OMEGA-TUKATARU

Kokonuca.

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お可愛いΩ お可哀想なα

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 青い海と白い雲と、それからー……こっちを睨んでくる仁と義。

 なんでだよ!ちゃんと説明するって言ってたじゃないか銀花っ!
 絶対テンション上がりまくって話するの忘れてるよっ!
 「わはーい」じゃないよ!こっちに手を振る前に説明だろっ!

 気分はがっくり項垂れて地面をどんどん叩きたかったけれど、シュン達の前でそんなことできずにとりあえず取り繕った笑顔で耐える。

「やっぱり阿川くんが気になるのかな?ずっとこっち見てるよ?」
「えー?」

 気になるんじゃなくて殺気を向けられてるんだよ。

「手とか振らないの?」
「うん?振らない かなぁ」
「幼馴染だもんね、そう言うのしないかぁ」
「せっかくこっち向いてるんだし」
「おーい」

 って言いつつ三人は手を振ってるけど、猛獣注意だよ!危険だよ!威嚇してくるよ!

「はぁ~やっぱりあの三人がいると壮観ー!家に遊びに来たりとかする?」
「仁君達の親ってどこかの国の王様と兄弟ってホント⁉︎」
「義君の下にも弟がいるんだよね⁉︎」
「三人の好きな物とか教えてよ!」

 ぐぐぃ っとマモルと千鶴に詰め寄られるけど……

 遊びに来るどころか住み着いて「キンタマ」「キンタマ」言ってるし、どこかの王様とは仲がいいだけで兄弟じゃないし、弟はいるし、好きな物は駄菓子だよってのは答えていいことなのかな?

「もう番の候補とか居るのかな?」
「番と、パートナーと、結婚相手は別って考えだったりしないかな?」

 もうなんかいろいろと考えが透けて見えちゃって……

 さすがのオレもたしなめることができずにぶるぶると首を振る。

「教えてよ!」
「銀花くんはともかく後の二人はどっちか余るんだから!」
「あま 余るって、物じゃないんだから……」

 タジタジ と後ずさる。

 薫が喜蝶一直線だったせいで忘れていたけれど、遠目に見る分にはあの三人は文句のつけようのないα三人組で、もてまくるんだった……

 キラキラオーラで取っ付き難いαと仲良くなるには、そりゃオーラの全然ないオレに近づくのが近道だよね。

 あの三人よりは断然庶民だしね……

「もう!ほら!六華くん困ってるよ!」

 二人を押し退けてくれたシュンはにこって笑うと、二人の代わりに「ごめんね」って謝ってくれる。

「あっでも、お昼のカレー作りとか向こうに手伝いに行くかな?去年も確か助っ人で行ってたよね?どうせだったら一緒に作っても……」

 そう、本来ならこの海の学校のお昼ご飯であるカレーは班員で作り、班員で食べると言うのが鉄則なんだけど、銀花は不器用なだけだけど、仁と義は料理人がいる生活(オレを含む)をしているせいか全然で……



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