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第12章 第二次ハワイ作戦
12.9章 アメリカ海軍偵察行動
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日本軍と同様に、夜明け前から米海軍も活発に索敵を開始していた。カネオヘ海軍基地から、まだ暗いうちにレーダー装備の複数のPB4Yがそれぞれ索敵範囲を決めて飛び立った。日本機動部隊は昨日から移動しているはずなので、オアフ島周囲全域が捜索対象になる。但し、敵艦隊の位置として想定しているのは、西北から、真西、南西の方角だ。
PB4Yが西方に飛行していると、しばらく前にオアフ島のレーダーが北方に編隊を探知したとオアフ島の司令部から言ってきた。そのため、セリル少佐の機体には、北西方向を捜索範囲に追加するように要求してきたが、帰投のための燃料を考えると、別の海域を索敵範囲に加えるのは無理だ。セリル少佐は事前の計画通りの海域を捜索すると回答した。司令部は、燃料が足りなくなっても命令を実行しろとは言えないので、これを了承した。
やがて、南西方向の哨戒を続けていると、オアフ島から450マイル(724km)の地点で、マリン曹長がレーダーに目標を探知した。
「2時方向に海上目標を探知。距離は60マイル(97km)。反射が大きい。間違いなく日本艦隊です」
「日本艦隊の発見を基地に報告しろ、敵艦隊の構成は確認中でいい。この位置からだと我が軍の艦隊には350マイル(563km)くらいだぞ。すぐに空母の攻撃圏内に入ってくるぞ」
セリル少佐は昨日の経験から、日本戦闘機の迎撃を避けるために、急降下で高度を海面近くまで下げて、機首を2時方向に向けた。10分余り飛行すれば、60マイルの距離もかなり縮めることができる。セリル機は頃合いを見計らって、機首を上向きにして上昇に移った。
高度を上げてゆくと、遠方の海上も見えるようになる。双眼鏡を使っていた偵察員のレナード大尉が大声で報告した。
「空母発見、ちょっと待ってくれ。こりゃ大艦隊だ。空母4、戦艦2、巡洋艦と駆逐艦多数が見える」
セリル少佐も水平線近くを航行している大艦隊を確認した。
「こりゃあ、主力部隊だぞ。空度4隻、戦艦2隻の艦隊だ。艦隊司令部に大至急報告をしてくれ。艦隊の編制に加えて、東南方向に航行中だという情報も付け加えるのを忘れるな」
命令しながら、少佐は機体を急降下させた。大艦隊ならば、艦隊周囲の見張りもしっかりしているはずだ。そうだとすると、いつまでも高空を飛行していれば自分の機が危なくなる可能性が高い。
この時、セリル少佐機が発見したのは、五航戦と新編された四航戦の空母を含む部隊だった。各艦が30ノットを超える空母を集めた高速機動部隊だ。東南に向けて航行しているのは、もちろん米艦隊との距離を詰めるためだ。
セリル機が空母部隊を観察している間に、既に日本艦隊は偵察機の接近を探知していた。艦隊前面を飛行する二式艦偵の電探は低空飛行をする米偵察機の接近を上空から探知できたのだ。
五航戦司令の大西瀧治郎少将のところに、大橋参謀が報告に来る。
「東北東から低空飛行の偵察接近。40浬(71km)、上空の二式艦偵が電探により探知しました」
「新型ジェット艦戦を発艦させよ。実力を見てみたい」
翔鶴の飛行甲板には迎撃待機の紫電改が、待ち構えていた。ジェットエンジンを始動するとスルスルとカタパルトに移動してゆく。カタパルトに射出用のワイヤーが接続されると、甲高い音をたてて、ジェットエンジンの推力が上がってゆく。薄く水蒸気の煙が後方にたなびいているカタパルトから、スマートなジェット戦闘機が射出された。海上に飛び出すと左舷方向に旋回しながら上昇してゆく。下方からは列機が続けて発艦してくる。
