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第一章
神界で…②
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「あっ…あのぉ…っ、そろそろ僕も紹介していただいてもいいでしょうか…」
今度は弱々しい男性の声が聞こえる。
声の主を見ると、月桂樹をモチーフにした黄金の王冠をつけた、元は美しかったであろう腰まで伸びた白金色の髪はボサボサになり、天照大御神様とは違った西洋風の造形をした、超然イケメンだった。しかし顔の目の周りに青タンを作り、両頬をバンバンに腫らしながら、シクシクと涙を流して土下座をしている。
挙げ句の果てには絹で織られたであろう、動くと角度によって虹色に輝く美しい、確かキトン?とかいう布(西洋の神々の服装ね)までもがズタボロになっている…。
「ナニがあった…えっ…コワっ…」
そんな姿を見て、思わずドン引きし、つぶやいてしまった…。
「そんなぁ~っ…、ひどいですよぅ…紗代さ~ぁん…」
そう言うと、ものすっごく残念イケメンは再びシクシクと泣き出した。
「ね…っ、ねぇ、いつきちゃん、みつきちゃんっ!!誰よコレ…。なんか、わたしの名前を知ってるみたいだしさぁ、ふたりの知り合いなの??」
わたしがいつきちゃん、みつきちゃんに再びぽしょぽしょと尋ねずねると──
「「断じて違うっ‼‼」」
と、ものすっごい拒否の反応が返ってきた…。
いつきちゃんが絶対零度の視線を向けながら、
「オイ、お前、自分の自己紹介と紗代の身に何が起きたか詳細に説明しろ。もちろん土下座は続行でだっ!!」
と言うと、
「そんなぁ~っ…「あぁぁンっ⁉」いえ、何でもないです…っ‼わたくしめが悪うございますっ‼
ゴッホん、実はですね…」
「その話は長くなりそうよのう。どれ、紗代や、こっちへ参るが良い」
天照大御神様が残念イケメンの話をぶった切り、パチンッと手に持っていた扇を鳴らすと、何も無かった空間から、テーブル(お茶&茶菓子つき)とイスが4脚出てきた。
「あれッ??天照大御神様、イスが1脚足りないような…」
だって、天照大御神様でしょ。いつきちゃん、みつきちゃん、わたしに、残念イケメンさんだと全部で5脚ないと足りないよね?
そう思って、あれれぇ??と首をひねっていると、天照大御神様は
「あの残念な奴は、座敷わらしのおのこが言うとおりあのまま土下座続行じゃ」
っと、扇で顔を半分隠しながら、
「ほほほほほっ。当然であろう。妾とて怒っているのじゃからな。反省は必要じゃ」
とおっしゃったのである。
今度は弱々しい男性の声が聞こえる。
声の主を見ると、月桂樹をモチーフにした黄金の王冠をつけた、元は美しかったであろう腰まで伸びた白金色の髪はボサボサになり、天照大御神様とは違った西洋風の造形をした、超然イケメンだった。しかし顔の目の周りに青タンを作り、両頬をバンバンに腫らしながら、シクシクと涙を流して土下座をしている。
挙げ句の果てには絹で織られたであろう、動くと角度によって虹色に輝く美しい、確かキトン?とかいう布(西洋の神々の服装ね)までもがズタボロになっている…。
「ナニがあった…えっ…コワっ…」
そんな姿を見て、思わずドン引きし、つぶやいてしまった…。
「そんなぁ~っ…、ひどいですよぅ…紗代さ~ぁん…」
そう言うと、ものすっごく残念イケメンは再びシクシクと泣き出した。
「ね…っ、ねぇ、いつきちゃん、みつきちゃんっ!!誰よコレ…。なんか、わたしの名前を知ってるみたいだしさぁ、ふたりの知り合いなの??」
わたしがいつきちゃん、みつきちゃんに再びぽしょぽしょと尋ねずねると──
「「断じて違うっ‼‼」」
と、ものすっごい拒否の反応が返ってきた…。
いつきちゃんが絶対零度の視線を向けながら、
「オイ、お前、自分の自己紹介と紗代の身に何が起きたか詳細に説明しろ。もちろん土下座は続行でだっ!!」
と言うと、
「そんなぁ~っ…「あぁぁンっ⁉」いえ、何でもないです…っ‼わたくしめが悪うございますっ‼
ゴッホん、実はですね…」
「その話は長くなりそうよのう。どれ、紗代や、こっちへ参るが良い」
天照大御神様が残念イケメンの話をぶった切り、パチンッと手に持っていた扇を鳴らすと、何も無かった空間から、テーブル(お茶&茶菓子つき)とイスが4脚出てきた。
「あれッ??天照大御神様、イスが1脚足りないような…」
だって、天照大御神様でしょ。いつきちゃん、みつきちゃん、わたしに、残念イケメンさんだと全部で5脚ないと足りないよね?
そう思って、あれれぇ??と首をひねっていると、天照大御神様は
「あの残念な奴は、座敷わらしのおのこが言うとおりあのまま土下座続行じゃ」
っと、扇で顔を半分隠しながら、
「ほほほほほっ。当然であろう。妾とて怒っているのじゃからな。反省は必要じゃ」
とおっしゃったのである。
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