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第二章
わたしの日常は非日常②
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「あなた、お待たせ」
トントンと扉のノックと共に、妻と上の子ども達が入って来る。
すると何故か長男の腕の中に、昼間エルがテイムしたと思われる、カーバンクルが居た。
「ウィル…。その腕に抱いているのは…」
「はい。お父さま。昼間、エルが従魔契約を結んだ、カーバンクルのペルルです。
お母さまに呼ばれて部屋を出ようとしたら、何故か目の前に居て、付いてきたので」
やはりカーバンクルか…。
カーバンクルは幻獣の一種で、滅多に人前には姿を現さない。
それが自らエルの前に姿を現した。エルが愛し子である故か…。
思わずため息が出そうになるのを、ぐっと堪える。
「そうか…。お前たち、そこのソファーに座りなさい」
妻と子ども達が執務机の前にある、応接用のソファーに座る。
すると、カーバンクルが“きゅっ”と鳴きながら、ウィルの腕から私の執務机の上に飛び乗った。
〔遮音結界発動〕
「なっ…!?!?」
カーバンクルの“きゅきゅっ”という鳴き声と共に、頭の中で声がした。
「あなた、どうしたの??」
妻が心配そうにこちらを見てくる。今の声は妻にも子ども達にも聴こえなかったのだろうか??
〔落ち着いて。誰が何処で何を聞いているかわからないから、念の為に遮音結界を張っただけだよ〕
「「「「えっ!?」」」」
どうやら今度は、妻と子ども達にも聴こえたらしい。
〔これはボクの念話スキルで話かけているだけだよ。君たちはエルと違って念話スキルは無いから、ボクには普通に話しかけてね〕
エル…。念話スキルも持っていたのか…。
「ペルル殿。よろしいだろうか。何故この家族の話し合いの場へ?」
〔君たちは今から、エルの事について話し合うんでしょう?ボクもね、君たちに伝えたい事があって来たんだよ〕
「なるほど。そうだったのですね。では、ペルル殿のお話から先にお聞かせください」
私は、カーバンクルのペルル殿に先に話をしてもらえるよう促した。
〔ボクは、願いの守護獣、カーバンクルのペルルだよ。ボクはね、とある神々の願いによってエルの元に来たんだよ。だから、ボクが守護するのはエルだけだけど、ヨロシクね〕
とある神々か…。エアネスト様の名前が出なかったという事は、それ以外の神か…。
「わかりました。ペルル殿。エルの事を護っていただけるだけで、我らとしてはありがたい。今度ともよろしくお願いします」
そうだ。エルの事だけでもいいから護っていただけるのは、ありがたい。
この先何が起こるかわからないのだから…。
私がペルル殿に頭を深々と下げると、それを見た妻と子ども達も頭を下げた。
〔うん。わかったよ。みんな頭を上げてもいいよ。
これからこの子達にエルの事を説明するんだよね?ボクもここに居て、どんな説明をするか聞いていてもいいかな?〕
「しかし、ペルル殿。エルの側から離れても大丈夫なのですか?」
〔大丈夫だよ。エルはもう寝てるし、エルの周りに防護結界を張ってあるから〕
ペルル殿が“きゅきゅっ”と鳴き、毛づくろいしながら事も無げに言う。
遮音結界に防護結界だぞ!?そんな簡単にできる事じゃない。
流石守護獣というか、何というか、エルがテイムするだけの事があるな。
トントンと扉のノックと共に、妻と上の子ども達が入って来る。
すると何故か長男の腕の中に、昼間エルがテイムしたと思われる、カーバンクルが居た。
「ウィル…。その腕に抱いているのは…」
「はい。お父さま。昼間、エルが従魔契約を結んだ、カーバンクルのペルルです。
お母さまに呼ばれて部屋を出ようとしたら、何故か目の前に居て、付いてきたので」
やはりカーバンクルか…。
カーバンクルは幻獣の一種で、滅多に人前には姿を現さない。
それが自らエルの前に姿を現した。エルが愛し子である故か…。
思わずため息が出そうになるのを、ぐっと堪える。
「そうか…。お前たち、そこのソファーに座りなさい」
妻と子ども達が執務机の前にある、応接用のソファーに座る。
すると、カーバンクルが“きゅっ”と鳴きながら、ウィルの腕から私の執務机の上に飛び乗った。
〔遮音結界発動〕
「なっ…!?!?」
カーバンクルの“きゅきゅっ”という鳴き声と共に、頭の中で声がした。
「あなた、どうしたの??」
妻が心配そうにこちらを見てくる。今の声は妻にも子ども達にも聴こえなかったのだろうか??
〔落ち着いて。誰が何処で何を聞いているかわからないから、念の為に遮音結界を張っただけだよ〕
「「「「えっ!?」」」」
どうやら今度は、妻と子ども達にも聴こえたらしい。
〔これはボクの念話スキルで話かけているだけだよ。君たちはエルと違って念話スキルは無いから、ボクには普通に話しかけてね〕
エル…。念話スキルも持っていたのか…。
「ペルル殿。よろしいだろうか。何故この家族の話し合いの場へ?」
〔君たちは今から、エルの事について話し合うんでしょう?ボクもね、君たちに伝えたい事があって来たんだよ〕
「なるほど。そうだったのですね。では、ペルル殿のお話から先にお聞かせください」
私は、カーバンクルのペルル殿に先に話をしてもらえるよう促した。
〔ボクは、願いの守護獣、カーバンクルのペルルだよ。ボクはね、とある神々の願いによってエルの元に来たんだよ。だから、ボクが守護するのはエルだけだけど、ヨロシクね〕
とある神々か…。エアネスト様の名前が出なかったという事は、それ以外の神か…。
「わかりました。ペルル殿。エルの事を護っていただけるだけで、我らとしてはありがたい。今度ともよろしくお願いします」
そうだ。エルの事だけでもいいから護っていただけるのは、ありがたい。
この先何が起こるかわからないのだから…。
私がペルル殿に頭を深々と下げると、それを見た妻と子ども達も頭を下げた。
〔うん。わかったよ。みんな頭を上げてもいいよ。
これからこの子達にエルの事を説明するんだよね?ボクもここに居て、どんな説明をするか聞いていてもいいかな?〕
「しかし、ペルル殿。エルの側から離れても大丈夫なのですか?」
〔大丈夫だよ。エルはもう寝てるし、エルの周りに防護結界を張ってあるから〕
ペルル殿が“きゅきゅっ”と鳴き、毛づくろいしながら事も無げに言う。
遮音結界に防護結界だぞ!?そんな簡単にできる事じゃない。
流石守護獣というか、何というか、エルがテイムするだけの事があるな。
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