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Dog eat Dog
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しおりを挟むふんわりしたミディ丈に、薄いラメの入った靴下と、それから綺麗に先細りしたパンプス、白いトップスと……って合うのあったっけ?前回の服とはイメージを変えて、今度は上品にまとめてみようと使えそうな小物は持っていたか と首をひねったが、クローゼットにふさわしい物が入っている記憶はない。
女装の服を買うためだけに買いに行くと言うのもあほらしすぎて、少し色が合わないかな?なんて思いつつ、胸元にギャザーの寄ったオフショルダーネックを選んだ。
もう少し大人し目に見せる方が寄ってくるだろうか?
それともー……と悩みながら鏡を見ると、可愛げのない三白眼が自分を見返している。
きつい目の形に白目がちなその両目は、ケンカを売る事は出来ても愛を乞うことは難しそうにしか見えない。
幼い頃は可愛い、と言ってくれていた両親も、Ωなのに幼い頃の容姿のまま育った息子に対して何もフォローを言ってはくれなかった。
知ってる、
わかってる、
理解している。
自分が可愛くないΩだって、ちゃんとわかっている。
コンタクトをつけて、整形級のメイクをしてやると、どこかのΩらしいお嬢さんが現れた。
「……本日の注目はここー!じゅわっとジューシーさを感じるような頬の赤み!これでαの質問に照れてる素振りをみせるのさぁ」
ポーズを取ってみても虚しいだけだけれど、そうやって自分を奮い立たせなくちゃ何もできない。
願わくば……出かける前のこの震えが武者振るいでありますように。
さて……どいつにするか?
希望としてはΩに反抗されるとか微塵も考えてないような、そんなαがいい。言うことの聞かない体を好き勝手されて、見下していたΩに弄られて股間からピュッピュッする姿に悶えるのがいいんだから。
こつ こつ と踵を鳴らす。
やっぱりこのくらいの高さの靴が履きやすい。
「――待ち人、来らずですか?」
はぁん? と語尾を上げながら巻き舌で訊ね返してやろうかとも思ったが、ぐっと堪えて少し困ったように微笑んだ。それから手に持ったままだった携帯電話にちょっと目を落として、睫毛を上げないように気をつけながら小さくコクリと頷く。
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