10 / 166
第一章
神界で…⑦
しおりを挟む
「うぅ…っ、ひっく…ひっ…ひっ……はぁ…」
「紗代、少しは落ち着いたか??」
「紗代ちゃん…、落ち着いた??」
わたしがこのまま消えてしまうんじゃないかという恐怖で泣き続ける間、いつきちゃんとみつきちゃんがずっと抱きしめてくれていた。
「いつきちゃん、みつきちゃん、ありがとう。うん、落ち着いた…。わたしってばアラフォーのいい大人なのにダメだねぇ~。恥ずかしいよ…えへへ…」
「紗代、死や消えてしまうんじゃないかという恐怖に年齢は関係ない。だから、泣いていいんだ」
「紗代ちゃん、いつきの言うとおりだよ」
「いつきちゃん、みつきちゃん、本当にありがとう」
わたしが生まれた時からずっと側にいて、見守り続けて来てくれたふたりに心から感謝する。そして今もわたしの心を守るように優しく抱きしめてくれている。
「紗代、あのな、紗代の今後の事だけど、天照大御神様も閻魔大王様もちゃんと考えてくださっている」
「紗代ちゃん、そうだよ。だからね、大丈夫だよ。天照大御神様の話の続きを聞こう?」
わたしはふたりの言葉でハッ!!と顔を上げる。
そこには申し訳なさそうに眉根を下げてこちらを見つめる天照大御神様。
「天照大御神様、話の途中で取り乱してしまい、申し訳ございません…」
「良い良い。気にするでないよ、紗代。
自分が理不尽な理由で生命を奪われた話の後に、さらに先程の説明を聞けば誰でも取り乱す。だから良いのじゃよ」
そう話しかけながら天照大御神様は優しくわたしの頭を撫でてくださる。
「さて、紗代。今後の話をしよう。
妾と閻魔大王、そしてこの地球の神と話あった結果じゃが──」
話の続きに緊張して、わたしの心がドキドキと煩い。
「──紗代。そなた、地球とは別の世界で生を、人生をやり直しせぬか?」
「えっ…??人生のやり直し!?そんな事ができるんですかっ!?
ん…!?しかも地球とは別の世界????」
天照大御神様の話に理解が追いつかず、わたしの頭の中は??でいっぱいになる。そして口をポカーンと開けたままの状態でフリーズしてしまう。
「紗代、大丈夫だ」
「お~い、紗代ちゃ~ん。自分の世界から戻っておいでぇ~」
わたしはふたりの言葉で再びハッ!!と顔を上げる。
「ふふふっ。紗代には表情がころころと変わって、ほんに可愛らしいのう」
天照大御神様にはわたしたちのやり取りが微笑ましく見えたようだ。
「紗代。別の世界とはな、アソコに転がっておるアヤツの世界じゃ」
「えっ…!?!?」
「ンゴ~~っ、んん~~~っ、ん、ん~っ!!」
わたしたちの全員の視線を受け、エアネスト様が口に猿ぐつわの簀巻状態で再びビチビチ跳ねる。
エアネスト様、未だ簀巻状態だったんだ…。
「はぁ…。今後についての話し合いにアヤツも必要じゃしのう。致し方ない」
天照大御神様はそう言うと、扇をパチンッと鳴らす。
そうすると猿ぐつわと縛っていた縄が消えて、エアネスト様もボロボロの状態からきれいになった。
「エアネストや。今後の話し合いにそなたも必要な故、猿ぐつわと縄は外してやった。
ただしっ!!そなたはずっと正座をしておれ。よいな」
「えっ…!!だっ「よ・い・な?」あっ…ハイ」
「うむ。よろしい。では今後の話をしようかの」