谷口一飛曹は発艦してから、母艦が示した方位に向かって飛行すると、5分もしないうちに下方に四発の機体が見えてきた。機体のシルエットからB-24だと判断した。厳密には海軍仕様のPB4Y-1なのだが、外見からはB-24との差はほとんどない。米軍機は電探を避けるつもりで高度1,000mあたりからちょうど急降下しようとしていた。2機の紫電改は、上空からPB4Yの後方に向けて降下していった。胴体上部と尾部の銃座が反撃してくるが、高速で飛行するジェット戦闘機の後方の空間を撃っているだけだ。
紫電改は、空気抵抗を少なくしたジェット機向けに設計された9発を収容した噴進弾ポッドを左右の外翼下部に装備していた。2機の紫電改は合わせて36発の100mm噴進弾を後方から発射した。PB4Yの近傍を通過した4発の近接信管が反応して爆発した。100mm弾の爆発で胴体上部に大きな穴が開く。同時に左翼側の水平尾翼が爆発で吹き飛ぶ。安定を失ったPB4Yは右翼をがっくりと下げて高度を下げ始めた。
落ちてゆく機体を追い越しながら、谷口一飛曹は陸軍機のB-24と誤認して、短く報告した。
「米軍の偵察機を排除した。B-24を1機撃墜だ」
セリル少佐は自分の機体を後方から一気に追い抜いてゆく機体を、一瞬目撃することができた。最近になって、日本海軍のジェット戦闘機の通達を見たのを思い出していた。まもなく高性能の戦闘機が登場する見込みだとして、注意喚起されていた機体だ。
「間違いない、あれはジョージ(紫電改)だ。日本空母に単発ジェット戦闘機のジョージが配備されているぞ」
しかし、セリル少佐の言葉は誰にも届かなかった。既に彼の目の前には海面が迫っていた。
翔鶴の艦橋では、大西少将が鮮やかな撃墜に感心していた。
「上がっていったかと思ったらもう撃墜報告がきたぞ。さすがにジェット戦闘機は速いな」
……
セリル少佐の報告は途中で電文が途切れたが、必要な情報は含まれていた。マクモリス少将に参謀のレイトン少佐が相談にやって来た。
「索敵機の報告が来ました。オアフ島の南西450マイル(724km)地点で日本軍の艦隊を探知しています。大型艦を含む艦隊ですが、詳細な艦隊構成を報告する前に電文が途切れています。恐らく、撃墜されたものと考えられます」
「早々に撃墜されてしまったのは、敵戦闘機の仕業に間違いない。つまり、この海域で日本の空母を含む艦隊が行動しているということだ」
「そうなると、オアフの陸軍のレーダーが探知した北方の目標は何でしょうか?」
「ミッドウェーでの経験から考えても、ハワイ諸島の周辺で複数の日本軍の艦隊が行動しているのは確実だ。私は、日本海軍の空母の数から考えて、オアフ島を目指しているのは、3群程度の空母部隊だと想定している。我々自身が3群の機動部隊を編制できているのだから何の不思議もないだろう。つまり、北方の目標以外にも敵の機動部隊が行動している可能性は極めて高いということだ」
「わかりました。この距離だとすると、我が軍の空母はすぐにも日本の艦載機の攻撃圏内に入ります。我が軍の空母による、西方の日本艦隊攻撃をマケイン長官に進言します」
「日本艦隊は東方に向かって航行している。すなわち、日本軍は東方に存在している我々の艦隊、もしくはオアフ島に対する攻撃の意図を有しているということも伝えてくれ」
レイトン少佐は強く首を縦に振った。
二人の会話の途中にも、続いて報告が入ってきた。オアフ島周辺に索敵に出した他の偵察機もきっちりと仕事をしていた。別の北西の日本機動部隊を発見したのだ。最初に発見したオアフ島の南南西から北上している艦隊に加えて、おそらくミッドウェー方面からオアフ島に接近してくる次の艦隊だ。1番目の南南西の艦隊は四航戦と五航戦からなる艦隊だった。2番目の北西の部隊は遅れてやってきた三航戦の艦隊だ。更に、メモを読んでいる間にもオアフ島の南西でも空母を含む艦隊を探知との一報が入ってきた。
差し出されたメモを読んでから、レイトン少佐はマクモリス少将の顔をまじまじと見た。
「長官のところに急いでゆくぞ。試合開始のゴングは既に鳴ったのだ。恐らく、今日は、我々と日本軍の決戦の日として歴史に残ることになるぞ」
