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第3章 十二試艦上戦闘機
3.2章 防弾装備の研究
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三木技師が防弾というとんでもない宿題にあれこれ悩んでいると、思わぬところから援軍が現れた。飛行機部長経由で今回の出来事を聞いた花島部長が発動機部も協力しようということで、物理の専門家の参加を指示したのだ。エンジンでもっぱら燃焼を研究していた中田技師に対して、燃やす方の専門家ならば火を消す方も得意だろうというとんでもない理屈で、協力するように指示したのだ。三木技師と中田技師は、私と同様、同期の間柄でしかも二人とも学者肌ということで、とても相性がよかったようだ。
昭和12年8月には、九六式陸攻の想定外の被害発生の事件があった。昭和12年8月14日から始まった中国国内への渡洋爆撃時に敵戦闘機から攻撃を受けて、大きな被害を受けた事件だ。軍令部や航空本部は3割被害を受けたという数字の大きさに、かなりのショックを受けたとの情報も伝わってきた。1回の爆撃で3割が被害を受けるとするとそれを3回繰り返せば、戦力は当初の3割以下にすり減って作戦行動は不可能になってしまう。これはもう全滅と表現すべき被害だ。この事件をきっかけに、にわかに防弾が重要だとの意見が大きくなった。
航空廠における防弾研究の進展については、同期の三木と中田の二人から、私に対しても研究の状況は入ってきた。およそ1年半にわたる防弾研究の結果を簡単に説明しよう。
中田技師は、実験を繰り返して燃料タンクやエンジン被弾時の火災を消火する仕掛けを考案した。火災を検知してボンベに詰めた炭酸ガスを噴き出して、一気に消火する仕掛けだ。飛行場の横に土嚢を積み上げてつくった実験場で実際にガソリンの火災を発生させて実験してみると、想定通り消火ができた。航空廠で保管していた予備の燃料タンクにガソリンを入れて、機銃で射撃すると一気に赤い炎が立ち上がる。そこに炭酸ガスが猛烈な勢いで噴き出すと炎が真っ白な煙になって消火は成功した。
実際の飛行状態を模擬するために、大きな送風機を持ち出してきて強風下で同じ実験をしてみるとなかなか炎が消えない。炎の発生を感知するために、細線の半田線を利用した。それが高温で溶融することで炭酸ガスを放出させていたのだが、急速な炎の拡大に対してガス放出が遅れてうまく消火できないことが分かった。結局、半田線を極細の白金にすることで遅延なく瞬時に炭酸ガスが噴き出して消火ができることが判明した。
私もこの時の実験を見せてもらって、三木技師と中田技師から意見を求められたので、未来の私の消火器の知識も含めて意見を述べた。
「白金を使うと、やはり高価になります。低温で溶けて延性もあって細く伸ばせるような金属は他にはないのでしょうか? 消火剤は、炭酸ガスも有効ですが、油火災の消火には炭酸カリウム液が使えると聞いたことがあります。長期の保管を考えると、炭酸カリウム液も有用だと考えます」
この意見を聞いて、中田技師は大学も訪れて、物理や化学の教授の知識も借りて、炭酸カリウム水溶液を噴き出して油の表面で乳化させて消火するシステムを開発した。
火災検知はガラス片の上に融点の低い金属を線状に融着させた温度検知ヒューズを作成して、所定の場所にそれを取り付けてシステムを作動させることとした。これは燃料タンクに限らずエンジンのオイルやガソリン漏れによる火災にも有効なシステムとなった。中田技師の開発した消火装置では、最終的に炭酸ガスと炭酸カリウム溶液の複合噴射システムが最も有効であると推奨されている。
一方、燃料タンク自身の防弾については、三木技師は、同じ飛行機部で当時陸攻の艤装を担当していた上島技師を巻き込んで開発を始めた。彼が燃料タンクの開発を担当していたのだ。上島技師は、海外で開発されていた防弾タンクの情報を参考にして、ゴムにより燃料タンクを包んで弾丸により空いた穴を溶けたゴムでふさぐ燃料タンク防弾法を考案した。試行錯誤の結果、生ゴムでなく、合成ゴムを加工してガソリンの浸透性を良くした小気泡を含む発泡ゴムが有効であることが判明した。上島技師がさんざん苦労した結果、合成ゴムに圧力をかけて加硫して容器内でまず発泡させる。その後に容器から取り出して減圧すると発泡ゴムは容器の数倍にも膨らんで製造できることが分かった。試行錯誤の結果、理想的な小さな気泡を多数含んだスポンジ状の発泡ゴムの製造方法を考案できたのだ。民間のゴム会社にこの製造方法が伝授されて、翌年からは海軍も陸軍も燃料タンク防護のための発泡ゴムが利用可能になった。
防弾ガラスと防弾鋼板については、三木技師から民間会社に研究依頼を丸投げとなった。彼にすればもう民間で利用可能な材料があるでしょう、ということのようだ。
