転生幼女の怠惰なため息

(◉ɷ◉ )〈ぬこ〉

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第一章

神界で…⑤

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「紗代…今から俺が話す事をよく聞いてほしい」

いつきちゃんがわたしの目を見つめながら切り出す。

「紗代…。アイツの言うとおり、紗代は死んだ…
。紗代が仕事をしているときにピキピキッて変な音がしたんだよな?あの音はこの世界とアイツの居る世界との次元が繋がって割れる音だ。何故か紗代のいた場所に次元が繋がって割れた…。その時に巻き込まれて紗代は…紗代は死んだ…」

そう話すいつきちゃんはとてもつらそうだけど、でも、嘘偽り無く話してくれているってわかる。

「紗代ちゃん…大丈夫??」

「みつきちゃん…。うん…大丈夫だよ…」

みつきちゃんが心配そうにわたしの顔を覗き込む。
戸惑いは隠せないけど、いつきちゃんが話を切り出す時からずっと手を握ってくれている。反対側の手はいつきちゃんが握ってくれている。わたしは今ひとりじゃない。だから…大丈夫。

「えっと、いつきちゃん。なんで次元が繋がったの??多分だけど、本来ならありえない事だよね?」

「そうだ…。本来ならありえない。あっちゃいけないんだ。ただ、今回はアイツの世界に居た邪神がアイツに捕まるのを恐れて、この世界に無理やり逃げ込もうとした。それを見てアイツは慌てて捕まえようと、自分の力を思いっきり放ったらしい…。そのせいで次元が割れた」

そう言いながら、いつきちゃんは簀巻すまき状態のエアネスト様を睨む。

「ん~~~っ、ンゴ…、ん~~~っ!!」

いつきちゃんの絶対零度の睨みを受け、エアネストがビチビチ跳ねる。

「紗代、ここまでの話は大体理解できたか?」

「うん。いつきちゃん。大丈夫だよ。でも…」

「なんだ、紗代?」

「あのね、いつきちゃん。その肝心の邪神はちゃんと捕まったの??」

「ああ…。紗代の命を代償にな…」

「そっか…」

ギリギリといつきちゃんが悔しさを滲ませにじませながら歯を噛みしめる。

「紗代…、それでな…」

「ここからの話は妾が引き受けよう」

それまで静かにお茶を飲んでいた天照大御神様が切り出す。

「でも、その前にそなた達もいったん休憩せい。茶も茶菓子にも手をつけておらんではないか。せっかく準備したのにさみしいのう…」

やっぱり天照大御神様はお優しい。場を和ませてくれる。

「では、いただきます」

「「いただきます」」

「うむうむ。遠慮はいらん。たんと召し上がれ」

「美味しい…」

天照大御神様が準備してくださったお茶にホッとする。お茶請けのおかき揚げも絶品だ。

「美味しいね。紗代ちゃん」

「うん。美味しいね、みつきちゃん。天照大御神様、お茶もお茶請けも絶品です」

「そうかえ、そうかえ」

そう頷きながら天照大御神様は優しく微笑んだ。
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