狼騎士は異世界の男巫女(のおまけ)を追跡中!

Kokonuca.

文字の大きさ
上 下
209 / 303

おまけ 85

しおりを挟む



 びくびくと震えるようなはるひの腰の振り方は、確かに気持ちはいいが生ぬるい湯に浸かったような気持ちよさで、暴力的な衝動を押さえつけている今の状態の俺にはもどかしくて仕方のない動きだ。
 だからと言って、必死になれないことをしようとしている姿を愛でるのは楽しくて、俺は理性と本能を乗せた天秤がガクガクと震えて壊れそうになっているのを感じた。

「 ぅ、く、ンっ   」
「はるひ、無理をするな」
「むり……無理じゃな……っクラド様のが、おっきくて  やぁっ! これ以上は……こわ、壊れ  っ」

 そんなことを言われて興奮しない男がいるのかっ⁉︎

 一層興奮した俺のせいでぶるぶると膝を震わしながら、堪えきれなかった涙を一粒流したはるひが「入りきらない」と声を上げた。

「クラド様の、いつも と、同じ……っんっ……とこにあるのに……」

 腹を擦りながらこちらを見下ろしてくるので、促されるようにしてはるひの両足の奥に視線をやった。

「ああ、はるひ、それ以上は入れてはならない」
「……え?」
「いつもここまでしか入れないからな」
「えっ……え? えぇ⁉︎」

 ぼろ と目じりに溜まっていた涙が零れて腹の上ではじけ飛ぶ。
 どう言うことだと尋ねたそうなのにそこに回す余力がないのかはるひの口は魚のようにぱくぱくとはしていたが、声は漏れては来なかった。

 本来なら、俺だってすべてをはるひの中に収めたいと思ってはいたが、耳と尾同様のかつての獣の姿を色濃く受け着いたのは股間も同じなのだから仕方がない。とは言え俺のものはまだ大人しい方だろう、根元が膨らんで抜けなくなる程度なのだから、兄やエルのものに比べたら……

「そんっそんなっオレいつもクラド様でいっぱいで幸せなのに、クラド様は  っオレっそんなことも知らないまま  っ」

 息を詰まらせるようにしゃくりを上げたはるひは思いつめたような表情で胸に縋りついてくる。
 幼い頃から少しは大きくなったと思っていたけれど、胸に感じる重さは酷く軽くて頼りない。

「どうして泣く?」

 助けに来た挙句に死にかけて助けられ、結果この状況なのだからはるひが情けなく思うのも仕方ないとは思うが、泣き声を聞く限りはそれが原因とは思えない。すんすんとはるひの匂いを懸命に探ってみるも、頼りになると思っていた言外の気持ちは今は役に立たなかった。
 
「俺の性器が気持ち悪いか?」

 多種多様な獣人がいるこの世界では種別に様々なことが違うのが当然だが、はるひ達の世界では違うと聞く。
 一番濃密に触れある個所が自分とあまりのも程遠い形をしていることに、恐怖するのは当然のことだ。


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語

紅林
BL
『桜田門学院高等学校』 日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する野球ドーム五個分の土地が学院としてなる巨大学園だ しかし生徒数は300人程の少人数の学院だ そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語である

【完結】元騎士は相棒の元剣闘士となんでも屋さん営業中

きよひ
BL
 ここはドラゴンや魔獣が住み、冒険者や魔術師が職業として存在する世界。  カズユキはある国のある領のある街で「なんでも屋」を営んでいた。  家庭教師に家業の手伝い、貴族の護衛に魔獣退治もなんでもござれ。  そんなある日、相棒のコウが気絶したオッドアイの少年、ミナトを連れて帰ってくる。  この話は、お互い想い合いながらも10年間硬直状態だったふたりが、純真な少年との関わりや事件によって動き出す物語。 ※コウ(黒髪長髪/褐色肌/青目/超高身長/無口美形)×カズユキ(金髪短髪/色白/赤目/高身長/美形)←ミナト(赤髪ベリーショート/金と黒のオッドアイ/細身で元気な15歳) ※受けのカズユキは性に奔放な設定のため、攻めのコウ以外との体の関係を仄めかす表現があります。 ※同性婚が認められている世界観です。

転生したらオメガだったんだけど!?

