転生幼女の怠惰なため息

(◉ɷ◉ )〈ぬこ〉

文字の大きさ
上 下
85 / 166
第三章

王都出発に向けて⑧

しおりを挟む
王都出発に向けて、屋敷がバタつく中、わたしはサロンでひとりポケッとしています。
まぁ、ひとりと言ってもペルルもドラちゃんも双子なメイドのアメリアとアンネリースも居るけどね。

わたしは只今考え中。
それはウィルにぃへの誕生日プレゼントです。
7歳の誕生日は特別なもの。『神の子』から『この世界の子』になるのだから。何か記念になる物を贈りたい。
ウィルにぃが欲しいもの。それは以前、わたしが造った虹色の魔石。それをブローチにして贈ったらどうだろうか?

[ねぇ、ペルル──]
〔やめとけっきゅ〕

ペルルが食い気味に言う。

[──むぅ…。まだ何も言ってないのに…]

〔エル…。昨日ハリエットに怒られたばっかりっきゅよ?また何かやらかす気っきゅね〕

[違うもんっ!!ただ、ウィルにぃの誕生日プレゼントにブローチを贈りたいだけだもん。
それに今日はちゃんとかぁしゃまに相談するもんっ!!]

わたしだって、昨日の今日でやらかしたりはしない。

〔ブローチって、エルの魔力入りの虹色魔石っきゅか?〕

[そう。だめかな??]

〔ダメっきゅね。エルの存在が王都中に知れ渡る。そんな危険な事はさせられないっきゅ〕

「うにゅ~ぅ…」

ぐぬぬ…っ。やっぱりあの虹色の魔石はダメか。じゃあどうしよう…。

〔虹色魔石はダメっきゅけど、エルの手作りブローチだったらアイツは何でも喜ぶっきゅよ。エルには錬金術があるっきゅ。それで造ればいいっきゅ。まぁ、素となる材料が必要っきゅけど〕

ペルルが代替案を出してくれる。確かにそれでブローチを作って、わたしの魔力で何か付与すれば、わたしの魔力入りになるか。
素となる材料はかぁしゃまから使っていないアクセサリーを貰うしかないね。
わたし、エアネスト様からお金貰ってるけど、かぁしゃまに渡したらまた騒ぎになるだろうし…。

よしっ!!かぁしゃまにお伺いを立てよう。

あんにぇ かーしゃま じきゃん ある?アンネ、かぁしゃまは時間あるかな?

「聞いて参ります。お待ち下さい」

アンネリースが一礼をしてサロンから出ていく。
かぁしゃまの返事を待つ間、白桃の香りがする烏龍茶のアイスティーを飲みながら考える。
わたしの色かぁ…。わたしの髪はセレストブルーで、目は翡翠な緑とスフェーンの様なオレンジと緑が混じった色だ。
ウィルにぃに渡すなら、それぞれ色は違うけど青か、わたしの目の色の緑かな?どっちがいいだろう??
わたしの色となるとやっぱり緑かな??
かぁしゃまに使っていない緑色の宝石がないか聞かないとね。



コンコンコンッ。
「ただいま戻りました」

ノックの音と共にアンネリースがサロンに入ってくる。

じょうだっちゃ??どうだった??

「はい。今から休憩にするそうなので、大丈夫との事です」

うん。かぁしゃまが時間をわざわざ作ってくれたんだね。早速行かないと。

[ドラちゃん、直ぐに戻って来るから、お留守番お願いしてもいい?]

《いいよぉ~っ、いってらっしゃ~い》

ドラちゃんが葉っぱをわさわさ、短い手をフリフリしながら送り出してくれる。
よしっ!!では参りましょうかっ!!


しおりを挟む
感想 220

あなたにおすすめの小説

(完結)もふもふと幼女の異世界まったり旅

あかる
ファンタジー
死ぬ予定ではなかったのに、死神さんにうっかり魂を狩られてしまった!しかも証拠隠滅の為に捨てられて…捨てる神あれば拾う神あり? 異世界に飛ばされた魂を拾ってもらい、便利なスキルも貰えました! 完結しました。ところで、何位だったのでしょう?途中覗いた時は150~160位くらいでした。応援、ありがとうございました。そのうち新しい物も出す予定です。その時はよろしくお願いします。

転生皇女は冷酷皇帝陛下に溺愛されるが夢は冒険者です!