オアフ島西方海域を行動していた3群の米機動部隊には、オアフ島の偵察機が探知した日本軍の位置が直ちに通知された。既に、米艦隊からは偵察機が飛び立っていたが、各司令官共に日本艦隊が攻撃範囲に向かって進んできていることを知って、攻撃隊の準備を開始した。マクモリス少将と同様に、各艦隊の司令官には、この日が戦闘の一日になることを疑う者はいなかった。
PB4Yが西方に飛行していると、しばらく前にオアフ島のレーダーが北方に編隊を探知したとオアフ島の司令部から言ってきた。そのため、セリル少佐の機体には、北西方向を捜索範囲に追加するように要求してきたが、帰投のための燃料を考えると、別の海域を索敵範囲に加えるのは無理だ。セリル少佐は事前の計画通りの海域を捜索すると回答した。司令部は、燃料が足りなくなっても命令を実行しろとは言えないので、これを了承した。
やがて、南西方向の哨戒を続けていると、オアフ島から450マイル(724km)の地点で、マリン曹長がレーダーに目標を探知した。
「2時方向に海上目標を探知。距離は60マイル(97km)。反射が大きい。間違いなく日本艦隊です」
「日本艦隊の発見を基地に報告しろ、敵艦隊の構成は確認中でいい。この位置からだと我が軍の艦隊には350マイル(563km)くらいだぞ。すぐに空母の攻撃圏内に入ってくるぞ」
セリル少佐は昨日の経験から、日本戦闘機の迎撃を避けるために、急降下で高度を海面近くまで下げて、機首を2時方向に向けた。10分余り飛行すれば、60マイルの距離もかなり縮めることができる。セリル機は頃合いを見計らって、機首を上向きにして上昇に移った。
高度を上げてゆくと、遠方の海上も見えるようになる。双眼鏡を使っていた偵察員のレナード大尉が大声で報告した。
「空母発見、ちょっと待ってくれ。こりゃ大艦隊だ。空母4、戦艦2、巡洋艦と駆逐艦多数が見える」
セリル少佐も水平線近くを航行している大艦隊を確認した。
「こりゃあ、主力部隊だぞ。空度4隻、戦艦2隻の艦隊だ。艦隊司令部に大至急報告をしてくれ。艦隊の編制に加えて、東南方向に航行中だという情報も付け加えるのを忘れるな」
命令しながら、少佐は機体を急降下させた。大艦隊ならば、艦隊周囲の見張りもしっかりしているはずだ。そうだとすると、いつまでも高空を飛行していれば自分の機が危なくなる可能性が高い。
この時、セリル少佐機が発見したのは、五航戦と新編された四航戦の空母を含む部隊だった。各艦が30ノットを超える空母を集めた高速機動部隊だ。東南に向けて航行しているのは、もちろん米艦隊との距離を詰めるためだ。
セリル機が空母部隊を観察している間に、既に日本艦隊は偵察機の接近を探知していた。艦隊前面を飛行する二式艦偵の電探は低空飛行をする米偵察機の接近を上空から探知できたのだ。
五航戦司令の大西瀧治郎少将のところに、大橋参謀が報告に来る。
「東北東から低空飛行の偵察接近。40浬(71km)、上空の二式艦偵が電探により探知しました」
「新型ジェット艦戦を発艦させよ。実力を見てみたい」
翔鶴の飛行甲板には迎撃待機の紫電改が、待ち構えていた。ジェットエンジンを始動するとスルスルとカタパルトに移動してゆく。カタパルトに射出用のワイヤーが接続されると、甲高い音をたてて、ジェットエンジンの推力が上がってゆく。薄く水蒸気の煙が後方にたなびいているカタパルトから、スマートなジェット戦闘機が射出された。海上に飛び出すと左舷方向に旋回しながら上昇してゆく。下方からは列機が続けて発艦してくる。
谷口一飛曹は発艦してから、母艦が示した方位に向かって飛行すると、5分もしないうちに下方に四発の機体が見えてきた。機体のシルエットからB-24だと判断した。厳密には海軍仕様のPB4Y-1なのだが、外見からはB-24との差はほとんどない。米軍機は電探を避けるつもりで高度1,000mあたりからちょうど急降下しようとしていた。2機の紫電改は、上空からPB4Yの後方に向けて降下していった。胴体上部と尾部の銃座が反撃してくるが、高速で飛行するジェット戦闘機の後方の空間を撃っているだけだ。