灰路 ゆうひ
BL
異世界転生って、ちょっとあこがれるよね~、なんて思ってたら、俺、転生しちゃったみたい。 しかも、小学校のころの自分に若返っただけかな~って思ってたら、オメガやベータやアルファっていう性別がある世界に転生したらしく、しかも俺は、オメガっていう希少種の性別に生まれたみたいで、は?俺がママになれるってどういうこと?しかも、親友の雅孝をはじめ、俺を見る目がなんだか妙な感じなんですけど。どうなってるの? ※本作はオメガバースの設定をお借りして制作しております。一部独自の解釈やアレンジが入ってしまう可能性があります。ご自衛下さいませ。

【完結】愛執 ~愛されたい子供を拾って溺愛したのは邪神でした~

綾雅(ヤンデレ攻略対象、電子書籍化)
BL
「なんだ、お前。鎖で繋がれてるのかよ! ひでぇな」  洞窟の神殿に鎖で繋がれた子供は、愛情も温もりも知らずに育った。 子供が欲しかったのは、自分を抱き締めてくれる腕――誰も与えてくれない温もりをくれたのは、人間ではなくて邪神。人間に害をなすとされた破壊神は、純粋な子供に絆され、子供に名をつけて溺愛し始める。  人のフリを長く続けたが愛情を理解できなかった破壊神と、初めての愛情を貪欲に欲しがる物知らぬ子供。愛を知らぬ者同士が徐々に惹かれ合う、ひたすら甘くて切ない恋物語。 「僕ね、セティのこと大好きだよ」   【注意事項】BL、R15、性的描写あり(※印) 【重複投稿】アルファポリス、カクヨム、小説家になろう、エブリスタ 【完結】2021/9/13 ※2020/11/01  エブリスタ BLカテゴリー6位 ※2021/09/09  エブリスタ、BLカテゴリー2位

日本一のイケメン俳優に惚れられてしまったんですが

五右衛門
BL
 月井晴彦は過去のトラウマから自信を失い、人と距離を置きながら高校生活を送っていた。ある日、帰り道で少女が複数の男子からナンパされている場面に遭遇する。普段は関わりを避ける晴彦だが、僅かばかりの勇気を出して、手が震えながらも必死に少女を助けた。  しかし、その少女は実は美男子俳優の白銀玲央だった。彼は日本一有名な高校生俳優で、高い演技力と美しすぎる美貌も相まって多くの賞を受賞している天才である。玲央は何かお礼がしたいと言うも、晴彦は動揺してしまい逃げるように立ち去る。しかし数日後、体育館に集まった全校生徒の前で現れたのは、あの時の青年だった──

異世界転移してΩになった俺(アラフォーリーマン)、庇護欲高めα騎士に身も心も溶かされる

ヨドミ
BL
もし生まれ変わったら、俺は思う存分甘やかされたい――。 アラフォーリーマン(社畜)である福沢裕介は、通勤途中、事故により異世界へ転移してしまう。 異世界ローリア王国皇太子の花嫁として召喚されたが、転移して早々、【災厄のΩ】と告げられ殺されそうになる。 【災厄のΩ】、それは複数のαを番にすることができるΩのことだった――。 αがハーレムを築くのが常識とされる異世界では、【災厄のΩ】は忌むべき存在。 負の烙印を押された裕介は、間一髪、銀髪のα騎士ジェイドに助けられ、彼の庇護のもと、騎士団施設で居候することに。 「αがΩを守るのは当然だ」とジェイドは裕介の世話を焼くようになって――。 庇護欲高め騎士(α)と甘やかされたいけどプライドが邪魔をして素直になれない中年リーマン(Ω)のすれ違いラブファンタジー。 ※Rシーンには♡マークをつけます。

藤枝蕗は逃げている

木村木下
BL
七歳の誕生日を目前に控えたある日、蕗は異世界へ迷い込んでしまった。十五まで生き延びたものの、育ててくれた貴族の家が襲撃され、一人息子である赤ん坊を抱えて逃げることに。なんとか子供を守りつつ王都で暮らしていた。が、守った主人、ローランは年を経るごとに美しくなり、十六で成人を迎えるころには春の女神もかくやという美しさに育ってしまった。しかも、王家から「末姫さまの忘れ形見」と迎えまで来る。 美形王子ローラン×育て親異世界人蕗 ムーンライトノベルズ様でも投稿しています

転生したら魔王の息子だった。しかも出来損ないの方の…

月乃
BL
あぁ、やっとあの地獄から抜け出せた… 転生したと気づいてそう思った。 今世は周りの人も優しく友達もできた。 それもこれも弟があの日動いてくれたからだ。 前世と違ってとても優しく、俺のことを大切にしてくれる弟。 前世と違って…?いいや、前世はひとりぼっちだった。仲良くなれたと思ったらいつの間にかいなくなってしまった。俺に近づいたら消える、そんな噂がたって近づいてくる人は誰もいなかった。 しかも、両親は高校生の頃に亡くなっていた。 俺はこの幸せをなくならせたくない。 そう思っていた…

処理中です...