転生幼女の怠惰なため息

(◉ɷ◉ )〈ぬこ〉

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第三章

王都出発に向けて⑮

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「白虎…いえ、シロガネ様、従魔契約の成功、お喜び申し上げます」

シロガネを連れてきた、白いオオカミが頭を垂れる。

「うむ。此度はご苦労であった。無事にエルシーアの飼い猫になれたのは其方のおかげである。感謝しておるぞ」

シロガネがお座りをし、前足を上げてオオカミに労いの声をかける。

「はっ。ありがたき御言葉。自分はこれにて御前を失礼して、森に戻りたいと思います」

「あいわかった。気をつけて帰るのじゃぞ」

「はっ。では失礼いたします」

白いオオカミがシロガネに一礼すると、オォォ~~~ンっと遠吠えをして森に戻っていった。

水やりは終わったし、オオカミさんも帰って行った。今日はこのへんでお開きかな?

みんにゃ~ きょうは あーとみんな、今日はありがとう
きゃえっちぇきちゃら帰ってきたら
まちゃあしょぼーねぇ~っ!!また遊ぼうねぇ~っ!!

集まってくれた動物や鳥さん達に声をかける。
どの子もみんな「また遊ぼうねぇ」と言いながらそれぞれの住処に帰って行った。
はぁっ。みんな可愛いっ。なんていい子達なんだろう。
にこにこ手を振りながら見送っていると、アメリアとアンネリースがわたしの肩にそれぞれ手を起き、

「「エルお嬢様、懺悔(報告)のお時間です」」

と死刑宣告をした。

「ぴょぇっ!?!?」

アメリアとアンネリースの言葉に思わずヘンな声が出てしまう。

《えるぅ、どうしたのぉ~?》

いつの間にか足元にいたドラちゃんに声をかけられる。

「にゃんでもにゃいアルヨ…」

《ヘンなえるぅ~》

アメリアとアンネリースの死刑宣告の余波でおかしな言葉づかいになるわたしを訝しみつつ、ドラちゃんはほかのマンドラゴラちゃんの元に戻っていった。

〔エル、諦めるっきゅ。もう、今更っきゅ…〕

ペルルがぽんぽんとわたしの足を叩きながら、慰めにもならない言葉をかけてくる。

「ぺりゅりゅぅ…」

〔ムリっきゅね。助けられないっきゅ。素直に話すっきゅ〕

[そんなぁ~っ…]

アメリアとアンネリースは未だにわたしの肩を掴みながら、無言の圧をかけてくるし、ペルルにも諦めろと言われた…。
うぅっ…。誰も助けてくれない。

「エルシーアよ、どうかしたのか??」

死刑宣告もとい、かぁしゃまからのお説教(にこにこ笑顔のブリザード付き)を恐れているわたしに、シロガネがキョトンと小首をかしげながら聞いてくる。
そんな仕草も可愛いなぁっ!!チクショウ…っ!!

あみぇり、あんにぇアメリア、アンネリース
かーしゃ はにゃし いきゅです…かぁしゃまに説明に行きます…

「「かしこまりました」」

わたしの言葉にスッと肩に置いた手を話すアメリアとアンネリース。体が自由に動く様になったので、シロガネを抱っこしようと持ち上げる。
みにょ~ん。伸びるシロガネの身体。
わたしの身長約80cm。そしてシロガネの体長約60cm。
うん。わたしには抱っこは無理だ。
わたしとペルルはアメリアに、シロガネはアンネリースに抱っこされてかぁしゃまの元へと向かった。


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