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第二章

変化するわたしの日常⑦

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午前のお散歩タイムが終わり、お昼ごはんの席に着くと、『エル成分が足りないから補充する』と、よくわからない理由で、お兄ちゃんズとお姉ちゃんにかまい倒れました。
いや、食べさせてくれるのは嬉しいんだけどね、始終ウィルにぃは甘い声で囁いてくるわ、バルにぃとルーねぇは、それに対抗するわで、いつも以上にカオスなお昼ごはんでした…。

そして、お昼寝を終えて、お楽しみのおやつタイムです。
おやつタイムも、もちろんお兄ちゃんズとお姉ちゃんと一緒です。ペルルもね。
わたしがお昼寝している間も、お兄ちゃんズとお姉ちゃんはずっとお勉強タイムだったらしく、ちょっとお疲れなのです。途中、休憩を挟んでいるとはいえ、心配です。

今日のおやつは、午前中に森の動物達や鳥からもらった木の実や果物をふんだんに使ったパイでした。うんまぁ~。
ちゃんとアメリアとアンネリースが料理長のバメイにお願いしてくれたんだね。

「今日のおやつに使われている、木の実や果物はエルが動物や鳥からもらったって聞いたよ。エルは動物や鳥とも友だちになったのかい?」

う?? しょーよう??そうだよ

「さすが僕のお姫様だね」

くすくすっと笑いながら、ウィルにぃが膝の上に居るわたしを後ろから抱きしめてくる。
ウィルにぃ、わたしはあなたの恋人かナニかですか??

「兄貴、時間切れだ」

今度はバルにぃがサッとわたしを掴まえて、自分の膝の上に乗せてくる。
時間制なんですか??知らなかったよ…。

「エル、木の実や果物の他にも何かもらったんだろ?」

しょーにゃのそうだよ

テーブルを囲むわたし達の後ろに控えていたアメリアが、テーブルの上にハンカチに包まれた色とりどりのきれいな石を置く。
するとお兄ちゃんズとお姉ちゃんが、それぞれ手に取り確認している。
わたしはその様子を見ながら、きれいな石を光にかざしてみる。わたしが手に取ったのは、透明感のある、赤色の石だった。
何か、イチゴ味のキャンディみたいで美味しそう…

「「「エルっ!?」」」
「「エルお嬢様、何でも口にいれないでくださいっ!!」」

お兄ちゃんズにお姉ちゃん、双子なメイドが同時にストップをかけてくる。なんだろう??

「う??」

わたしが不思議そうにキョトンとしていると、

〔エル…。その手に持った石をどうするっきゅっ…??〕

ペルルに言われて、ハッと自分を見てみると、石を口に入れる寸前だった。無意識ってコワい…。石をそっと下ろして、てへっと誤魔化す。

「「「エル…」」」

すると、お兄ちゃんズとお姉ちゃんが残念な子を見るような目でこちらを見ていた。
なんだよう…。これぐらいの月齢の子どもは、何でも口に入れて確認してるじゃんっ!!

〔中身はアラフォーっきゅ…〕

ペルルにボソッとツッコミを入れられた。
ぐぬぬ…っ!!

「エルちゃん。大丈夫よ?落ち着いて」

るーねぇがそう言いながら、自分の膝の上にわたしを乗せる。

「エルちゃん。この石は特別な石なのよ」

ちょきゅべちゅ??特別??

「ルイーザの言うとおりだよ。エル。この石は魔石だよ」

まちぇき??魔石??

「そう魔石。魔力が含まれる石の事を言うんだよ。
空気中の魔素が純粋に結晶化した物もあれば、魔物の体内にある魔石もあるね。
僕達の家の森には魔物は滅多に出ないから、空気中の魔素が結晶化したものかな?
いい物をもらったね。大切にするといいよ、エル」

なるほど、この色とりどりのきれいな石は魔石なのか。転生前にエアネスト様が言っていたやつだね。

「エル、兄貴の話が難しかったか?」

わたしが、まじまじと魔石を観察していると、バルにぃが心配そうに聞いてくる。
ふっふっふ…。わたしは見た目は子ども、頭脳は大人なエルちゃんですよ??

わきゃる したっ!!ちゃんとわかったよっ!!

ドヤぁっとわたしが胸を貼ると、

「あらっ、さすがはエルちゃんね」

と、ルーねぇが優しく頭をなでなでしてくれた。あっ。ルーねぇ、そこ気持ちいいです。もっとなでなでしてください。ルーねぇの膝の上で大人しくなでなでされていると、

「すげーな、エル」

「さすがは僕のお姫様だね」

とバルにぃはわしわしと、ウィルにぃは大切なものを愛でる様になでなでしてきた。

3人同時になでなでされるのは嬉しいけど、ツラい…。頭がガクガクするぅ~…。しかもやっと最近、あごのラインまで伸びてきた髪が薄くなるのでやめてぇ~っ!!子どもの髪はデリケートなのぉ。ハゲはイヤぁ~~っ!!

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