4 / 166
第一章
神界で…①
しおりを挟む
ん…っ、ここは…??
紗代はゆっくりと目を覚した。
あたりを見渡すが一面の白…。何もない空間だった。
あれ…??わたし確か残業してて…
あっ。思い出したっ!
大和から電話がかかってきて、いつきちゃんとみつきちゃんにいつ帰って来るかって催促されてたんだっ。
それで返事をしようとしたら、突然変なピキッピキッって音がして…それから…
「紗代っ‼」
「紗代ちゃ~んっ‼よかった、目を覚ましたんだねっ‼」
いきなりいつきちゃんとみつきちゃんにぎゅっ~ぅと力強く抱きしめられる。
「いつきちゃん⁉みつきちゃん⁉なんでっ⁉どうしたの⁉」
「どうもこうもないよっ‼」
「そうだよっ‼突然紗代ちゃんの気配が消えて、わたしもいつきもビックリしてそれで…それで…」
話しながらみつきちゃんがボロボロと大粒の涙を流しだす。いつも元気いっぱいだったいつきちゃんの目にも涙が浮かんでいる。
「ふたりとも落ち着きなんし」
凛としたそれでいて優しく包み込むような声が響く。
いつきちゃんとみつきちゃんにぎゅうぎゅうに抱きしめられながら声がした方に視線を向ける。
そこには美しい十二単に身を包み、まるで夜空の星が瞬いているような髪が足元まで広がる超絶美人がいた…。
「えっ…めっちゃ美人…」
思わずぽかんと口を開けながら見入ってしまう。
「うふふっ…。めっちゃ美人とな。それはなんとも嬉しいのう」
ころころと鈴を転がすような美しい笑い声が響く。
なんというか、自分の造語力の無さがうらめしい…。
「えっ…あっ…ハイ…」
この世の物とは思えないほどの美しい造形の顔に見つめられ、思わずモジモジしてしまう。
「ね…、ねぇ、いつきちゃん、みつきちゃん。あの超絶美人さんはどなたなの??」
直接、「あなたは誰ですか??」と聞く勇気も無く、ぽしょぽしょといつきちゃんとみつきちゃんに尋ねる。
「ふたりとも、落ち着いたかえ?妾を紗代に紹介してたもれ」
「「あ…」」
ぎゅうぎゅうと抱きしめられるのは開放されたが、それでもふたりとも片方づつ手をぎゅうっと握ってくる。まるでもう二度と離さないと言っているようだ。
「紗代、あのな、この方は日本の神々の中でも頂点にいらっしゃる、天照大御神様だ」
いつきちゃんからの超絶美人さんの紹介を受け、思わず
「ほぇ…ぇ~っ⁉」
っと変な声が出てしまう。
「紗代ちゃん、紗代ちゃん、落ち着いて。大丈夫。天照大御神様はそれはもう慈悲深いお優しい方。いつきもわたしも一緒に居るから大丈夫」
みつきちゃんに背中を優しくトントンされながら、どうどうと落ち着くように言われる。
「ふふふっ。ほんに紗代は可愛らしいのう。さすがふたりが懐くはずじゃて」
「ええぇっ…あっ…ハイ…ありがとうこざいます…」
たぶんお世辞とはいえ、超絶美人さんから“可愛らしい”と言われ、顔から湯気が出るほど赤面し、「うぅ~っ…恥ずかしいよぅ…」とうつむいてしまう紗代であった。
紗代はゆっくりと目を覚した。
あたりを見渡すが一面の白…。何もない空間だった。
あれ…??わたし確か残業してて…
あっ。思い出したっ!
大和から電話がかかってきて、いつきちゃんとみつきちゃんにいつ帰って来るかって催促されてたんだっ。
それで返事をしようとしたら、突然変なピキッピキッって音がして…それから…
「紗代っ‼」
「紗代ちゃ~んっ‼よかった、目を覚ましたんだねっ‼」
いきなりいつきちゃんとみつきちゃんにぎゅっ~ぅと力強く抱きしめられる。
「いつきちゃん⁉みつきちゃん⁉なんでっ⁉どうしたの⁉」
「どうもこうもないよっ‼」
「そうだよっ‼突然紗代ちゃんの気配が消えて、わたしもいつきもビックリしてそれで…それで…」
話しながらみつきちゃんがボロボロと大粒の涙を流しだす。いつも元気いっぱいだったいつきちゃんの目にも涙が浮かんでいる。
「ふたりとも落ち着きなんし」
凛としたそれでいて優しく包み込むような声が響く。
いつきちゃんとみつきちゃんにぎゅうぎゅうに抱きしめられながら声がした方に視線を向ける。
そこには美しい十二単に身を包み、まるで夜空の星が瞬いているような髪が足元まで広がる超絶美人がいた…。
「えっ…めっちゃ美人…」
思わずぽかんと口を開けながら見入ってしまう。
「うふふっ…。めっちゃ美人とな。それはなんとも嬉しいのう」
ころころと鈴を転がすような美しい笑い声が響く。
なんというか、自分の造語力の無さがうらめしい…。
「えっ…あっ…ハイ…」
この世の物とは思えないほどの美しい造形の顔に見つめられ、思わずモジモジしてしまう。
「ね…、ねぇ、いつきちゃん、みつきちゃん。あの超絶美人さんはどなたなの??」
直接、「あなたは誰ですか??」と聞く勇気も無く、ぽしょぽしょといつきちゃんとみつきちゃんに尋ねる。
「ふたりとも、落ち着いたかえ?妾を紗代に紹介してたもれ」
「「あ…」」
ぎゅうぎゅうと抱きしめられるのは開放されたが、それでもふたりとも片方づつ手をぎゅうっと握ってくる。まるでもう二度と離さないと言っているようだ。
「紗代、あのな、この方は日本の神々の中でも頂点にいらっしゃる、天照大御神様だ」
いつきちゃんからの超絶美人さんの紹介を受け、思わず
「ほぇ…ぇ~っ⁉」
っと変な声が出てしまう。
「紗代ちゃん、紗代ちゃん、落ち着いて。大丈夫。天照大御神様はそれはもう慈悲深いお優しい方。いつきもわたしも一緒に居るから大丈夫」
みつきちゃんに背中を優しくトントンされながら、どうどうと落ち着くように言われる。
「ふふふっ。ほんに紗代は可愛らしいのう。さすがふたりが懐くはずじゃて」
「ええぇっ…あっ…ハイ…ありがとうこざいます…」
たぶんお世辞とはいえ、超絶美人さんから“可愛らしい”と言われ、顔から湯気が出るほど赤面し、「うぅ~っ…恥ずかしいよぅ…」とうつむいてしまう紗代であった。
198
お気に入りに追加
3,705
あなたにおすすめの小説

