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第二章

神像の説明をします③

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「エル、落ち着いたかい?」

おとしゃまが、わたしの背中をぽんぽんして、あやしながら聞いてくる。

うん… とーしゃ おちゅちゅいたうん…、おとしゃま、落ち着いた

「そうかい?それは良かったよ。
それでね、エル。最初に聞けばよかったんだけど、どうして神像を造ろうと思ったんだい?
あと、このクリスタルは何処から出てきたんだい?」

あっ…。やっぱり気になりますよね。
でもぉ、何処まで話せばいいのかな??

[ペルルぅ…。どうしよう。何処まで話せばいいのかな??]

〔包み隠さず、全部話すっきゅ。エアネスト様と再会した事、そこでの会話、あと、魔法でクリスタルを創り出して、神像を造った事を正直に話すっきゅ。隠すと余計に拗れこじれるっきゅよ〕

[うん…!!わかったよ。ちゃんと話すね]

「エルはまた、ペルルと念話で話してるのかい??」

わたしとペルルが念話で話していると、ウィルにぃがちょっとスネた感じで言ってくる。
スネたウィルにぃ、ちょっと可愛いかも…。

「エル、そうなのかい?ペルル殿と話しが終わったのなら、さっきみたいに説明をお願いできるかな?」

わきゃる したわかったよ

おとしゃまに促され、もう一度みんなの頭の中に直接話しかけるイメージを思い浮かべる。

[あのね、バルにぃとルーねぇの誕生日の神殿に行ったあの日、そこでエアネスト様に再会したの。エアネスト様もいつきちゃんにみつきちゃん、天照ちゃんも、いつでも見守ってくれているの。だけど、「何か困ったことがあったらいつでも神殿へおいで。ちゃんと応えるから」って言ってくれてたの。「でも、まだ小さいし、なかなか神殿に行けないよ」って言ったら、「だったら、木か石をわたしの像に見立てなさい。そして祈ったら声が聞こえるし、応えることができるよ」って…]

「そうか、エルはあの時、エアネスト様に再会した。だからエアネスト様の言葉どおり、神像を造ったんだね。
でも何でクリスタルなんだい?」

おとしゃまが念話での説明を聞いて問いかけてくる。
あぅっ…。やっぱり気になりますよねぇ…。

[えっと、最初は土が粘土で像を造ろうと思ったの。だけど、手が小さいし上手く造れないなって…。で、やっぱり造るならキラキラした石がいいなって思って、クリスタルを思い浮かべながら土をいじくってたら、魔法が発動して、クリスタルが出てきたの…。
それでさっき、おやつの前に自分の部屋で魔法を使ってこの像を造りました…]

「「「「「エル…」」」」」

あぁ…っ!!黙りこまないでぇ~っ!!今は沈黙が辛いのぉ~…っ。

「エル、体はなんともないかい?」

「う?」

おとしゃまがいちばん最初に再起動して聞いてくる。
体??何のことだろう??

「エルちゃん、魔力はね使い過ぎると、気持ち悪くなったり、体がダルくなったりするのよ。エルちゃんは平気かしら?」

ほぅほぅ。そんな症状が出るんだね。でもなぁわたしの魔力は底なしだし、大事かな?

かーしゃ へーきぉ?かぁしゃま、平気だよ

「そう、よかった…」

ん?かぁしゃまがすごくホッとしてる。なんでだろ??

「エル。魔法はね、慣れない小さな内から無理に使ったりすると、魔力暴走を起こしたり、魔力が魔力路、魔力が通る道だね、を傷つけたり詰まったりして、魔力が使えなくなるんだ。そして、最悪の場合は死亡するケースもある。
お母さまはその事を心配しているんだよ?」

ウィルにぃが、キョトンとしているわたしに気がついたのだろう。丁寧に説明をしてくれる。
そっかぁ…。わたしはかぁしゃまに物凄く心配をかけていたんだね…。

かーしゃ ごみぇんちゃー…かぁしゃま、ごめんなさい…

「いいの。エルちゃんが無事なら、お母さまはそれだけでいいのよ」

かぁしゃまが、また優しく優しく頭を撫でてくれる。
うん。今度から魔力を使う時は気をつけようっ!!

「そうだぜ、エル。魔力は3歳過ぎた頃から使い方を学ぶんだぜ?オレ達もそうだった。まずは魔力操作から練習するんだ」
「そうよ、エルちゃん。まずは魔力操作をいっぱい練習して、5歳頃から属性の見極めをして、初級から練習するの。ちょうど、わたくし達がその練習をしているのよ」

バルにぃもルーねぇも丁寧に説明してくれる。
わたしの家族はなんて優しいのだろう…。
本当にこの家族の娘として産まれてきてよかった。

「さっ、大体の説明はエルから聞いたことだし、家族みんなでティータイムにしよう。
エル、カヌレが食べたかったんだろ?」

「うんっ!!」

流石はおとしゃま、よくおわかりで。
ではでは、手にフォークを持ちまして、カヌレを食べるぞっ!!

「ペルル殿、遮音結界をありがとうございました」

〔エルのためだから、気にしてないっきゅ〕

[ありがとう、ペルル。カヌレ、いっぱい食べてねっ!!]

わたしがそう念話で声をかけると、ペルルは、きゅぅきゅ~っ!!と嬉しそうに鳴いて、小さな手でカヌレを持ち食べはじめた。


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