狼騎士は異世界の男巫女(のおまけ)を追跡中!

Kokonuca.

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落ち穂拾い的な 子供は

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 クラドが頭を腹にそっと置くと、黒くてしっかり立った耳がぴくぴくと動く。
 成長はヒロの時より早いらしいのだけれど、まだお腹も出ていない状態なのに何か聞こえるんだろうか……?

「聞こえます?」
「ぽこぽこと音が聞こえる」

 耳を腹につけて、クラドはうっとりと目を閉じて嬉しそうに感想を言った。

 クラドは、子供が腹の中にいると言うことにこちらが驚くほど興味を抱いているようだ。
 もちろんそれは第一子であるヒロの妊娠期間中に傍にいることができなかったことに起因するのだろうけれど……そう思うと自分自身でやったことなのに、クラドから取り返しのつかない大事な時期を奪ってしまったのだと落ち込むこととなった。

 そしてそれはヒロに対しても、で。

 ただこちらは最近解決の兆しが見え始めている。
 
「……ヒロの洗礼、ほっとしました」
「ああ、教会の奴らの顔、面白かったな」

 思い出したのかクラドは口の端だけ歪めて皮肉っぽい笑みを浮かべる。
 その笑みは、ヒロの洗礼のことですったもんだをした挙句に勝ったと言う誇りが見え隠れしているようだった。

 通常、王族の子は生まれてひと月以内に洗礼を受けるのが習わしだったが、ヒロはオレが密かに産んだために洗礼を受けることができなかった。その素性がはっきりした時には、もうヒロはずいぶんと大きくなってしまっていて……
 幾度か特例で洗礼を行えないか打診するもすべて断られてしまい、悩みの種になっていたところだった。

 ヒロが神の似姿を持っている と告げればまだ話は違ったかもしれなかったが、ゴトゥスの後片づけ、クラドの大公位のことやオレがじつは巫女だった なんてことが分かってバタバタしている以上、安易に公表するのはやめておいた方が……と言う状態だったからだ。
 地盤の固まらない状態のまま公表すると、教会の口うるさい介入を許すことになるんだ とクラドは憎々し気に言っていたから、クラド本人も教会とはいろいろとあったようだった。

 そんな状態に風穴を開けてくれたのはエルで、今回のエステスの管理に始まり、巫女であるエステスの行方が分からなくなっていること、エステスの素行の責任などなどをあげつらって、こちらが被った害がいかに大きかったか、教会の失態はどれほど民の心を傷つけ、王達は国民を守るために教会がなしえなかったことをしたかをつらつらと言い続けた。
 そしてとうとう国民から教会の後手後手に回った態度に対する不満が高まったのを見計らって、エルがどうやら話をつけたらしい。

「まぁ受けられるなら問題ないさ」

 そう言うとぴくぴくと再び耳を動かす。
 

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