ…」

おとしゃまが現実逃避してるうぅ~っ!?!?

[おとしゃま、夢でもなければ幻聴でもないよ??]

「やっぱりそうかのかい?」
 
[うん。心を強く持ってっ!!
わたしは未だに放心しているかぁしゃまに声をかけるから、おとしゃまはにぃにとねぇねをお願いねっ!!]

わたしは未だに放心している、かぁしゃまの座るソファーへと移動する。

[かぁしゃま、大丈夫??少しは落ち着いた??]

「エルちゃん…」

わたしの声掛けに意識を取り戻したかぁしゃまがわなわなと震える。

「わたくし、あの猫ちゃんが白虎様とは知らずに何と無礼な事を…」

あぁ~っ。かぁしゃま、なでなでする前にシロガネのお腹でねこ吸いしてたもんね。そりゃぁ、震えるか。

「うむ、奥方よ。気にすることは無い。実に素晴らしいなでなでであったぞ。褒めてつかわす」

シロガネがかぁしゃまの言葉を聞いて、返事を返す。うん。シロガネ、めっちゃ気持ちよさそうにしてたもんね。ってか、

[ねぇ、シロガネ。何でそんなに偉そうなの?]

「「「「「えっ…!?」」」」」

わたしの質問にペルル以外の全員があ然とする。

[う?みんなどうしたの??]

「エル…。このお方はこの世界の西を守護する白虎様の分体なんだよね?」

キョトンとするわたしに対して、再起動したらしいウィルにぃが尋ねてくる。

[そうだよ?東の青龍・南の朱雀・西の白虎・北の玄武。シロガネはその一体の白虎様の分体だよ]

「うん。エルは物知りだね。そこは知ってるのに…。
こっほん。いいかい、エル。この世界を守護してくださっている、青龍様・朱雀様・白虎様・玄武様はその存在は伝説として知られているけど、誰ひとりとしてそのお姿を見た人は居ないんだ。だけど、土地や地域によっては神として祀っていることろもあるくらいなんだよ。
だからね、シロガネ様がいくら分体とはいえ、そうだな…、エルがよく知っているエアネスト様と同じぐらいに偉い方なんだよ?」

[えっ!?そうなの??]

「「「「「エル…」」」」」

そっかぁ~っ、シロガネってばそんなに偉い立場だったんだねぇ~。

「うむ。そうなのだぞ。敬うが良い。だが今はエルシーアのただの飼い猫に過ぎん。気にするでないわ。にゃぁ~っはっはぁ~っ!!」

シロガネが自分を敬えと言いつつ、前足で自分の胸をポフポフと叩く。
なんだろう。その姿を見ていると、エアネスト様に近いものを感じるというか何というか…。敬えない…。


しおりを挟む
感想 220

あなたにおすすめの小説

(完結)もふもふと幼女の異世界まったり旅

あかる
ファンタジー
死ぬ予定ではなかったのに、死神さんにうっかり魂を狩られてしまった!しかも証拠隠滅の為に捨てられて…捨てる神あれば拾う神あり? 異世界に飛ばされた魂を拾ってもらい、便利なスキルも貰えました! 完結しました。ところで、何位だったのでしょう?途中覗いた時は150~160位くらいでした。応援、ありがとうございました。そのうち新しい物も出す予定です。その時はよろしくお願いします。

裏の林にダンジョンが出来ました。~異世界からの転生幼女、もふもふペットと共に~

あかる
ファンタジー
私、異世界から転生してきたみたい? とある田舎町にダンジョンが出来、そこに入った美優は、かつて魔法学校で教師をしていた自分を思い出した。 犬と猫、それと鶏のペットと一緒にダンジョンと、世界の謎に挑みます!

全能で楽しく公爵家!!

