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第二章
変化するわたしの日常②
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さてさて、家族みんなで、お待ちかねの朝ごはんです。
本日の朝ごはんはふわとろオムレツとカリカリベーコン、新鮮野菜のグリーンサラダにロールパン。デザートはフルーツヨーグルト。りんごジュースを添えてとなっております。
完全に洋食な朝ごはんです。
そうそう、この世界のパン、ちゃんと柔らかかったよっ!!
良かったぁ。昔読んだラノベに出てくる石みたいなカチカチパンじゃなくて。
パンのつくり方を広めるとか、わたしには無理だもん。
ドライイーストを使って、パン焼き器を使ってなら作った事あるけど。ドライイーストがない場合って、確かりんごとかレーズンから天然酵母を取り出すんだよね?
〔…あげないっきゅよ?〕
天然酵母の事を考えていたせいか、両手でレーズンを持ち、ハムハムと食べていたペルルをジッと見つめていたらしい。
取らないよ…。そこまで食い意地張ってないやい。
未だ上手に使えない、スプーンやフォークと格闘しながらもぐもぐごはんを食べていると
「本日の朝食はいかがですか?」
と、コック服を着た人が、おとしゃま達の食後のティーセットを乗せたトレーを押しながら入って来た。
「くましゃん??」
そう。コック服を着た人の頭の上には、くまミミが付いていたのである。
わたしが、ポカーンとしていると、おとしゃまが、
「とても美味しかったよ。いつもありがとう」
と返事を返す。料理人さんなのかな?
「エル、この方はね、料理長のバメイよ。
旦那様がね、昔、10代のやんちゃをしていた頃の冒険者仲間なの。その頃から料理が上手でね、旦那様がこの家の当主になる時に、頼み込んで料理人になってもらったのよ」
くすくす笑いながら、かぁしゃまが料理長のバメイさんを紹介してくれた。
おとしゃま…、昔はやんちゃだったんですね…。今のおとしゃまからは全然想像できない。澄ましてお茶を飲む姿のおとしゃまはいかにも貴族ですって感じだ。
しかしバメイさん、デカイな。身長は190cm以上ありそうだし、コック服の下の筋肉なんてムキムキだよ。ゴリマッチョだよ。
でも、はちみつ色をしたその瞳が全体的に優しそうに見せている。
「いやいや。あの頃の奥様も、十分にやんちゃでしたよ。なんせ、あっしらの冒険に付いてきて、バカスカ魔法をぶっ放していたんですから。それに──」
「あらっ?何の事かしら??」
かぁしゃまがにっこりと微笑む。しかし、目は全然微笑んでないっ!!
「いや、だからですね、奥様はその昔──」
「な・ん・の事かしら??」
やべぇ…かぁしゃまの微笑みがより深くなったけど、やっぱり全然目が微笑んでない。コワいよう…。
わたしがぷるぷる震えていると、
「あっ、お嬢っ!!あっしとははじめましてですね。料理長のバメイです。いつもあっしの作る料理を美味しそうに食べてくれているって聞いてますぜ」
やめろっ!!わたしに話を振るんじゃないっ!!
しかもお嬢とか、わたしはどこの組の者だっ!!
「えっちょぉ……はじめましゅて なの」
「わちゃし えりゅちーあ なの」
「よろちく なの」
固まった空気を変えようと、なんとか言葉を返す。
「おうっ!!よろしくな、お嬢っ!!」
いい笑顔で返事をいただきました。
しかし、かぁしゃまが怒っている時って、危機管理が備わっているのか、おとしゃまもお兄ちゃんズもお姉ちゃんも静かだな…。
本日の朝ごはんはふわとろオムレツとカリカリベーコン、新鮮野菜のグリーンサラダにロールパン。デザートはフルーツヨーグルト。りんごジュースを添えてとなっております。
完全に洋食な朝ごはんです。
そうそう、この世界のパン、ちゃんと柔らかかったよっ!!
良かったぁ。昔読んだラノベに出てくる石みたいなカチカチパンじゃなくて。
パンのつくり方を広めるとか、わたしには無理だもん。
ドライイーストを使って、パン焼き器を使ってなら作った事あるけど。ドライイーストがない場合って、確かりんごとかレーズンから天然酵母を取り出すんだよね?
〔…あげないっきゅよ?〕
天然酵母の事を考えていたせいか、両手でレーズンを持ち、ハムハムと食べていたペルルをジッと見つめていたらしい。
取らないよ…。そこまで食い意地張ってないやい。
未だ上手に使えない、スプーンやフォークと格闘しながらもぐもぐごはんを食べていると
「本日の朝食はいかがですか?」
と、コック服を着た人が、おとしゃま達の食後のティーセットを乗せたトレーを押しながら入って来た。
「くましゃん??」
そう。コック服を着た人の頭の上には、くまミミが付いていたのである。
わたしが、ポカーンとしていると、おとしゃまが、
「とても美味しかったよ。いつもありがとう」
と返事を返す。料理人さんなのかな?
「エル、この方はね、料理長のバメイよ。
旦那様がね、昔、10代のやんちゃをしていた頃の冒険者仲間なの。その頃から料理が上手でね、旦那様がこの家の当主になる時に、頼み込んで料理人になってもらったのよ」
くすくす笑いながら、かぁしゃまが料理長のバメイさんを紹介してくれた。
おとしゃま…、昔はやんちゃだったんですね…。今のおとしゃまからは全然想像できない。澄ましてお茶を飲む姿のおとしゃまはいかにも貴族ですって感じだ。
しかしバメイさん、デカイな。身長は190cm以上ありそうだし、コック服の下の筋肉なんてムキムキだよ。ゴリマッチョだよ。
でも、はちみつ色をしたその瞳が全体的に優しそうに見せている。
「いやいや。あの頃の奥様も、十分にやんちゃでしたよ。なんせ、あっしらの冒険に付いてきて、バカスカ魔法をぶっ放していたんですから。それに──」
「あらっ?何の事かしら??」
かぁしゃまがにっこりと微笑む。しかし、目は全然微笑んでないっ!!
「いや、だからですね、奥様はその昔──」
「な・ん・の事かしら??」
やべぇ…かぁしゃまの微笑みがより深くなったけど、やっぱり全然目が微笑んでない。コワいよう…。
わたしがぷるぷる震えていると、
「あっ、お嬢っ!!あっしとははじめましてですね。料理長のバメイです。いつもあっしの作る料理を美味しそうに食べてくれているって聞いてますぜ」
やめろっ!!わたしに話を振るんじゃないっ!!
しかもお嬢とか、わたしはどこの組の者だっ!!
「えっちょぉ……はじめましゅて なの」
「わちゃし えりゅちーあ なの」
「よろちく なの」
固まった空気を変えようと、なんとか言葉を返す。
「おうっ!!よろしくな、お嬢っ!!」
いい笑顔で返事をいただきました。
しかし、かぁしゃまが怒っている時って、危機管理が備わっているのか、おとしゃまもお兄ちゃんズもお姉ちゃんも静かだな…。
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