OMEGA-TUKATARU

Kokonuca.

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お可愛いΩ お可哀想なα

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 ジタバタと暴れながらもつれるように玄関まで戻って、必死になって抜け出そうとしているオレを笑ってた仁達の声が止まったから「?」ってなって顔を上げると、お風呂上りのほこほことした顔をしたシュン達がこちらを見て目を丸くしている。

「  えっと?六華くん、先生の用事って言ってなかった?」

 三人とじゃれ合いながら外から戻って来たんだから、そりゃシュン達からしたら「はぁ⁉︎」って感じなんだろうなってことはその顔色を見たらはっきりとわかってしまった。
 シュンの目的がこの三人と仲良くなることなんだとしたら、カレー作りではそのチャンスを潰したし、今はシュンを置いて三人と遊んでたって風に見えただろうし……

 どう考えてもいい感情が湧かないのははっきりしてる。

「だから、俺達と先生の用事を済ませてきたんだ」

 突き放すような声で仁がそう言うと、シュンは少し怯えたように身を引いた。

 もしかしたら、オレがわからないだけで仁が威嚇のフェロモンを出していたのかもしれないけど……
 でも、さっと顔色が悪くなったのははっきりとわかる。

「僕達、ずっと待ってたんだけど?」

 オレが本心を知ったからか、それとも表面に見えるほどシュンが苛立っているからか、その言葉の棘はオレの心をチクリと突き刺す。

「ご ごめんね、待っててもらったのに遅くなっちゃって……」

 オレに内緒の話をこっそり聞いちゃった なんて知ったら気まずく感じるだろうから、精一杯の平静を装って謝ってみたけれど、仁達はそうじゃなかったらしい。
 ぐいっとオレを押し退けて前に出ると、頭一つ分以上したにあるシュンの顔を見下ろし、不機嫌さを隠しもしない溜息を「はぁ」と吐き出す。

「な、なに?」

 大きいってそれだけで怖くって、オレも小さい方だからよくわかる。

 こうやってされてしまうと、怯んじゃうんだ。

「あんたらさぁ、俺達に近づきたくて六華に近づいたんだろうけど、そんなことしても無駄だから」

 取り付く島もないほどの固い声にシュン達だけでなくオレも一瞬怯んでしまった。
 さぁっと青くなったシュンの顔を見て、慌てて仁の服を引っ張る。

「仁!」
「よくないからな、俺はお前がコケにされて黙ってられるほど大人しい性格はしてないんだよ」
「なに  何言ってんの⁉︎何言ってるのかわかんない!もう部屋に戻るからっ」

 何かを察したのかシュンがさっと部屋に戻ろうとしたのを仁が腕を掴んで引き留める、粗い作りの顔にそうやってすごまれて腰が抜けたのか、ずるずると体勢が崩れてぺたんと廊下に座り込んでしまった。

 

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