(完結)もふもふと幼女の異世界まったり旅
あかる
ファンタジー
死ぬ予定ではなかったのに、死神さんにうっかり魂を狩られてしまった!しかも証拠隠滅の為に捨てられて…捨てる神あれば拾う神あり?
異世界に飛ばされた魂を拾ってもらい、便利なスキルも貰えました!
完結しました。ところで、何位だったのでしょう?途中覗いた時は150~160位くらいでした。応援、ありがとうございました。そのうち新しい物も出す予定です。その時はよろしくお願いします。

裏の林にダンジョンが出来ました。~異世界からの転生幼女、もふもふペットと共に~
あかる
ファンタジー
私、異世界から転生してきたみたい?
とある田舎町にダンジョンが出来、そこに入った美優は、かつて魔法学校で教師をしていた自分を思い出した。
犬と猫、それと鶏のペットと一緒にダンジョンと、世界の謎に挑みます!
聖女召喚に巻き添え異世界転移~だれもかれもが納得すると思うなよっ!
山田みかん
ファンタジー
「貴方には剣と魔法の異世界へ行ってもらいますぅ~」
────何言ってんのコイツ?
あれ? 私に言ってるんじゃないの?
ていうか、ここはどこ?
ちょっと待てッ!私はこんなところにいる場合じゃないんだよっ!
推しに会いに行かねばならんのだよ!!