山椒
ファンタジー
平凡な人生であることを自負し、それを受け入れていた二十四歳の男性が交通事故で若くして死んでしまった。 未練はあれど死を受け入れた男性は、転生できるのであれば二度目の人生も平凡でモブキャラのような人生を送りたいと思ったところ、魔神によって全能の力を与えられてしまう! 転生した先は望んだ地位とは程遠い公爵家の長男、アーサー・ランスロットとして生まれてしまった。 スローライフをしようにも公爵家でできるかどうかも怪しいが、のんびりと全能の力を発揮していく転生者の物語。 ※少しだけ設定を変えているため、書き直し、設定を加えているリメイク版になっています。 ※リメイク前まで投稿しているところまで書き直せたので、二章はかなりの速度で投稿していきます。

転生テイマー、異世界生活を楽しむ

さっちさん
ファンタジー
題名変更しました。 内容がどんどんかけ離れていくので… ↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓ ありきたりな転生ものの予定です。 主人公は30代後半で病死した、天涯孤独の女性が幼女になって冒険する。 一応、転生特典でスキルは貰ったけど、大丈夫か。私。 まっ、なんとかなるっしょ。

乙女ゲームの世界に転生したと思ったらモブですらないちみっこですが、何故か攻略対象や悪役令嬢、更にヒロインにまで溺愛されています

真理亜
ファンタジー
乙女ゲームの世界に転生したと思ったら...モブですらないちみっこでした。 なのに何故か攻略対象者達や悪役令嬢、更にヒロインにまで溺愛されています。 更に更に変態銀髪美女メイドや変態数学女教師まで現れてもう大変!  変態が大変だ! いや大変な変態だ! お前ら全員ロ○か!? ロ○なんか!? ロ○やろぉ~! しかも精霊の愛し子なんて言われちゃって精霊が沢山飛んでる~! 身長130cmにも満たないちみっこヒロイン? が巻き込まれる騒動をお楽しみ下さい。 操作ミスで間違って消してしまった為、再掲しております。ブックマークをして下さっていた方々、大変申し訳ございません。

ハイエルフの幼女に転生しました。

レイ♪♪
ファンタジー
ネグレクトで、死んでしまったレイカは 神様に転生させてもらって新しい世界で たくさんの人や植物や精霊や獣に愛されていく 死んで、ハイエルフに転生した幼女の話し。 ゆっくり書いて行きます。 感想も待っています。 はげみになります。

辺境伯家ののんびり発明家 ~異世界でマイペースに魔道具開発を楽しむ日々~

雪月 夜狐
ファンタジー
壮年まで生きた前世の記憶を持ちながら、気がつくと辺境伯家の三男坊として5歳の姿で異世界に転生していたエルヴィン。彼はもともと物作りが大好きな性格で、前世の知識とこの世界の魔道具技術を組み合わせて、次々とユニークな発明を生み出していく。 辺境の地で、家族や使用人たちに役立つ便利な道具や、妹のための可愛いおもちゃ、さらには人々の生活を豊かにする新しい魔道具を作り上げていくエルヴィン。やがてその才能は周囲の人々にも認められ、彼は王都や商会での取引を通じて新しい人々と出会い、仲間とともに成長していく。 しかし、彼の心にはただの「発明家」以上の夢があった。この世界で、誰も見たことがないような道具を作り、貴族としての責任を果たしながら、人々に笑顔と便利さを届けたい——そんな野望が、彼を新たな冒険へと誘う。 他作品の詳細はこちら: 『転生特典:錬金術師スキルを習得しました!』 【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/906915890】 『テイマーのんびり生活!スライムと始めるVRMMOスローライフ』 【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/515916186】 『ゆるり冒険VR日和 ~のんびり異世界と現実のあいだで~』 【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/166917524】

幼子は最強のテイマーだと気付いていません!

akechi
ファンタジー
彼女はユリア、三歳。 森の奥深くに佇む一軒の家で三人家族が住んでいました。ユリアの楽しみは森の動物達と遊ぶこと。 だが其がそもそも規格外だった。 この森は冒険者も決して入らない古(いにしえ)の森と呼ばれている。そしてユリアが可愛い動物と呼ぶのはSS級のとんでもない魔物達だった。 「みんなーあしょぼー!」 これは幼女が繰り広げるドタバタで規格外な日常生活である。

処理中です...