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『道テイム』
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レギンに担がれ移動していると、俺の心に変化が起きる。俺は雑に扱われ、ちょっと嫌な気分だと思っていた。
担がれるなんて、物みたいじゃないか。なんか嫌だな……っと思ったのだが、少し意識向ければ。
ぷるんぷるん。
若いかつ巨乳のサキュバス、その子の巨乳は揺れている。
……いや、あれよ? 運ばれるってのは感じ良くないと思った。でもさ、なんだかんだ、美少女(しかも巨乳で肌綺麗)に担がれるって悪い気がしない。つーか、幸せです。
「レギン」
「ん?」
「ありがとよ」
「何だよ急に」
「俺、レギンがいないと移動もできないからさ」
移動できないで、あの場所にいたらなんだかんだこの世界の見聞を伸ばすことはできないし、寂しくて意識が弱っていったかも知れない。そう思うと、踏まれたとは言え、見つけてもらえたのは幸いだった。あとレギンのこと好き。
するとレギンは軽快に笑い出し、
「ははは、ロードロードって、寝たきりの爺ちゃんや、はいはいもできない赤ん坊みてーだな!」
「サキュバスも赤子や爺ちゃんはそんな感じなのか」
「おう!」
「想像できないな」
「それなら道の赤ん坊とか爺ちゃんのが想像できねえな」
「それもそうだな」
「はははは」
俺とレギンがいくらか話していると、馬の尾をふりふりさせる女子高校生程度の年齢の美少女が話しかけてきた。
ぶっちゃけ、可愛かった。桃色の髪がたなびく簡素な服を着た亜人の子である。
「あ、レギンさん!」
「おう、ブーケ! 久しぶりだな」
ブーケと呼ばれた美少女は良い笑顔で返事をしてきた。馬の尾をふりふりさせている。
「感じの良い子だな」
「あぁ。こいつはブーケ、ケンタウロス族だ」
レギンに紹介され、俺はチラっとブーケを見る。
「下半身、まるまる馬じゃないんだが。つーか、人間だろ」
「何言ってんだ? 魔族の多くはこんなもんだろ」
「そうですよ、下半身全部馬のケンタウロスなんて聞いたことありません」
俺の世界の伝承と違うな。異世界だからか?
「そうか?」
「やっぱロードロードって変な奴だな。面白い!」
くっくとレギンは笑う。ブーケが俺を見て、
「その方、やっぱ魔物なんですね」
「こいつが人間だった方が怖いだろ」
「ははは、その通りですね! 最初は生き物かどうかも分からなかったんですが、魔力通ってますしね。人間も魔物も、生きてるなら魔力は通ってますから」
人間も魔力流れてるのか。……俺は多分、元人間なんだよな、殆どの記憶は思い出せないけど……。
「でも随分人間らしいよな。ブーケちゃんも」
「何言ってんですか。私は立派な魔物ですよ。ほら、ここに馬の尻尾あるでしょ? 亜人ですけど、こんな特徴は人間にありません」
ブーケちゃんは振り返り、俺に向かって尻尾をふりふりさせた。
……可愛い。お尻をふりふりしてやがる。誘ってんのか?
「もう、失礼しちゃいますね」
ぷくっと膨れてブーケちゃんはいじけた。ちょっと幼い感じがするな……だがそれも良い。
俺は、計画を移すことにした。
「おいレギン、そろそろ地に横たわりたい」
「おう。疲れさせてしまったか、すまないな」
「良いって、気にするな」
レギンが俺を撫でてくる、悪い気はしない。いや、良い気分だ。
「じゃ、私はこれで」
「あぁ、お前は幹部の中でも一番忙しいもんな。頑張れよ」
「はい!」
ブーケちゃんは俺に手を振って移動をする。あの子、あの若さで幹部か。小学校高学年くらいの年齢だと思ったが……。
しまった!
凄まじい速さでブーケちゃんは地を駆けていく。
っく……去っていくブーケちゃんのパンツが、見えない。見たいのに、見えない!
もどかしい角度だ。
見えそうで結局見えず、俺は落ち込んでしまった。
しゅん……。
「はぁ」
道になってから初めて溜息が出た。
「何落ち込んでんだよ」
「いや……別に」
「疲れたのか?」
気ぃ使ってくれるのか。なんだかんだレギンって優しいよな。同性にもモテてそうな感じがある。気配りできるオタクに優しいギャル的な感じだ。
顔も可愛いし、綺麗だなー。っと、レギンが俺をじー、っと見つめてくる。何だ?
「その、『道』。お前、本当に何も覚えてなかったんだな。疑ってごめんな」
レギンが俺に頭を下げる。素直な奴だな。
「お前、以前のこと本当に何も覚えてないのか?」
「えっと少しだけ覚えてるぞ」
「おぉ、良かったな。何を覚えてるんだ?」
「えっとな……リア充……周りの人間達にイッキコールされて酒をイッキ飲みしたのは覚えてる。あと……」
美少女パンツは流石に言えないな。下ネタとか女性は嫌うだろ。
「……あとは特に覚えてない」
「リア充ってなんだ? イッキコールは? というか、人間に虐められたのか?」
「その……多分……」
人間の記憶だと思うんだけど、これ言ったら大変だよな。魔物の国で、人間の記憶がある奴なんて虐められそうだ。
俺はただでさえ、コンクリートの塊っていう変な魔物なんだ。
「人間の、記憶か?」
俺をじっと見てレギンがそう言う。俺は驚く。
レギンは頭を押さえた。そして申し訳無さそうに俺に聞く。
「……それを魔王様に報告しても良いか?」
「えー、その、元人間とか色々差別されたりしない?」
「それは無いけど……なんかの仕事はお願いされるかも。今、この国忙しいんだ」
仕事、か。まぁやることないし、別にいいか。
レギンは俺を魔王城から少し離れた広場に連れてきた。そして、俺を降ろす。
見れば広場はボロボロだった。ところどころ、石畳が剥がれている。
「ロードロード、お前の技、道テイムを見せてくれよ」
俺に輝くような笑顔を俺に向ける。俺の心がぐぐっと動く。
道テイム……そうか。そういえば、魔王に言われてたな。
「人間であれ魔物であれ、魔力を使ってスキルを発動させることができる。例えば、ゴブリンは本来人間より非力だが魔力を使うことで人間並みに強くなったりする。他にもドライアドなら木々の声と対話するし、ウンディーネなら水を操ったりできる。道に何が出来るのか楽しみだ」
「スキルってどうやって使うんだ?」
「念じれば良い。魔物も人間も魔力を使う。でもそう言えば、異世界から召喚されて戦士になった人間や転生者は念じればいいだけって聞いたことあるな」
念じればいいだけ、か。というか、レギンは多分俺のことを転生者って分かってるな。
「やってみる。道テイム!」
レギンはけらけら笑ってくれた。
俺は荒れた道に向かって『道テイム』と念じる。すると、
【エナジーが消費されました】
小賢者の声が、俺の心に響いた。
俺の道テイムによって、街の石畳が綺麗な状態へと変貌する。その光景は俺だけでなく、レギンも驚かせた。
「な、ボロボロだった街道が……まるで、新品じゃねえか!」
レギンは石畳の上に乗り、手を当てて調べている。すると、びっくりすることに石畳の上の視界が俺の視覚と繋がり、レギンのパンツが見える。
麗しい曲線美と艶めかしい白肌、健康的な若々しい張りのある感じも溜まらない。パンツ、それはあたかも隠すべきところを隠し、見せるべきものを見せるかのような特殊な存在感を俺に与える。
まるで、見ろと言わんばかりだ。パンツそのものでなく、美少女が履いたパンツにこそ価値があるのだ。
【エナジーが回復しました】
おい、なんだよこれ。もしかして、もしかすると……。俺は辺りを見回し、荒れた石畳に狙いをつける。
「道テイム、道テイム!」
荒れた石畳は全て新品同様になった。どうやら遠隔ではできず、俺が触れている部分か道テイムに隣接した部分だけ『道テイム』できるらしい。
「おぉ!」
レギンの目がうるうるしている。喜んでいるようだ。広場周辺の石畳はまるで新築の様に綺麗になる。
「凄いぞロードロード! 道ってよくわかんないけど、凄い種族なんだな!」
レギンは俺に駆け寄り、笑顔を向ける。可愛い奴だ。
レギンが俺のスキルに興奮している。俺自身、嬉しい気持ちはある。
しかし、まさか、いや、多分この嫌な懸念は当たっているだろう……。
あの闇の空間で会った光る奴が言ってたな、美少女パンツがどうとか。あれこういうことかよ。
……俺のスキルとやらはパンツを見たりしないといけないのか!
担がれるなんて、物みたいじゃないか。なんか嫌だな……っと思ったのだが、少し意識向ければ。
ぷるんぷるん。
若いかつ巨乳のサキュバス、その子の巨乳は揺れている。
……いや、あれよ? 運ばれるってのは感じ良くないと思った。でもさ、なんだかんだ、美少女(しかも巨乳で肌綺麗)に担がれるって悪い気がしない。つーか、幸せです。
「レギン」
「ん?」
「ありがとよ」
「何だよ急に」
「俺、レギンがいないと移動もできないからさ」
移動できないで、あの場所にいたらなんだかんだこの世界の見聞を伸ばすことはできないし、寂しくて意識が弱っていったかも知れない。そう思うと、踏まれたとは言え、見つけてもらえたのは幸いだった。あとレギンのこと好き。
するとレギンは軽快に笑い出し、
「ははは、ロードロードって、寝たきりの爺ちゃんや、はいはいもできない赤ん坊みてーだな!」
「サキュバスも赤子や爺ちゃんはそんな感じなのか」
「おう!」
「想像できないな」
「それなら道の赤ん坊とか爺ちゃんのが想像できねえな」
「それもそうだな」
「はははは」
俺とレギンがいくらか話していると、馬の尾をふりふりさせる女子高校生程度の年齢の美少女が話しかけてきた。
ぶっちゃけ、可愛かった。桃色の髪がたなびく簡素な服を着た亜人の子である。
「あ、レギンさん!」
「おう、ブーケ! 久しぶりだな」
ブーケと呼ばれた美少女は良い笑顔で返事をしてきた。馬の尾をふりふりさせている。
「感じの良い子だな」
「あぁ。こいつはブーケ、ケンタウロス族だ」
レギンに紹介され、俺はチラっとブーケを見る。
「下半身、まるまる馬じゃないんだが。つーか、人間だろ」
「何言ってんだ? 魔族の多くはこんなもんだろ」
「そうですよ、下半身全部馬のケンタウロスなんて聞いたことありません」
俺の世界の伝承と違うな。異世界だからか?
「そうか?」
「やっぱロードロードって変な奴だな。面白い!」
くっくとレギンは笑う。ブーケが俺を見て、
「その方、やっぱ魔物なんですね」
「こいつが人間だった方が怖いだろ」
「ははは、その通りですね! 最初は生き物かどうかも分からなかったんですが、魔力通ってますしね。人間も魔物も、生きてるなら魔力は通ってますから」
人間も魔力流れてるのか。……俺は多分、元人間なんだよな、殆どの記憶は思い出せないけど……。
「でも随分人間らしいよな。ブーケちゃんも」
「何言ってんですか。私は立派な魔物ですよ。ほら、ここに馬の尻尾あるでしょ? 亜人ですけど、こんな特徴は人間にありません」
ブーケちゃんは振り返り、俺に向かって尻尾をふりふりさせた。
……可愛い。お尻をふりふりしてやがる。誘ってんのか?
「もう、失礼しちゃいますね」
ぷくっと膨れてブーケちゃんはいじけた。ちょっと幼い感じがするな……だがそれも良い。
俺は、計画を移すことにした。
「おいレギン、そろそろ地に横たわりたい」
「おう。疲れさせてしまったか、すまないな」
「良いって、気にするな」
レギンが俺を撫でてくる、悪い気はしない。いや、良い気分だ。
「じゃ、私はこれで」
「あぁ、お前は幹部の中でも一番忙しいもんな。頑張れよ」
「はい!」
ブーケちゃんは俺に手を振って移動をする。あの子、あの若さで幹部か。小学校高学年くらいの年齢だと思ったが……。
しまった!
凄まじい速さでブーケちゃんは地を駆けていく。
っく……去っていくブーケちゃんのパンツが、見えない。見たいのに、見えない!
もどかしい角度だ。
見えそうで結局見えず、俺は落ち込んでしまった。
しゅん……。
「はぁ」
道になってから初めて溜息が出た。
「何落ち込んでんだよ」
「いや……別に」
「疲れたのか?」
気ぃ使ってくれるのか。なんだかんだレギンって優しいよな。同性にもモテてそうな感じがある。気配りできるオタクに優しいギャル的な感じだ。
顔も可愛いし、綺麗だなー。っと、レギンが俺をじー、っと見つめてくる。何だ?