形成級メイクで異世界転生してしまった〜まじか最高!〜
ななこ
ファンタジー
ぱっちり二重、艶やかな唇、薄く色付いた頬、乳白色の肌、細身すぎないプロポーション。
全部努力の賜物だけどほんとの姿じゃない。
神様は勘違いしていたらしい。
形成級ナチュラルメイクのこの顔面が、素の顔だと!!
……ラッキーサイコー!!!
すっぴんが地味系女子だった主人公OL(二十代後半)が、全身形成級の姿が素の姿となった美少女冒険者(16歳)になり異世界を謳歌する話。

没落した建築系お嬢様の優雅なスローライフ~地方でモフモフと楽しい仲間とのんびり楽しく生きます~
土偶の友
ファンタジー
優雅な貴族令嬢を目指していたクレア・フィレイア。
しかし、15歳の誕生日を前に両親から没落を宣言されてしまう。
そのショックで日本の知識を思いだし、ブラック企業で働いていた記憶からスローライフをしたいと気付いた。
両親に勧められた場所に逃げ、そこで楽しいモフモフの仲間と家を建てる。
女の子たちと出会い仲良くなって一緒に住む、のんびり緩い異世界生活。

異世界母さん〜母は最強(つよし)!肝っ玉母さんの異世界で世直し無双する〜
トンコツマンビックボディ
ファンタジー
馬場香澄49歳 専業主婦
ある日、香澄は買い物をしようと町まで出向いたんだが
突然現れた暴走トラック(高齢者ドライバー)から子供を助けようとして
子供の身代わりに車にはねられてしまう

どうやら悪役令嬢のようですが、興味が無いので錬金術師を目指します(旧:公爵令嬢ですが錬金術師を兼業します)
水神瑠架
ファンタジー
――悪役令嬢だったようですが私は今、自由に楽しく生きています! ――
乙女ゲームに酷似した世界に転生? けど私、このゲームの本筋よりも寄り道のミニゲームにはまっていたんですけど? 基本的に攻略者達の顔もうろ覚えなんですけど?! けど転生してしまったら仕方無いですよね。攻略者を助けるなんて面倒い事するような性格でも無いし好きに生きてもいいですよね? 運が良いのか悪いのか好きな事出来そうな環境に産まれたようですしヒロイン役でも無いようですので。という事で私、顔もうろ覚えのキャラの救済よりも好きな事をして生きて行きます! ……極めろ【錬金術師】! 目指せ【錬金術マスター】!
★★
乙女ゲームの本筋の恋愛じゃない所にはまっていた女性の前世が蘇った公爵令嬢が自分がゲームの中での悪役令嬢だという事も知らず大好きな【錬金術】を極めるため邁進します。流石に途中で気づきますし、相手役も出てきますが、しばらく出てこないと思います。好きに生きた結果攻略者達の悲惨なフラグを折ったりするかも? 基本的に主人公は「攻略者の救済<自分が自由に生きる事」ですので薄情に見える事もあるかもしれません。そんな主人公が生きる世界をとくと御覧あれ!
★★
この話の中での【錬金術】は学問というよりも何かを「創作」する事の出来る手段の意味合いが大きいです。ですので本来の錬金術の学術的な論理は出てきません。この世界での独自の力が【錬金術】となります。

女神の代わりに異世界漫遊 ~ほのぼの・まったり。時々、ざまぁ?~
大福にゃここ
ファンタジー
目の前に、女神を名乗る女性が立っていた。
麗しい彼女の願いは「自分の代わりに世界を見て欲しい」それだけ。
使命も何もなく、ただ、その世界で楽しく生きていくだけでいいらしい。
厳しい異世界で生き抜く為のスキルも色々と貰い、食いしん坊だけど優しくて可愛い従魔も一緒!
忙しくて自由のない女神の代わりに、異世界を楽しんでこよう♪
13話目くらいから話が動きますので、気長にお付き合いください!
最初はとっつきにくいかもしれませんが、どうか続きを読んでみてくださいね^^
※お気に入り登録や感想がとても励みになっています。 ありがとうございます!
(なかなかお返事書けなくてごめんなさい)
※小説家になろう様にも投稿しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる