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落ち穂拾い的な パンツください
しおりを挟む戦場に行く、遠くに旅をしなくてはならない者に、家族の香りを移した肌着を持たせるのは昔からある習慣だ。
我々は鼻がいいから、家族の香りを連れて旅をして寂しさを慰める習慣がある。
本当にある。
本当だ。
本当だ!
趣味云々の話ではない!
だからこそ、すぐに帰ってくることのできない旅に出なければいけない俺のためにはるひの下着が欲しかったのだが、最初は怯えるように、2回目は可哀想なものを見る目で見られて……
これは諦めなくては駄目なのだろうか?
一度に4国を回ることはさすがに大公職との兼ね合いもあって無理だから、一国ずつ回るつもりではあるが……それでも行き来の期間もあるしどんな無理難題を吹っかけられるかもわからないから、いつ帰ることができるのかを考えると憂鬱になってくる。
ヒロは最近喃語を喋るようになってきて可愛いし、双子は俺の血が濃く出たのか成長が早いためにもうちょろちょろとし始めて可愛い。
もちろんその3人を見守るはるひは欠点のない程の可愛らしさで、この世に楽園があるのだとしたらそれは間違いなくこの3人の傍だろう。
そこを離れなければならないなんて……
兄に「人でなし!」と抗議をしてみたが、「虎だからな」と一蹴されてどんな言葉も受け入れてはくれなかった。
……いや、わかっている。
兄が俺のためにヒロを無理やり養子にしなかったこと、巫女は王家に嫁ぐと言う慣習を無視してくれていること、それから……いかに俺達親子が共にいられるかを考えてくれていること。
それらをわかっている。
そして、これから自分の後を継ぐヒロのためにできることを。
だから剣聖として一目置かれれば多少なりともヒロのためになると言う話には賛成だった……が、けれどそれと一人旅立たなくてはならないのとは別問題だ。
「百歩譲って今履いているものでいいから」
「あ ぇ、あの、新しいの持ってきますから 」
愛しい黒い瞳が俺を冷たく映しているように見えるのは気のせいだろうか?
「洗濯してしまったものは匂いが薄れているじゃないか」
そう真剣に返すとますますはるひの目は胡乱になっていく。
「そ、それに、これも風呂に行ってきたばかりですから 」
「では……少しはるひを堪能させてはもらえないか?」
ぎゅっと腰に手を回されている状態で、これ以上堪能と言われても困ったのか、きょとんと首を傾げる可愛らしくて愛らしくて美しく聡明な伴侶だった。
れー……と舌全体を使って涎を垂らしながら震える起立を下から舐め上げると、せっかく綺麗に舐めとったと言うのにアッと言う間に露でつやつやとした光を取り戻してしまう。
「ぁ、ぁあんっ!」
先ほどまでずっと下着の上から苛めていたためか、舐められただけではるひの体は大きく跳ねて嬌声を零す。
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