「その、『道』。お前、本当に何も覚えてなかったんだな。疑ってごめんな」
レギンが俺に頭を下げる。素直な奴だな。
「お前、以前のこと本当に何も覚えてないのか?」
「えっと少しだけ覚えてるぞ」
「おぉ、良かったな。何を覚えてるんだ?」
「えっとな……リア充……周りの人間達にイッキコールされて酒をイッキ飲みしたのは覚えてる。あと……」
美少女パンツは流石に言えないな。下ネタとか女性は嫌うだろ。
「……あとは特に覚えてない」
「リア充ってなんだ? イッキコールは? というか、人間に虐められたのか?」
「その……多分……」
人間の記憶だと思うんだけど、これ言ったら大変だよな。魔物の国で、人間の記憶がある奴なんて虐められそうだ。
俺はただでさえ、コンクリートの塊っていう変な魔物なんだ。
「人間の、記憶か?」
俺をじっと見てレギンがそう言う。俺は驚く。
レギンは頭を押さえた。そして申し訳無さそうに俺に聞く。
「……それを魔王様に報告しても良いか?」
「えー、その、元人間とか色々差別されたりしない?」
「それは無いけど……なんかの仕事はお願いされるかも。今、この国忙しいんだ」
仕事、か。まぁやることないし、別にいいか。
レギンは俺を魔王城から少し離れた広場に連れてきた。そして、俺を降ろす。
見れば広場はボロボロだった。ところどころ、石畳が剥がれている。
「ロードロード、お前の技、道テイムを見せてくれよ」
俺に輝くような笑顔を俺に向ける。俺の心がぐぐっと動く。
道テイム……そうか。そういえば、魔王に言われてたな。
「人間であれ魔物であれ、魔力を使ってスキルを発動させることができる。例えば、ゴブリンは本来人間より非力だが魔力を使うことで人間並みに強くなったりする。他にもドライアドなら木々の声と対話するし、ウンディーネなら水を操ったりできる。道に何が出来るのか楽しみだ」
「スキルってどうやって使うんだ?」
「念じれば良い。魔物も人間も魔力を使う。でもそう言えば、異世界から召喚されて戦士になった人間や転生者は念じればいいだけって聞いたことあるな」
念じればいいだけ、か。というか、レギンは多分俺のことを転生者って分かってるな。
「やってみる。道テイム!」
レギンはけらけら笑ってくれた。
俺は荒れた道に向かって『道テイム』と念じる。すると、
【エナジーが消費されました】
小賢者の声が、俺の心に響いた。
俺の道テイムによって、街の石畳が綺麗な状態へと変貌する。その光景は俺だけでなく、レギンも驚かせた。
「な、ボロボロだった街道が……まるで、新品じゃねえか!」
レギンは石畳の上に乗り、手を当てて調べている。すると、びっくりすることに石畳の上の視界が俺の視覚と繋がり、レギンのパンツが見える。
麗しい曲線美と艶めかしい白肌、健康的な若々しい張りのある感じも溜まらない。パンツ、それはあたかも隠すべきところを隠し、見せるべきものを見せるかのような特殊な存在感を俺に与える。
まるで、見ろと言わんばかりだ。パンツそのものでなく、美少女が履いたパンツにこそ価値があるのだ。
【エナジーが回復しました】
おい、なんだよこれ。もしかして、もしかすると……。俺は辺りを見回し、荒れた石畳に狙いをつける。
「道テイム、道テイム!」
荒れた石畳は全て新品同様になった。どうやら遠隔ではできず、俺が触れている部分か道テイムに隣接した部分だけ『道テイム』できるらしい。
「おぉ!」
レギンの目がうるうるしている。喜んでいるようだ。広場周辺の石畳はまるで新築の様に綺麗になる。
「凄いぞロードロード! 道ってよくわかんないけど、凄い種族なんだな!」
レギンは俺に駆け寄り、笑顔を向ける。可愛い奴だ。
レギンが俺のスキルに興奮している。俺自身、嬉しい気持ちはある。
しかし、まさか、いや、多分この嫌な懸念は当たっているだろう……。
あの闇の空間で会った光る奴が言ってたな、美少女パンツがどうとか。あれこういうことかよ。
……俺のスキルとやらはパンツを見たりしないといけないのか!
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