OMEGA-TUKATARU

Kokonuca.

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お可愛いΩ お可哀想なα

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 だから、ダブルベッドにしようって銀花の提案を丁重に断って……

 オレは一人部屋が貰えるってことにちょっと背伸びしたような、成長できたようなそんなわくわく感を感じていた。




 学校に行く時、ちょっと緊張があった。

 海の学校で起こった騒動はどうしたって生徒たちに知られちゃってるだろうし、途中で帰ってしまったんだから誰が渦中の人物か なんてのも隠しようがないだろうから。

 好奇の目に晒されるのか……

 どうなるのかなって思うとちょっと足取りが重くなって、校門前でもだもだしてたら黒塗りの車が滑り込んできて、ぱかっと開いた後部座席から悪態を吐いている仁と義が蹴り落される。

「ぅわわっ  」
「いったあぁぁ‼︎」
「仁!?義!?」

 慌てて駆け寄って立ち上がるのを手伝うけれど、半泣きでグズグズの二人はなかなか立ち上がろうとはしない。

「どうしたの!?立とうよ!ほら!」
「おうち帰る  ってか、銀花んち帰る」
「銀花んちの子になる、もうやだ家出する」
「うちに来てもいいけどお父さんがいるよ?」

 そう言うと二人ともうっと言葉を詰まらせ、ほとほとと泣きながら立ち上がる。

「学校に住む」
「空き教室探そ」

 お互いに慰め合う二人の背中を押して校門を潜ると、もうなんだか誰に何を言われてるんだろう……なんて気にしていたことも吹っ飛んでしまって……

 覚悟を決めて教室に入ったら思ったよりも皆は普通の反応で、「大丈夫だった?」って優しい声で尋ねてきてくれる。

「う うん!全然っ怪我とかも大丈夫!」
「そうなんだぁ良かったぁ」
「でも、さすがアルファだよね!」

 そう言う言葉を投げられて、思わず「!」って飛び上がった。

 今までαだよって言っても信じて貰えなかったから、言うことすら諦めてたんだけど、こんなことで認めてもらえるなんてっ!

 さすがって言われたのが嬉しくて、嬉しくて、もじもじしながら赤くなった顔を隠すために俯いた。

「相手はアルファ三人だったんでしょ?すごいよねー」
「でも、結局逃げられちゃったし……」

 完全に気を失ってるなって思ってたのに、虎徹先生が到着した時にはもう三人は姿を消していて……

 グリーンベルト内は監視カメラが設置されていない箇所も多くて、結局あの覆面をつけた強姦αの三人組を掴まえることはできなかった。
 今、いろいろと捜査はされているようだけれど……学生のオレが出しゃばる事態はとっくに過ぎてしまった。後は警察に任せて次の犠牲者が出ないことと、少しでも早く捕まることを祈るしかない。



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