「紗代、少しは落ち着いたか??」
「紗代ちゃん…、落ち着いた??」
わたしがこのまま消えてしまうんじゃないかという恐怖で泣き続ける間、いつきちゃんとみつきちゃんがずっと抱きしめてくれていた。
「いつきちゃん、みつきちゃん、ありがとう。うん、落ち着いた…。わたしってばアラフォーのいい大人なのにダメだねぇ~。恥ずかしいよ…えへへ…」
「紗代、死や消えてしまうんじゃないかという恐怖に年齢は関係ない。だから、泣いていいんだ」
「紗代ちゃん、いつきの言うとおりだよ」
「いつきちゃん、みつきちゃん、本当にありがとう」
わたしが生まれた時からずっと側にいて、見守り続けて来てくれたふたりに心から感謝する。そして今もわたしの心を守るように優しく抱きしめてくれている。
「紗代、あのな、紗代の今後の事だけど、天照大御神様も閻魔大王様もちゃんと考えてくださっている」
「紗代ちゃん、そうだよ。だからね、大丈夫だよ。天照大御神様の話の続きを聞こう?」
わたしはふたりの言葉でハッ!!と顔を上げる。
そこには申し訳なさそうに眉根を下げてこちらを見つめる天照大御神様。
「天照大御神様、話の途中で取り乱してしまい、申し訳ございません…」
「良い良い。気にするでないよ、紗代。
自分が理不尽な理由で生命を奪われた話の後に、さらに先程の説明を聞けば誰でも取り乱す。だから良いのじゃよ」
そう話しかけながら天照大御神様は優しくわたしの頭を撫でてくださる。
「さて、紗代。今後の話をしよう。
妾と閻魔大王、そしてこの地球の神と話あった結果じゃが──」
話の続きに緊張して、わたしの心がドキドキと煩い。
「──紗代。そなた、地球とは別の世界で生を、人生をやり直しせぬか?」
「えっ…??人生のやり直し!?そんな事ができるんですかっ!?
ん…!?しかも地球とは別の世界????」
天照大御神様の話に理解が追いつかず、わたしの頭の中は??でいっぱいになる。そして口をポカーンと開けたままの状態でフリーズしてしまう。
「紗代、大丈夫だ」
「お~い、紗代ちゃ~ん。自分の世界から戻っておいでぇ~」
わたしはふたりの言葉で再びハッ!!と顔を上げる。
「ふふふっ。紗代には表情がころころと変わって、ほんに可愛らしいのう」
天照大御神様にはわたしたちのやり取りが微笑ましく見えたようだ。
「紗代。別の世界とはな、アソコに転がっておるアヤツの世界じゃ」
「えっ…!?!?」
「ンゴ~~っ、んん~~~っ、ん、ん~っ!!」
わたしたちの全員の視線を受け、エアネスト様が口に猿ぐつわの簀巻状態で再びビチビチ跳ねる。
エアネスト様、未だ簀巻状態だったんだ…。
「はぁ…。今後についての話し合いにアヤツも必要じゃしのう。致し方ない」
天照大御神様はそう言うと、扇をパチンッと鳴らす。
そうすると猿ぐつわと縛っていた縄が消えて、エアネスト様もボロボロの状態からきれいになった。
「エアネストや。今後の話し合いにそなたも必要な故、猿ぐつわと縄は外してやった。
ただしっ!!そなたはずっと正座をしておれ。よいな」
「えっ…!!だっ「よ・い・な?」あっ…ハイ」
「うむ。よろしい。では今後の話をしようかの」
142
お気に入りに追加
3,713
あなたにおすすめの小説

