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第二章

みんなの像を造ろう!!①

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バルにぃとルーねぇの誕生日が終わると、次はウィルにぃの7歳の誕生日がやって来ます。
7歳の誕生日はただの誕生日ではなく、貴族の子息、令嬢は王都に集められ、中央神殿で礼拝し、その後、王宮でお披露目の儀式があるみたい。
今年はウィルにぃと同い年の、第一王子がいるから、余計に気合が入ってるらしいよ。
まぁ、わたしには関係ないけどね。

相変わらずかぁしゃまはお仕事だし、お兄ちゃんズとお姉ちゃんは勉強だ。
今日も今日とて、アメリアとアンネリースに連れられて、ペルルと一緒に家のお庭をお散歩です。



ザックザク、ザクザク、ザックザク

「「…エルお嬢様、何をしておいでで??」」

つち ほりゅ してぇりゅ土掘ってる

「見ればわかります。しかし、なぜまた土を掘ってるんです?」

アメリアが戸惑いがちに聞いてくる。

みんにゃの じょう ちゅくるるみんなの像を造るの

「「は…??はぁ…??」」

あっ、双子なメイドが困惑してる。
そうなのです。エルシーアは只今、花壇の土を木製のスコップでほじくり返しています。

大丈夫。ちゃんと庭師のヨーガンに許可はもらってる。
ヨーガンじぃはねぇ、茶色の髪に緑の目。日焼けした顔で、ガハハと笑うとお顔にシワがいっぱい出来る、豪快な庭師のじぃちゃんです。

そうそう、土をほじくり返している理由だけど、天照ちゃんやいつきちゃんにみつきちゃん、ついでにエアネスト様の像を造るためなのです。
エアネスト様は木や石を見立てればいいって、言っていた。
だけど、何かそれも味気ないなぁ~と思い、“じゃあ、土とか粘土で像を造ればいんじゃない!?”と思い立って今ココ。

だけどなぁ~…。わたしの小さな小さなおててでは細部までこだわって造るのは難しいしなぁ…。う~ん…
土の色だけじゃあ味気ないから色とか塗る??
でもなぁ、お絵かきする度にペルルになんで
〔独創的っきゅ…〕〔狂気を感じるっきゅ…〕って言われるんだろねぇ??ふっしぎぃ~っ??

日本の神像は主に木彫りの像か石像だから、そうなるとやっぱり、木か石??
でもなぁ、ここは西洋風な世界のだし、どうせならキラキラした石像とかカッコよくない!?
例えばクリスタルとか。
クリスタルって確か、地球の中心部の殻に含まれる二酸化ケイ素が地中の(マグマの)熱で溶かされ、それが冷えて固まったものが石英。
石英の中でも、特に透明度が高く、無色のものがクリスタル(水晶)なんだよね。

「「「………。」」」
〔………。〕

なんという事でしょうっ!!クリスタルの事を考えながら土を掘っていたせいか、花壇の土の中から、それはそれは立派なクリスタルの塊が出てきたではありませんかっ!!

〔エルだから、仕方ないっきゅ…〕ボソッ
「「エルお嬢様ですもんね…」」ボソボソッ

にゃっ…!?なっ…!?

な…っ、なんだってっ!?
わたしは何もしていないぞっ!!
…確かにちょっと土をいじくるのに固かったから、土魔法をこっそり発動してみただけだもんっ!!

〔エル…。それは土魔法と創造魔法の合わせ技っきゅ…〕

えぇぇ~~っ!?わたしがクリスタルとかいいなっ♪て思ったから!?
おっふ…。知らなかったよ…。

「「奥様に報告案件ですね…」」

いやぁ~っ!!やめれぇ~っ!!かぁしゃまに笑顔で怒られるの、本当にこわいからイヤなのぉ~っ!!
Nooooo ━━━━━━!!!!!!


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