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第一章
最期の願い①
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「さて、話はまとまったかの」
それまで静かに事の成り行きを見守ってくださっていた天照大御神様が切り出す。
「では。いつき、みつき」
「はい」
「はい。天照大御神様」
天照大御神様の声掛けに、いつきちゃんとみつきちゃんがお互いを見つめコクンッと頷き合う。
「紗代、俺とみつきから、紗代に加護を与えたい」
「えっ!?!?そんな事できるの!?って言うか、いいの!?」
「落ち着いて。紗代ちゃん。わたし達から加護を与える事は、天照大御神様からも、地球の神様からもちゃんと了承いただいてるから大丈夫だよ。それにね、見てて──」
そう言いながら、一旦わたしから離れた、みつきちゃんといつきちゃんが同時にクルンと回転する。
するとどうだろう…
今までは5歳児ぐらいだった、いつきちゃんとみつきちゃんの姿が15~16歳ぐらいになった。
「えっ…えええぇぇ~~~っ!?!?!?」
「紗代、驚きすぎ…、うるさい」
「紗代ちゃんってば、驚きすぎだよ~」
いつきちゃんとみつきちゃんがそう言いながらこちらへ戻って来た。
「えっ!?えぇぇ~っ!!いつきちゃんってばめっちゃ美少年っ!!みつきちゃんもめっちゃ美少女になってるケドぉ~っ!?」
「だから、紗代はうるさい…」
いつきちゃんがちょっと照れながらそう言うが、わたしはそれどころでは無いっ!!
5歳児ぐらいだった頃から可愛くて、子どもモデルになれるのでは??って感じだったのに、今度はいつきちゃんはジャニーズ系の美少年だし、みつきちゃんだって、そこいらのアイドルに負けないくらい美少女だ。
「紗代ちゃん。これはね、紗代ちゃんのおかげでもあるんだよ」
「えっ??みつきちゃん、どういう事??わたし、別に何もしてないよ??」
みつきちゃんの言葉にわたしはキョトンとなる。
「あのな、紗代。紗代は俺達に『いつき』『みつき』という名前をくれた。俺達の様な妖怪にとって、名付けはとても重要になる。紗代が名付けをして、それを俺達が受け入れる。そうする事によって、紗代と俺達の繋がりは強まり、力だって増す。だから、紗代のおかげだ」
「そうだよ、紗代ちゃん。もちろん紗代ちゃんの他にも、紗代ちゃんの一族は長い時に渡ってわたし達の存在を受け入れ、大切にしてくれていた。その想いがね、わたし達に力をくれたんだよ。だからね、今度はわたし達の番」
そうだったんだ…。全然知らなかった。
名付けだって『お座敷さま』では、ひとりずつ呼びたい時に不便だなって子どもの頃に思ったのが始まりだったし。
そんな気軽な思いをいつきちゃんもみつきちゃんも受け入れてくれたんだ…。
何だろう…、嬉しくて泣きそうだよ…。
「ありがとう…。いつきちゃん。みつきちゃん」
「「こちらこそ」」
そう言いながら、いつきちゃんとみつきちゃんがわたしを抱きしめて来た。
それまで静かに事の成り行きを見守ってくださっていた天照大御神様が切り出す。
「では。いつき、みつき」
「はい」
「はい。天照大御神様」
天照大御神様の声掛けに、いつきちゃんとみつきちゃんがお互いを見つめコクンッと頷き合う。
「紗代、俺とみつきから、紗代に加護を与えたい」
「えっ!?!?そんな事できるの!?って言うか、いいの!?」
「落ち着いて。紗代ちゃん。わたし達から加護を与える事は、天照大御神様からも、地球の神様からもちゃんと了承いただいてるから大丈夫だよ。それにね、見てて──」
そう言いながら、一旦わたしから離れた、みつきちゃんといつきちゃんが同時にクルンと回転する。
するとどうだろう…
今までは5歳児ぐらいだった、いつきちゃんとみつきちゃんの姿が15~16歳ぐらいになった。
「えっ…えええぇぇ~~~っ!?!?!?」
「紗代、驚きすぎ…、うるさい」
「紗代ちゃんってば、驚きすぎだよ~」
いつきちゃんとみつきちゃんがそう言いながらこちらへ戻って来た。
「えっ!?えぇぇ~っ!!いつきちゃんってばめっちゃ美少年っ!!みつきちゃんもめっちゃ美少女になってるケドぉ~っ!?」
「だから、紗代はうるさい…」
いつきちゃんがちょっと照れながらそう言うが、わたしはそれどころでは無いっ!!
5歳児ぐらいだった頃から可愛くて、子どもモデルになれるのでは??って感じだったのに、今度はいつきちゃんはジャニーズ系の美少年だし、みつきちゃんだって、そこいらのアイドルに負けないくらい美少女だ。
「紗代ちゃん。これはね、紗代ちゃんのおかげでもあるんだよ」
「えっ??みつきちゃん、どういう事??わたし、別に何もしてないよ??」
みつきちゃんの言葉にわたしはキョトンとなる。
「あのな、紗代。紗代は俺達に『いつき』『みつき』という名前をくれた。俺達の様な妖怪にとって、名付けはとても重要になる。紗代が名付けをして、それを俺達が受け入れる。そうする事によって、紗代と俺達の繋がりは強まり、力だって増す。だから、紗代のおかげだ」
「そうだよ、紗代ちゃん。もちろん紗代ちゃんの他にも、紗代ちゃんの一族は長い時に渡ってわたし達の存在を受け入れ、大切にしてくれていた。その想いがね、わたし達に力をくれたんだよ。だからね、今度はわたし達の番」
そうだったんだ…。全然知らなかった。
名付けだって『お座敷さま』では、ひとりずつ呼びたい時に不便だなって子どもの頃に思ったのが始まりだったし。
そんな気軽な思いをいつきちゃんもみつきちゃんも受け入れてくれたんだ…。
何だろう…、嬉しくて泣きそうだよ…。
「ありがとう…。いつきちゃん。みつきちゃん」
「「こちらこそ」」
そう言いながら、いつきちゃんとみつきちゃんがわたしを抱きしめて来た。
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