防弾ガラスについては、強化ガラスを複数枚貼り合わせて実現する。厚くなると透明度が低下するので、透過率の高い白色ガラスと呼ばれるガラスを使用する方法がガラスメーカーから報告された。三木から数合わせだと言って、私も報告の場に呼ばれたので思い付きでコメントしておいた。ミリタリーオタクとしての戦車の複合装甲による防弾の話を思い出したのだ。
「ガラスの強度を変えて、厚みや貼り合わせの順番を変えることで防弾効果が増えないでしょうか。例えば、弾丸を受け止める層と内部は極めて固いガラスにしてそれが割れることで弾丸のエネルギーを吸収させるとか。効果が大きければ、単純に貼り合わせるよりも重量が減らせますよね」
私の無責任な助言を受けて、ガラスメーカーで実験した結果、硬度の異なるガラスを厚みも変えて実験すると、防弾効果が増す順序があることが判明した。厚みと硬度の異なるガラス板の張り付け順序は非常に多数の組み合わせが存在する。その全ての組み合わせる実験は不可能だったが、ある程度の規則性を発見できたので、それを適用することにより、単純なガラスの張り合わせに比べて大きな進歩が得られた。
防弾鋼板については、メーカーに制作を依頼した各種の鋼板を使って、滑走路横の実験場で実弾による防弾性能のデータをとって評価した。10ミリ程度の表面硬化鋼板により7.7mm機銃については防弾可能であることが実証できた。三木技師は機体設計者の視点から、防弾鋼板の形状を工夫して航空機の胴体の強度部材の一部とすれば、ジュラルミンなどの本来の強度部材の使用量が削減できるとの考えに至ったようだ。次の新規設計の機体にはぜひ提案したいと息巻いていた。三木技師よ、君の考えが正しいことはシュトルモビクという機体で証明されるぞ。もっともそれは日本の機体じゃないけどね。
私からは、2枚の薄い鋼板の間に20から30ミリの磁器タイルや硬化処理した鋼板をサンドイッチさせれば、米軍の12.7ミリ機銃弾も防げるのではないかとの意見を述べておいたが、継続研究の項目として扱うこととなって、先送りされてしまった。しかし、サンドイッチ鋼板はこの後も研究が続けられて、後に特殊防弾板に採用されることになる。
三木技師の努力もあり、昭和13年が暮れるころには、軍用機のエンジン、燃料タンク、操縦席でそれぞれ利用可能な防弾、防火のための各種の材料がそろっていた。なおこれらの研究については、航空本部の及川中将にも報告されていたようだ。三木技師からの依頼でいろいろなメーカーが協力してくれたのは、裏で航空本部から研究に協力するように指示が出ていたからだと言われている。これらの防弾装備に関する研究結果は、三木技師の同僚である飛行機部の堀技師が十二試陸攻に対して採用して大きな効果を得た。
昭和12年8月には、九六式陸攻の想定外の被害発生の事件があった。昭和12年8月14日から始まった中国国内への渡洋爆撃時に敵戦闘機から攻撃を受けて、大きな被害を受けた事件だ。軍令部や航空本部は3割被害を受けたという数字の大きさに、かなりのショックを受けたとの情報も伝わってきた。1回の爆撃で3割が被害を受けるとするとそれを3回繰り返せば、戦力は当初の3割以下にすり減って作戦行動は不可能になってしまう。これはもう全滅と表現すべき被害だ。この事件をきっかけに、にわかに防弾が重要だとの意見が大きくなった。
航空廠における防弾研究の進展については、同期の三木と中田の二人から、私に対しても研究の状況は入ってきた。およそ1年半にわたる防弾研究の結果を簡単に説明しよう。
中田技師は、実験を繰り返して燃料タンクやエンジン被弾時の火災を消火する仕掛けを考案した。火災を検知してボンベに詰めた炭酸ガスを噴き出して、一気に消火する仕掛けだ。飛行場の横に土嚢を積み上げてつくった実験場で実際にガソリンの火災を発生させて実験してみると、想定通り消火ができた。航空廠で保管していた予備の燃料タンクにガソリンを入れて、機銃で射撃すると一気に赤い炎が立ち上がる。そこに炭酸ガスが猛烈な勢いで噴き出すと炎が真っ白な煙になって消火は成功した。
実際の飛行状態を模擬するために、大きな送風機を持ち出してきて強風下で同じ実験をしてみるとなかなか炎が消えない。炎の発生を感知するために、細線の半田線を利用した。それが高温で溶融することで炭酸ガスを放出させていたのだが、急速な炎の拡大に対してガス放出が遅れてうまく消火できないことが分かった。結局、半田線を極細の白金にすることで遅延なく瞬時に炭酸ガスが噴き出して消火ができることが判明した。
私もこの時の実験を見せてもらって、三木技師と中田技師から意見を求められたので、未来の私の消火器の知識も含めて意見を述べた。
「白金を使うと、やはり高価になります。低温で溶けて延性もあって細く伸ばせるような金属は他にはないのでしょうか? 消火剤は、炭酸ガスも有効ですが、油火災の消火には炭酸カリウム液が使えると聞いたことがあります。長期の保管を考えると、炭酸カリウム液も有用だと考えます」
この意見を聞いて、中田技師は大学も訪れて、物理や化学の教授の知識も借りて、炭酸カリウム水溶液を噴き出して油の表面で乳化させて消火するシステムを開発した。
火災検知はガラス片の上に融点の低い金属を線状に融着させた温度検知ヒューズを作成して、所定の場所にそれを取り付けてシステムを作動させることとした。これは燃料タンクに限らずエンジンのオイルやガソリン漏れによる火災にも有効なシステムとなった。中田技師の開発した消火装置では、最終的に炭酸ガスと炭酸カリウム溶液の複合噴射システムが最も有効であると推奨されている。
一方、燃料タンク自身の防弾については、三木技師は、同じ飛行機部で当時陸攻の艤装を担当していた上島技師を巻き込んで開発を始めた。彼が燃料タンクの開発を担当していたのだ。上島技師は、海外で開発されていた防弾タンクの情報を参考にして、ゴムにより燃料タンクを包んで弾丸により空いた穴を溶けたゴムでふさぐ燃料タンク防弾法を考案した。試行錯誤の結果、生ゴムでなく、合成ゴムを加工してガソリンの浸透性を良くした小気泡を含む発泡ゴムが有効であることが判明した。上島技師がさんざん苦労した結果、合成ゴムに圧力をかけて加硫して容器内でまず発泡させる。その後に容器から取り出して減圧すると発泡ゴムは容器の数倍にも膨らんで製造できることが分かった。試行錯誤の結果、理想的な小さな気泡を多数含んだスポンジ状の発泡ゴムの製造方法を考案できたのだ。民間のゴム会社にこの製造方法が伝授されて、翌年からは海軍も陸軍も燃料タンク防護のための発泡ゴムが利用可能になった。
防弾ガラスと防弾鋼板については、三木技師から民間会社に研究依頼を丸投げとなった。彼にすればもう民間で利用可能な材料があるでしょう、ということのようだ。
防弾ガラスについては、強化ガラスを複数枚貼り合わせて実現する。厚くなると透明度が低下するので、透過率の高い白色ガラスと呼ばれるガラスを使用する方法がガラスメーカーから報告された。三木から数合わせだと言って、私も報告の場に呼ばれたので思い付きでコメントしておいた。ミリタリーオタクとしての戦車の複合装甲による防弾の話を思い出したのだ。
「ガラスの強度を変えて、厚みや貼り合わせの順番を変えることで防弾効果が増えないでしょうか。例えば、弾丸を受け止める層と内部は極めて固いガラスにしてそれが割れることで弾丸のエネルギーを吸収させるとか。効果が大きければ、単純に貼り合わせるよりも重量が減らせますよね」
私の無責任な助言を受けて、ガラスメーカーで実験した結果、硬度の異なるガラスを厚みも変えて実験すると、防弾効果が増す順序があることが判明した。厚みと硬度の異なるガラス板の張り付け順序は非常に多数の組み合わせが存在する。その全ての組み合わせる実験は不可能だったが、ある程度の規則性を発見できたので、それを適用することにより、単純なガラスの張り合わせに比べて大きな進歩が得られた。
防弾鋼板については、メーカーに制作を依頼した各種の鋼板を使って、滑走路横の実験場で実弾による防弾性能のデータをとって評価した。10ミリ程度の表面硬化鋼板により7.7mm機銃については防弾可能であることが実証できた。三木技師は機体設計者の視点から、防弾鋼板の形状を工夫して航空機の胴体の強度部材の一部とすれば、ジュラルミンなどの本来の強度部材の使用量が削減できるとの考えに至ったようだ。次の新規設計の機体にはぜひ提案したいと息巻いていた。三木技師よ、君の考えが正しいことはシュトルモビクという機体で証明されるぞ。もっともそれは日本の機体じゃないけどね。
私からは、2枚の薄い鋼板の間に20から30ミリの磁器タイルや硬化処理した鋼板をサンドイッチさせれば、米軍の12.7ミリ機銃弾も防げるのではないかとの意見を述べておいたが、継続研究の項目として扱うこととなって、先送りされてしまった。しかし、サンドイッチ鋼板はこの後も研究が続けられて、後に特殊防弾板に採用されることになる。
三木技師の努力もあり、昭和13年が暮れるころには、軍用機のエンジン、燃料タンク、操縦席でそれぞれ利用可能な防弾、防火のための各種の材料がそろっていた。なおこれらの研究については、航空本部の及川中将にも報告されていたようだ。三木技師からの依頼でいろいろなメーカーが協力してくれたのは、裏で航空本部から研究に協力するように指示が出ていたからだと言われている。これらの防弾装備に関する研究結果は、三木技師の同僚である飛行機部の堀技師が十二試陸攻に対して採用して大きな効果を得た。
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