(完結)もふもふと幼女の異世界まったり旅
あかる
ファンタジー
死ぬ予定ではなかったのに、死神さんにうっかり魂を狩られてしまった!しかも証拠隠滅の為に捨てられて…捨てる神あれば拾う神あり?
異世界に飛ばされた魂を拾ってもらい、便利なスキルも貰えました!
完結しました。ところで、何位だったのでしょう?途中覗いた時は150~160位くらいでした。応援、ありがとうございました。そのうち新しい物も出す予定です。その時はよろしくお願いします。

異世界母さん〜母は最強(つよし)!肝っ玉母さんの異世界で世直し無双する〜
トンコツマンビックボディ
ファンタジー
馬場香澄49歳 専業主婦
ある日、香澄は買い物をしようと町まで出向いたんだが
突然現れた暴走トラック(高齢者ドライバー)から子供を助けようとして
子供の身代わりに車にはねられてしまう

裏の林にダンジョンが出来ました。~異世界からの転生幼女、もふもふペットと共に~
あかる
ファンタジー
私、異世界から転生してきたみたい?
とある田舎町にダンジョンが出来、そこに入った美優は、かつて魔法学校で教師をしていた自分を思い出した。
犬と猫、それと鶏のペットと一緒にダンジョンと、世界の謎に挑みます!

異世界に召喚されたけど、聖女じゃないから用はない? それじゃあ、好き勝手させてもらいます!
明衣令央
ファンタジー
糸井織絵は、ある日、オブルリヒト王国が行った聖女召喚の儀に巻き込まれ、異世界ルリアルークへと飛ばされてしまう。
一緒に召喚された、若く美しい女が聖女――織絵は召喚の儀に巻き込まれた年増の豚女として不遇な扱いを受けたが、元スマホケースのハリネズミのぬいぐるみであるサーチートと共に、オブルリヒト王女ユリアナに保護され、聖女の力を開花させる。
だが、オブルリヒト王国の王子ジュニアスは、追い出した織絵にも聖女の可能性があるとして、織絵を連れ戻しに来た。
そして、異世界転移状態から正式に異世界転生した織絵は、若く美しい姿へと生まれ変わる。
この物語は、聖女召喚の儀に巻き込まれ、異世界転移後、新たに転生した一人の元おばさんの聖女が、相棒の元スマホケースのハリネズミと楽しく無双していく、恋と冒険の物語。
2022.9.7 話が少し進みましたので、内容紹介を変更しました。その都度変更していきます。

【完結】貧乏令嬢の野草による領地改革
うみの渚
ファンタジー
八歳の時に木から落ちて頭を打った衝撃で、前世の記憶が蘇った主人公。
優しい家族に恵まれたが、家はとても貧乏だった。
家族のためにと、前世の記憶を頼りに寂れた領地を皆に支えられて徐々に発展させていく。
主人公は、魔法・知識チートは持っていません。
加筆修正しました。
お手に取って頂けたら嬉しいです。

【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く

神様に嫌われた神官でしたが、高位神に愛されました
土広真丘
ファンタジー
神と交信する力を持つ者が生まれる国、ミレニアム帝国。
神官としての力が弱いアマーリエは、両親から疎まれていた。
追い討ちをかけるように神にも拒絶され、両親は妹のみを溺愛し、妹の婚約者には無能と罵倒される日々。
居場所も立場もない中、アマーリエが出会ったのは、紅蓮の炎を操る青年だった。
小説家になろうでも公開しています。
2025年1月18日、内容を一部修正しました。

記憶喪失の転生幼女、ギルドで保護されたら最強冒険者に溺愛される
マー子
ファンタジー
ある日魔の森で異常が見られ、調査に来ていた冒険者ルーク。
そこで木の影で眠る幼女を見つけた。
自分の名前しか記憶がなく、両親やこの国の事も知らないというアイリは、冒険者ギルドで保護されることに。
実はある事情で記憶を失って転生した幼女だけど、異世界で最強冒険者に溺愛されて、第二の人生楽しんでいきます。
・初のファンタジー物です
・ある程度内容纏まってからの更新になる為、進みは遅めになると思います
・長編予定ですが、最後まで気力が持たない場合は短編になるかもしれません⋯
どうか温かく見守ってください♪
☆感謝☆
HOTランキング1位になりました。偏にご覧下さる皆様のお陰です。この場を借りて、感謝の気持ちを⋯
そしてなんと、人気ランキングの方にもちゃっかり載っておりました。
本当にありがとうございます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる