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言えない言葉
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「寝入り端だったのですが」
責める調子に罪悪感も沸いたが、無表情で非難された事にかちんときた。
「別に騒ぎ立てた訳じゃなし!嘉納先生は繊細なことですねっ 忘れ物を取りに来ただけですし、もう帰りますから!」
離して下さいと言う前に、オレが腕を引く力を上回る力強さで引っ張られ、踏ん張る事が出来ずに嘉納の上に倒れ込んだ。
どっとした衝撃と、人体と言う柔らかな感触を感じて暴れるも、携帯電話を持つ手も掴まれて封じられてしまう。
「な、な、な…なに……」
オレを胸の上に乗せたまま、深い呼吸が繰り返される。
嘉納が息を吐く度にミント系の香りがし、こめかみの辺りの毛がそよぐでくすぐったい。
「あ、あの…先生…?寝惚けて らっしゃるんですか?」
両腕を掴む力は強く、到底寝惚けているとは思えなかったが念の為に訊ねてみた。
…が、相も変わらない無表情でこちらを見下ろすだけだ。
居心地悪さに体を起こそうとするがそれも叶わない。
「あのっ────!?」
怒鳴ろうとした瞬間、ぐぃと力を加えられ、嘉納は体を捻るようにした。
結果…嘉納に見下ろされる形になって目を瞬いた。
ぎゅうっと、お世辞にも寝心地がいいとは言えない仮眠ベッドに押さえつけられ…
はっきり言って何がなんだか分からない。
寝入り端を邪魔したから…
殴られるんだろうか?
仏頂面はそう思わせるには十分で…
ごくっと喉が鳴った。
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「寝入り端だったのですが」
責める調子に罪悪感も沸いたが、無表情で非難された事にかちんときた。
「別に騒ぎ立てた訳じゃなし!嘉納先生は繊細なことですねっ 忘れ物を取りに来ただけですし、もう帰りますから!」
離して下さいと言う前に、オレが腕を引く力を上回る力強さで引っ張られ、踏ん張る事が出来ずに嘉納の上に倒れ込んだ。
どっとした衝撃と、人体と言う柔らかな感触を感じて暴れるも、携帯電話を持つ手も掴まれて封じられてしまう。
「な、な、な…なに……」
オレを胸の上に乗せたまま、深い呼吸が繰り返される。
嘉納が息を吐く度にミント系の香りがし、こめかみの辺りの毛がそよぐでくすぐったい。
「あ、あの…先生…?寝惚けて らっしゃるんですか?」
両腕を掴む力は強く、到底寝惚けているとは思えなかったが念の為に訊ねてみた。
…が、相も変わらない無表情でこちらを見下ろすだけだ。
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怒鳴ろうとした瞬間、ぐぃと力を加えられ、嘉納は体を捻るようにした。
結果…嘉納に見下ろされる形になって目を瞬いた。
ぎゅうっと、お世辞にも寝心地がいいとは言えない仮眠ベッドに押さえつけられ…
はっきり言って何がなんだか分からない。
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ごくっと喉が鳴った。
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