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第二章

家族会議再び⑤

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わたしが、黄金色の姫りんごだと思っていた木の実が、実は精霊樹の実だと判明しました…。
なんてこったい…。

[ペルル、わかってたなら何で止めてくれなかったの!?]

〔精霊達に邪魔されてたから〕

ノォオオオオオッ!!!!
精霊さん達やっ!!なんてことを…。絶対に確信犯じゃんっ!!
今もわたしの側で、ぶんぶん飛び回ってる精霊さんをキッ!!と睨む。するときゃらきゃら笑いながらみんな逃げて行った。

「しかし、何故またウチに精霊樹が?」

おとしゃまがペルルに尋ねる。

〔精霊樹は精霊女王が自分の気に入った場所に植える。
今回はエルの魔力が気に入って、いつもエルと遊んでる精霊、森の動物や鳥達の為に植えたんじゃない?〕

精霊女王様…。そんなマーキングみたいな気軽な感じで植えて大丈夫なんですか…。

〔もちろん、精霊樹の木の実や葉っぱは、魔法薬や錬金術、後は霊薬なんかの材料になるよ。
精霊樹が家にあり、まして霊薬の材料になるなんて知れたら、これまた世の中大騒ぎだね〕

「精霊女王や精霊樹は伝承の中の存在だと…」

〔だろうね。精霊女王は全ての精霊の母だけど、滅多に姿は現さない。だけど精霊と同じでイタズラ好きだ。精霊樹だって、エルフの里に少しと、精霊界に世界樹と一緒にあるぐらいじゃない?〕

ウィルにぃの呟きに、ペルルが答える。

「「「「「世界樹…」」」」」

精霊界に世界樹、本当にあるんですね…。
庭に植えてたのが、精霊樹でまだよかったよ。

世界樹ってアレだよね?
北欧神話に出てくる、世界図中心の木が世界樹(ユグドラシル)。
世界を体現する巨大な木であり、アースガルズ、ミズガルズ、ヨトゥンヘイム、ヘルヘイムなどの九つの世界を内包する存在とされてて、世界その物なんだよね?
そんなやっべーもんじゃなくて本当によかったよ…。まぁ、精霊樹でもヤバいんだけど。

〔とにかく、至急対策が必要だよね〕

ペルルの対策と言う言葉に、全員がハッ!!とする。

「ペルル殿、先程、マンドラゴラの為に結界を張ると仰っていたが、その…精霊樹も結界を張ることは可能だろうか?」

おとしゃまが気まずそうにペルルに尋ねる。
ペルルみたいに、気軽に結界張れる人、なかなか居ないもんね…。
すまん…。おとしゃま…。

〔エルがやらかした事だしね。ボクも精霊に邪魔されて止めれなかった責任がある。
だけど、ボクだけの力じゃムリ〕

「では、どうすれば…」

〔焦る気持ちはよくわかるけどさ、少し落ち着きなよ〕

焦りの気持ちが強いのか、前のめりになっているおとしゃま。
わたしのせいだよね…。

〔ボクだけの力だけだとムリだけど、エルの力を借りればできる〕

[えっ??そうなの??]

〔エル、インベントリから無属性の魔石を5つ出して〕

[わかったよ。5つでいいんだね]

家族のみんなは、黙ってわたしとペルルとやり取りを見守っている。
わたしはペルちゃんリュックの背中に手を突っ込み、魔石を取り出す。
無属性の魔石は無色透明。大きさは、おとしゃまの拳位かな?

[ペルル、出したよ。どうすればいい??]

〔その無属性の魔石5つ全部にエルの魔力を入れる。ボクがストップって言うまで魔力を注いで〕

[うん。わかったよ]

無属性の魔石を両手で握り締めて目をつむり、少しずつ、まんべんなく行き渡る様に魔力を注いでゆく。
段々と魔石が温かくなってくる。どれぐらい注げばいいのかな??



〔ストップ。エル、もういいよ〕

ペルルの声に目を開けると、無色透明だった魔石が虹色に輝いていた。

「きれい…」「美しいわ…」

ルーねぇとかぁしゃまが感嘆の声を出す。
確かに美しい。魔石の中で虹色がぶつかり合い、輝いている。

〔エル、残りも同じ様に魔力を注いで〕

[OK。任せて]

1回目で要領はわかったし、残りの4つはサクッと済まそう。
残りの4つも先程と同じ様に、少しずつ、まんべんなく行き渡る様に魔力を注ぐ。



〔ストップ。もういいよ。なんと言うか…、流石エルだね。規格外だ〕

ペルルさんや、それは褒め言葉でいいんだよねっ!?


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