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第二章
祭壇(神棚)を造ろう!!②
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ドナドナ ド~ナド~ナ
ある昼下がりに売られる子牛な歌が、ずっと頭の中でリフレインする…。
別に双子なメイドに売られる訳じゃあないけど、気分は悲しそうな目をした子牛なのです…。
そんな事を考えていたら、かぁしゃまの執務室の前に到着しました。
アメリアが執務室の扉の前でわたしを下ろし、ササッと服装を整える。
コンコンコン。
「奥様、アメリアです。エルお嬢様をお連れしました」
アメリアが扉をノックして、かぁしゃまにお伺いをたてる。
「あら?エルちゃん?どうぞ、お入りなさいな」
扉の向こうから、かぁしゃまの声が聞こえて、かぁしゃま付のメイド、デルミーラが扉を開けてくれた。
「失礼します。さっ、エルお嬢様」
アメリアが執務室に入る様に促してくる。
うぅぅ~っ…。ドキドキするよう…。
「しちゅれー しまちゅ なの…」
かぁしゃまの執務室に入るけど、余りの緊張で、思わずアメリアのスカートを握って固まってしまう。
「エルちゃん、どうかしたの?さぁ、こっちにいらっしゃいな」
かぁしゃまに声をかけられたけど、動けないわたしに、「あらあら、困ったちゃんね」と、かぁしゃまが立ち上がって扉の前へやってくる。
「エルちゃん、いらっしゃい」
かぁしゃまが、わたしを抱き上げ、執務室の応接ソファーへそっと座らせる。そして、かぁしゃまも隣へ座った。
「エルちゃん、どうしたの?お母さまにお話があるのではなくって?」
かぁしゃまが、俯くわたしの顔をのぞき込んで聞いてくる。
「うにゅ~っ… ぺりゅりゅぅ…」
どうやって説明すればいいかわからず、思わずペルルに助けを求めてしまう。
〔仕方ないっきゅねぇ~っ…〕
ペルルはきゅきゅっと鳴いて、わたしを指差し、アンネリースにわたしの膝の上に運んでもらう。
膝の上に来たペルルは、かぁしゃまの方を向き、きゅうっきゅ~うっと何やら話しているようだった。念話で話しているのかな?
それを受けて、かぁしゃまが、
「デルミーラ、エルちゃんにりんごジュースと何か摘めるおやつをお願いできるかしら?準備ができたら少し下がってもらえる?」
「かしこまりました」
デルミーラがかぁしゃまの指示を受けて、部屋を出ていく。厨房に行ったのかな?
「アメリア、アンネリース。エルちゃんを連れてきてくれてありがとう。
デルミーラが戻ったら、あなた達も少し下がっていてもらえるかしら?」
「「かしこまりました」」
うえっ!?ペルルが居るけど、かぁしゃまとふたりっきりになるの!?ヤバいヤバい…。
〔エル、落ち着くっきゅ。みんなが下がったら、ハリエットに昨日みたいに念話で説明するっきゅ〕
ペルルがその小さな手で、ペチペチわたしの頰を叩きながら、念話で話しかけてくる。
[わかったよ。ペルル]
〔エルの考えていること、ちゃんと全部説明するっきゅよ?〕
「ぺりゅりゅ あーと」
コンコンコン。「失礼します」
デルミーラが戻って来たみたいだ。
デルミーラはわたし用のりんごジュースとクッキー、かぁしゃま用の紅茶を、応接机にテキパキ準備していく。
「それでは奥様、わたくしは隣の部屋で待機しておりますので、何かあればお呼びください」
デルミーラがすっと一礼して下がっていく。
それに続き、アメリアとアンネリースも一礼して下がって行った。
「エルちゃん、まずはりんごジュースを飲んで落ち着きなさい。
ペルルちゃんもクッキーはいかが?
飲んで、食べて落ち着いたら、お母さまに何があったか教えてちょうだいな」
「かーしゃ わきゃった なの」
かぁしゃまの言うとおり、わたしはりんごジュースを飲み、ペルルと一緒にクッキーを食べた。
ある昼下がりに売られる子牛な歌が、ずっと頭の中でリフレインする…。
別に双子なメイドに売られる訳じゃあないけど、気分は悲しそうな目をした子牛なのです…。
そんな事を考えていたら、かぁしゃまの執務室の前に到着しました。
アメリアが執務室の扉の前でわたしを下ろし、ササッと服装を整える。
コンコンコン。
「奥様、アメリアです。エルお嬢様をお連れしました」
アメリアが扉をノックして、かぁしゃまにお伺いをたてる。
「あら?エルちゃん?どうぞ、お入りなさいな」
扉の向こうから、かぁしゃまの声が聞こえて、かぁしゃま付のメイド、デルミーラが扉を開けてくれた。
「失礼します。さっ、エルお嬢様」
アメリアが執務室に入る様に促してくる。
うぅぅ~っ…。ドキドキするよう…。
「しちゅれー しまちゅ なの…」
かぁしゃまの執務室に入るけど、余りの緊張で、思わずアメリアのスカートを握って固まってしまう。
「エルちゃん、どうかしたの?さぁ、こっちにいらっしゃいな」
かぁしゃまに声をかけられたけど、動けないわたしに、「あらあら、困ったちゃんね」と、かぁしゃまが立ち上がって扉の前へやってくる。
「エルちゃん、いらっしゃい」
かぁしゃまが、わたしを抱き上げ、執務室の応接ソファーへそっと座らせる。そして、かぁしゃまも隣へ座った。
「エルちゃん、どうしたの?お母さまにお話があるのではなくって?」
かぁしゃまが、俯くわたしの顔をのぞき込んで聞いてくる。
「うにゅ~っ… ぺりゅりゅぅ…」
どうやって説明すればいいかわからず、思わずペルルに助けを求めてしまう。
〔仕方ないっきゅねぇ~っ…〕
ペルルはきゅきゅっと鳴いて、わたしを指差し、アンネリースにわたしの膝の上に運んでもらう。
膝の上に来たペルルは、かぁしゃまの方を向き、きゅうっきゅ~うっと何やら話しているようだった。念話で話しているのかな?
それを受けて、かぁしゃまが、
「デルミーラ、エルちゃんにりんごジュースと何か摘めるおやつをお願いできるかしら?準備ができたら少し下がってもらえる?」
「かしこまりました」
デルミーラがかぁしゃまの指示を受けて、部屋を出ていく。厨房に行ったのかな?
「アメリア、アンネリース。エルちゃんを連れてきてくれてありがとう。
デルミーラが戻ったら、あなた達も少し下がっていてもらえるかしら?」
「「かしこまりました」」
うえっ!?ペルルが居るけど、かぁしゃまとふたりっきりになるの!?ヤバいヤバい…。
〔エル、落ち着くっきゅ。みんなが下がったら、ハリエットに昨日みたいに念話で説明するっきゅ〕
ペルルがその小さな手で、ペチペチわたしの頰を叩きながら、念話で話しかけてくる。
[わかったよ。ペルル]
〔エルの考えていること、ちゃんと全部説明するっきゅよ?〕
「ぺりゅりゅ あーと」
コンコンコン。「失礼します」
デルミーラが戻って来たみたいだ。
デルミーラはわたし用のりんごジュースとクッキー、かぁしゃま用の紅茶を、応接机にテキパキ準備していく。
「それでは奥様、わたくしは隣の部屋で待機しておりますので、何かあればお呼びください」
デルミーラがすっと一礼して下がっていく。
それに続き、アメリアとアンネリースも一礼して下がって行った。
「エルちゃん、まずはりんごジュースを飲んで落ち着きなさい。
ペルルちゃんもクッキーはいかが?
飲んで、食べて落ち着いたら、お母さまに何があったか教えてちょうだいな」
「かーしゃ わきゃった なの」
かぁしゃまの言うとおり、わたしはりんごジュースを飲み、ペルルと一緒にクッキーを食べた。
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