akechi
ファンタジー
アウラード大帝国の第四皇女として生まれたアレクシア。だが、母親である側妃からは愛されず、父親である皇帝ルシアードには会った事もなかった…が、アレクシアは蔑ろにされているのを良いことに自由を満喫していた。 そう、アレクシアは前世の記憶を持って生まれたのだ。前世は大賢者として伝説になっているアリアナという女性だ。アレクシアは昔の知恵を使い、様々な事件を解決していく内に昔の仲間と再会したりと皆に愛されていくお話。 ※コメディ寄りです。

裏の林にダンジョンが出来ました。~異世界からの転生幼女、もふもふペットと共に~

あかる
ファンタジー
私、異世界から転生してきたみたい? とある田舎町にダンジョンが出来、そこに入った美優は、かつて魔法学校で教師をしていた自分を思い出した。 犬と猫、それと鶏のペットと一緒にダンジョンと、世界の謎に挑みます!

滅びる異世界に転生したけど、幼女は楽しく旅をする!

白夢
ファンタジー
 何もしないでいいから、世界の終わりを見届けてほしい。  そう言われて、異世界に転生することになった。  でも、どうせ転生したなら、この異世界が滅びる前に観光しよう。  どうせ滅びる世界なら、思いっきり楽しもう。  だからわたしは旅に出た。  これは一人の幼女と小さな幻獣の、  世界なんて救わないつもりの放浪記。 〜〜〜  ご訪問ありがとうございます。    可愛い女の子が頼れる相棒と美しい世界で旅をする、幸せなファンタジーを目指しました。    ファンタジー小説大賞エントリー作品です。気に入っていただけましたら、ぜひご投票をお願いします。  お気に入り、ご感想、応援などいただければ、とても喜びます。よろしくお願いします! 23/01/08 表紙画像を変更しました

異世界母さん〜母は最強(つよし)!肝っ玉母さんの異世界で世直し無双する〜

トンコツマンビックボディ
ファンタジー
馬場香澄49歳 専業主婦 ある日、香澄は買い物をしようと町まで出向いたんだが 突然現れた暴走トラック(高齢者ドライバー)から子供を助けようとして 子供の身代わりに車にはねられてしまう

私の家族はハイスペックです! 落ちこぼれ転生末姫ですが溺愛されつつ世界救っちゃいます!

りーさん
ファンタジー
 ある日、突然生まれ変わっていた。理由はわからないけど、私は末っ子のお姫さまになったらしい。 でも、このお姫さま、なんか放置気味!?と思っていたら、お兄さんやお姉さん、お父さんやお母さんのスペックが高すぎるのが原因みたい。 こうなったら、こうなったでがんばる!放置されてるんなら、なにしてもいいよね! のんびりマイペースをモットーに、私は好きに生きようと思ったんだけど、実は私は、重要な使命で転生していて、それを遂行するために神器までもらってしまいました!でも、私は私で楽しく暮らしたいと思います!

今さら言われても・・・私は趣味に生きてますので

sherry
ファンタジー
ある日森に置き去りにされた少女はひょんな事から自分が前世の記憶を持ち、この世界に生まれ変わったことを思い出す。 早々に今世の家族に見切りをつけた少女は色んな出会いもあり、周りに呆れられながらも成長していく。 なのに・・・今更そんなこと言われても・・・出来ればそのまま放置しといてくれません?私は私で気楽にやってますので。 ※魔法と剣の世界です。 ※所々ご都合設定かもしれません。初ジャンルなので、暖かく見守っていただけたら幸いです。

転生先は盲目幼女でした ~前世の記憶と魔法を頼りに生き延びます~

丹辺るん
ファンタジー
前世の記憶を持つ私、フィリス。思い出したのは五歳の誕生日の前日。 一応貴族……伯爵家の三女らしい……私は、なんと生まれつき目が見えなかった。 それでも、優しいお姉さんとメイドのおかげで、寂しくはなかった。 ところが、まともに話したこともなく、私を気に掛けることもない父親と兄からは、なぜか厄介者扱い。 ある日、不幸な事故に見せかけて、私は魔物の跋扈する場所で見捨てられてしまう。 もうダメだと思ったとき、私の前に現れたのは…… これは捨てられた盲目の私が、魔法と前世の記憶を頼りに生きる物語。

処理中です...