紫電改は、空気抵抗を少なくしたジェット機向けに設計された9発を収容した噴進弾ポッドを左右の外翼下部に装備していた。2機の紫電改は合わせて36発の100mm噴進弾を後方から発射した。PB4Yの近傍を通過した4発の近接信管が反応して爆発した。100mm弾の爆発で胴体上部に大きな穴が開く。同時に左翼側の水平尾翼が爆発で吹き飛ぶ。安定を失ったPB4Yは右翼をがっくりと下げて高度を下げ始めた。
落ちてゆく機体を追い越しながら、谷口一飛曹は陸軍機のB-24と誤認して、短く報告した。
「米軍の偵察機を排除した。B-24を1機撃墜だ」
セリル少佐は自分の機体を後方から一気に追い抜いてゆく機体を、一瞬目撃することができた。最近になって、日本海軍のジェット戦闘機の通達を見たのを思い出していた。まもなく高性能の戦闘機が登場する見込みだとして、注意喚起されていた機体だ。
「間違いない、あれはジョージ(紫電改)だ。日本空母に単発ジェット戦闘機のジョージが配備されているぞ」
しかし、セリル少佐の言葉は誰にも届かなかった。既に彼の目の前には海面が迫っていた。
翔鶴の艦橋では、大西少将が鮮やかな撃墜に感心していた。
「上がっていったかと思ったらもう撃墜報告がきたぞ。さすがにジェット戦闘機は速いな」
……
セリル少佐の報告は途中で電文が途切れたが、必要な情報は含まれていた。マクモリス少将に参謀のレイトン少佐が相談にやって来た。
「索敵機の報告が来ました。オアフ島の南西450マイル(724km)地点で日本軍の艦隊を探知しています。大型艦を含む艦隊ですが、詳細な艦隊構成を報告する前に電文が途切れています。恐らく、撃墜されたものと考えられます」
「早々に撃墜されてしまったのは、敵戦闘機の仕業に間違いない。つまり、この海域で日本の空母を含む艦隊が行動しているということだ」
「そうなると、オアフの陸軍のレーダーが探知した北方の目標は何でしょうか?」
「ミッドウェーでの経験から考えても、ハワイ諸島の周辺で複数の日本軍の艦隊が行動しているのは確実だ。私は、日本海軍の空母の数から考えて、オアフ島を目指しているのは、3群程度の空母部隊だと想定している。我々自身が3群の機動部隊を編制できているのだから何の不思議もないだろう。つまり、北方の目標以外にも敵の機動部隊が行動している可能性は極めて高いということだ」
「わかりました。この距離だとすると、我が軍の空母はすぐにも日本の艦載機の攻撃圏内に入ります。我が軍の空母による、西方の日本艦隊攻撃をマケイン長官に進言します」
「日本艦隊は東方に向かって航行している。すなわち、日本軍は東方に存在している我々の艦隊、もしくはオアフ島に対する攻撃の意図を有しているということも伝えてくれ」
レイトン少佐は強く首を縦に振った。
二人の会話の途中にも、続いて報告が入ってきた。オアフ島周辺に索敵に出した他の偵察機もきっちりと仕事をしていた。別の北西の日本機動部隊を発見したのだ。最初に発見したオアフ島の南南西から北上している艦隊に加えて、おそらくミッドウェー方面からオアフ島に接近してくる次の艦隊だ。1番目の南南西の艦隊は四航戦と五航戦からなる艦隊だった。2番目の北西の部隊は遅れてやってきた三航戦の艦隊だ。更に、メモを読んでいる間にもオアフ島の南西でも空母を含む艦隊を探知との一報が入ってきた。
差し出されたメモを読んでから、レイトン少佐はマクモリス少将の顔をまじまじと見た。
「長官のところに急いでゆくぞ。試合開始のゴングは既に鳴ったのだ。恐らく、今日は、我々と日本軍の決戦の日として歴史に残ることになるぞ」
オアフ島西方海域を行動していた3群の米機動部隊には、オアフ島の偵察機が探知した日本軍の位置が直ちに通知された。既に、米艦隊からは偵察機が飛び立っていたが、各司令官共に日本艦隊が攻撃範囲に向かって進んできていることを知って、攻撃隊の準備を開始した。マクモリス少将と同様に、各艦隊の司令官には、この日が戦闘の一日になることを疑う者はいなかった。
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