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しおりを挟む乱れた服からひょこりと見えてしまっているモノは、クラドのモノから比べたら鼻で笑われそうな貧弱なもので、オレを組み敷きながら丹念に体の隅々まで撫でる手に見つからないで欲しいと、小さく小さく祈る。
「どうして?」
「オレの、体は だって……恥ずかしい……」
「恥ずかしがることはない、どこもかしこもお前は綺麗だ」
優しく頬を撫でた手が急に動き出し、顎を通り鎖骨を撫でて臍をくすぐり、そして薄くて恥ずかしい毛の感触を面白がるように撫でる。
「あ あ、だ、 めっぁ、や 」
ほんの少し腕がずれれば、クラドに触れられただけで期待して立ち上がっている自身を知られてしまう!
「いやか?」
耳の傍で囁かれる言葉は毒だ。
流し込まれてしまえば、否なんて言葉を思いつかなくなってしまう。
「ひ……、だって、 そこ」
ソコ に……触れられたら……
濡れて起立しているせいか、クラドの手がぎりぎりを掠めるとほんのりと熱を感じる。
なまじクラドの手がどんな熱を持っていて、どんなふうにその手で中心を弄るのかを知っているだけに、期待して震えて立ち上がるソレが醜く思えてしかたがなかった。
いや、
恥ずかしい、
だめ、
そんな口ばかりの言葉を零して、でも体は本心を十二分以上に表してしまっていて。
「心配するな……はるひが嫌なら、俺は触れない」
興奮を押し込めようとした声は上ずるように掠れていて、足に当たるクラドのソレの固さとと共に興奮を伝えてくる。
オレで、興奮してくれている?
クラドの体の変化を、オレが与えた?
そう思うとたまらなく嬉しくて、かすが兄さんに申し訳ないだとか、クラドはオレじゃなくてかすが兄さんを重ねて見てるんだとか、そう言ったオレの心の中に深く根を張ったものがあっと言う間に押し退けられてしまった。
身代わりだとしても、それでもクラドがいることだけが、幸せで……
クラドを忘れたくて城から逃げて、クラドを忘れるために一生懸命働いて、ヒロやロカシ達と過ごすうちに抱え込んだこの気持ちをきちんと整理できたと、信じていたのに。
「 ゃ 」
「わかった、驚かせたな。……すまなかった」
名残惜し気に深くて熱い吐息を零しながら身を離そうとしたクラドの腕に、とっさに手を伸ばす。
離れて行く体温が寂しくて、
「────やだっ!」
ふわりと長く伸びたクラドの髪が頬をくすぐって、しがみついた体にしなやかな筋肉の感触が寄り添う。
未だにやり方がよくわからなくて、ただぶつけるだけのようになってしまうキスだけれど、あの時のように優しく受け入れてくれると信じて首に回した腕に力を込めて顎を上げる。
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