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黒鳥の湖
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しおりを挟む普段の自信に溢れたゆったりとした姿からは想像のできない、奥をどちゅどちゅ と性急に突き上げる姿に、心が感じるのは怯えばかりで……
「ゃ あっ、だん さ」
産まれてこの方感じたことのない快感が腹の奥を突き上げられる度に巻き起こり、最奥を求められて苦しくて仕方がないはずなのに、時宝の吐く息やしたたり落ちる汗、それから体内で主張する存在を感じる度に、どこかで嬉しく思ってしまう自分がいるのに気が付く。
乱暴で、
独りよがりで、
恐ろしいのに……
我を忘れるほど自分を求めて、この胎に胤をつけたがっているのかと思うと、仄暗い優越感さえ湧き上がる。
「ぃ ────っ」
肩からゴリ と鈍い音がして、骨が削られているんじゃないかと思えるほどの痛みに悲鳴のような声が出た。もちろん、だからと言って時宝が突き上げるのをやめるでもなく、逆に火に油を注いだのではないかと思わせるほど荒々しくなって行く。
「 ぃ あ゛っあ゛ぁ んっ ん゛」
突き上げられて思わず零れた声は色っぽいとは言い難くて、その羞恥を隠すようにぐっと唇を噛み締めて声を押し殺す。
はぁ と項から聞こえる息が止み、大きな手が髪を鷲掴む。
「ぃ 」
「 こえ こえ が、」
緩く腰を打ち付けられる合間にそう囁かれ、分かっているから「はい」と答えてシーツに顔を押し付ける。
こうすれば、少しでも興を削ぐような声は上がらないだろうと考えてのことだったけれど、時宝の髪を掴む手の力は緩んでくれることはなく、そのままぐいぐいと引っ張るせいで堪え切れない悲鳴が漏れてしまった。
「 ぃっ たっ」
「こえ を、聞かせろ 」
力任せに体を引っ張られたと思った瞬間、仰向けに押し倒されて足を抱え上げられる。
「っ 」
男らしい指が唇を抉じ開けて入り込み、声を出さないように噛み締めていた歯列をなぞって開けろと催促されて、その力強さに負けた次の瞬間には我が物顔で咥内を時宝の指が犯しにかかる。
熱い指が逃げようとする舌を掴まえてこねくり回す、ぬるりとした上顎に触れられると体中がわなないてしまって……
「あ゛ぁ…………」
漏れる声は恥ずかしいほど取り繕えていないのに、時宝は満足そうに「そうだ」と肯定してくる。
「はひゅ はず、かしい で す、こんら こんな、声 」
「はずかしいのは、声だけじゃないだろう?」
そう言い、「開け」と至極明瞭で単純な言葉が漏れた。
「や また これ、」
時宝の手で開かれたわけではないのに、膝がゆっくりと離れて行って……
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