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第二章
わたしの日常⑤
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ティータイムの間中、代わる代わる抱っこされるわたし…。
今はやっと、かぁしゃまのお膝の上に落ち着きました。
じゃあ、確認してみるか。
精霊さんどこまで認識してるの問題。
「にぃしゃ ねぇしゃ かぁしゃ」
わたしはちょいちょいと手招きしながら、話を切り出す。すると、
「なんだい?」
「おう、何だ?」
「なぁに、エルちゃん」
「あら、何かしらエルちゃん」
と全員が応えてくれる。
「こえ みえる しゅる??」
わたしは、本日のおやつであるマドレーヌをかじろうとしている精霊さんを指差して聞いてみた。
「ん?このマドレーヌがどうしたんだ??」
バルにぃよ…。そうじゃない…。
わたしは精霊さんの事を聞いているんだい。
わたしは違うよの意味を込めて、首をふるふると振る。
「あら?じゃあ何かしら??」
ルーねぇが不思議そうに首を傾げる。
「エル。もしかして、この光の事かい?」
「うん しょうっ!!」
おおぉっ!!流石ウィルにぃ。わかってくれたっ!!
「あら、そうなの?エルちゃん」
かぁしゃまも聞いてくる。
「あのにぇ どこ みえる??」
「どこまで見えてるって事かな?僕にはこの淡い光が精霊であるって事はわかるよ?」
ウィルにぃがわたしの聞きたい事を通訳しながら答えてくれる。
その目は、見つかった事が気まずかったのか、ふよふよと飛んでいく精霊さんを目で追っている。
「ん?そうなのか??エル。オレにも光ってる様にしか見えねぇぞ?」
「うん。わたくしも」
「そうねぇ。お母さまにも光って見えるわ」
およ?ふよふよ飛んでいる淡い光=精霊さんって事は認識してるんだな。
じゃあ、わたしみたいに、その姿は見えてるのかな?
「おときょのこ? おんにゃのきょ?」
「男の子と女の子って事かい?エルには精霊の姿がハッキリ見えてるのかな??」
「うん みえる しゅる」
「しぇーれー ちょう の はね」
「さっき おときょのこ」
「「「「えっ!?」」」」
えっ!?!?
全員がこっちを驚いた顔で見てくる。
あれぇ??みんなには姿までは見えないのか??
じゃあ、意思疎通もできない??
「しぇーれー しゃべりゅ しない??」
「エル、エルは精霊が何を喋っているかわかるのかい??」
「うん わきゃる する」
わたしが返事をすると全員が固まった。
おんやぁ~っ??何かわたし変な事を言ったのだろうか…。
「あらぁ~。あらあら。困ったわぁ~」
いち早くもとに戻ったかぁしゃまが頬に手を当てて困り果てている。
はて?何が困ったのかな??
「エル。ちょっといいかい?
エル。あのね、普通の人は精霊の姿は見えないし、ましてお喋りもできないんだよ。だからね、この事は家族の秘密にしよっか。」
次にもとに戻ったウィルにぃが真剣な顔で秘密だよって言ってくる。
ところで、バルにぃとルーねぇは固まったまんまだけど、いいのかな。
秘密、秘密かぁ…。別にいいケド、でも何でなんだろう??
「うぃーにぃ にゃんで??」
「う~ん。今のエルに説明してわかるかなぁ??」
わたしの問いかけにウィルにぃが悩む。
大丈夫だよ。ウィルにぃ。わたしはうまく喋れないだけで、みんなの話は理解している。
わたしはウィルにぃに“大丈夫だよ。ドンと来いっ!!”の意味を込めて、うんうん。と頷いた。
「う~ん。わかったよ。あのね──」
どうやらウィルにぃの説明によると、魔力量の少ない人、特に平民には全く見えない。
魔力量がそこそこある、貴族はウィルにぃ達みたいに淡い光に見えるらしい。
そしてその姿がハッキリ見えるのは、精霊と契約を交した者だけ。契約を交した者だけが意思疎通がてきる。
また、精霊は魔法の補助をしてくれるので、契約もしていないのに見える、意思疎通できる。となると、誰に利用されるかわからないから危険との事だった。
「──いいかい?だからね、家族以外には誰にも話ちゃいけないからね。約束してね。エル」
とウィルにぃに、こんこんと説明されたので
「うん わきゃる したっ!!」
とビシッと手を上げて返事をしたら、
「エルはいい子だね。さすがぼくのお姫様だ」
とウィルにぃに褒められた。
今はやっと、かぁしゃまのお膝の上に落ち着きました。
じゃあ、確認してみるか。
精霊さんどこまで認識してるの問題。
「にぃしゃ ねぇしゃ かぁしゃ」
わたしはちょいちょいと手招きしながら、話を切り出す。すると、
「なんだい?」
「おう、何だ?」
「なぁに、エルちゃん」
「あら、何かしらエルちゃん」
と全員が応えてくれる。
「こえ みえる しゅる??」
わたしは、本日のおやつであるマドレーヌをかじろうとしている精霊さんを指差して聞いてみた。
「ん?このマドレーヌがどうしたんだ??」
バルにぃよ…。そうじゃない…。
わたしは精霊さんの事を聞いているんだい。
わたしは違うよの意味を込めて、首をふるふると振る。
「あら?じゃあ何かしら??」
ルーねぇが不思議そうに首を傾げる。
「エル。もしかして、この光の事かい?」
「うん しょうっ!!」
おおぉっ!!流石ウィルにぃ。わかってくれたっ!!
「あら、そうなの?エルちゃん」
かぁしゃまも聞いてくる。
「あのにぇ どこ みえる??」
「どこまで見えてるって事かな?僕にはこの淡い光が精霊であるって事はわかるよ?」
ウィルにぃがわたしの聞きたい事を通訳しながら答えてくれる。
その目は、見つかった事が気まずかったのか、ふよふよと飛んでいく精霊さんを目で追っている。
「ん?そうなのか??エル。オレにも光ってる様にしか見えねぇぞ?」
「うん。わたくしも」
「そうねぇ。お母さまにも光って見えるわ」
およ?ふよふよ飛んでいる淡い光=精霊さんって事は認識してるんだな。
じゃあ、わたしみたいに、その姿は見えてるのかな?
「おときょのこ? おんにゃのきょ?」
「男の子と女の子って事かい?エルには精霊の姿がハッキリ見えてるのかな??」
「うん みえる しゅる」
「しぇーれー ちょう の はね」
「さっき おときょのこ」
「「「「えっ!?」」」」
えっ!?!?
全員がこっちを驚いた顔で見てくる。
あれぇ??みんなには姿までは見えないのか??
じゃあ、意思疎通もできない??
「しぇーれー しゃべりゅ しない??」
「エル、エルは精霊が何を喋っているかわかるのかい??」
「うん わきゃる する」
わたしが返事をすると全員が固まった。
おんやぁ~っ??何かわたし変な事を言ったのだろうか…。
「あらぁ~。あらあら。困ったわぁ~」
いち早くもとに戻ったかぁしゃまが頬に手を当てて困り果てている。
はて?何が困ったのかな??
「エル。ちょっといいかい?
エル。あのね、普通の人は精霊の姿は見えないし、ましてお喋りもできないんだよ。だからね、この事は家族の秘密にしよっか。」
次にもとに戻ったウィルにぃが真剣な顔で秘密だよって言ってくる。
ところで、バルにぃとルーねぇは固まったまんまだけど、いいのかな。
秘密、秘密かぁ…。別にいいケド、でも何でなんだろう??
「うぃーにぃ にゃんで??」
「う~ん。今のエルに説明してわかるかなぁ??」
わたしの問いかけにウィルにぃが悩む。
大丈夫だよ。ウィルにぃ。わたしはうまく喋れないだけで、みんなの話は理解している。
わたしはウィルにぃに“大丈夫だよ。ドンと来いっ!!”の意味を込めて、うんうん。と頷いた。
「う~ん。わかったよ。あのね──」
どうやらウィルにぃの説明によると、魔力量の少ない人、特に平民には全く見えない。
魔力量がそこそこある、貴族はウィルにぃ達みたいに淡い光に見えるらしい。
そしてその姿がハッキリ見えるのは、精霊と契約を交した者だけ。契約を交した者だけが意思疎通がてきる。
また、精霊は魔法の補助をしてくれるので、契約もしていないのに見える、意思疎通できる。となると、誰に利用されるかわからないから危険との事だった。
「──いいかい?だからね、家族以外には誰にも話ちゃいけないからね。約束してね。エル」
とウィルにぃに、こんこんと説明されたので
「うん わきゃる したっ!!」
とビシッと手を上げて返事をしたら、
「エルはいい子だね。さすがぼくのお姫様だ」
とウィルにぃに褒められた。
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