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Dog eat Dog
1
しおりを挟むベッドの下に転がるハイヒールとネクタイと皺の寄ったシャツとスーツ。
かわいそうに、帰りはヨレヨレの格好で帰らないといけないってわけだ。
「ぅ う 」
啜り泣きの合間に聞こえてくるぱちゅん って音が耳に心地よくて、唇が歪むのを止められそうにない。薄暗い照明とやけにスプリングの効いたマットの分厚いベッド、それからやや低めに設定された室温は飽き飽きしていた筈なのに、これだけは飽きを感じさせることはなかった。
抱え込んだ大きめの尻に腰をぶつけてやると、水音と肉の抉れる音、それから小さな泣き声に混じって喘ぎが上がる。
ぬる……と肉の間からゆっくりとオレ自身をぎりぎりまで引き出してやると、少し前に中に出した白濁の液が肉に絡みついて粘っこくシーツの上に滴った。
それは先程からはしたなく垂れている目の前の男の精液と交じり合いながら、布に沁み込んでいって奇妙な形の模様を作る。
「ぃ ぎ 」
「なぁ?なぁ?感じてる?」
こり と、裏筋に当たるモノがある。
そこに押し当てると男も善さそうだけれど、オレ自身もすこぶる気持ちがいい。なのでついつい執拗にそこを突き上げ続けると、ナカがきゅうっとしまって抱えていた尻に力が入るのが分かった。
「 あっあっぁ っ!んーっ あっ出 やめ、そ、ソコ!は っ 」
「ココ?それともコッチ?なぁ?オンナノコスイッチこりこりされて、イク?オンナノコみたいにナカで感じちゃう?」
「ひ ────っ イ か、感じ 」
感じていないと思わせたいからか、声を出さないようにするのが最後の矜持とでも言いたげな態度だったのに、後ろから探った胸にツンと尖った乳首を見つけてかりかりと引っ掻いてやると、噛み締めていた唇がだらしなく開いて言葉が零れる。
浅黒いいい形をした股間は、触れられないまま怒張して今にも弾けてしまいそうだ。
「 犯されてイっちゃう? ────『オメガ』みたいに」
耳元で、やんわりと強調して言ってやると一際きつく後ろが締まって、男の口から訳の分からない悲鳴のようなものが飛び出した。
嬌声のような、
怒声のような、
嗚咽のような。
「ふ ふ、ひひ」
玩具の手錠すら引き千切る事も出来ずに、オレの下で雌犬のように這いつくばって精液垂れ流してるくせに、この期に及んでこの男はまだそのプライドが捨てられないらしい。
下らない、『α』のプライド。
後唇の一際強い締め付けとと共に、ぴしゃぴしゃ とシーツの上に水が零れ落ちる。
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