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花占いのゆくえ
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しおりを挟む何があった?
そう自問自答するも答えはわかりきっていて、あんなに強烈な体験は初めてだった。
「っ 薫!ミナトさんは⁉」
最悪 に考えが辿り着いて、はっと目を開くと薫の後ろで泣いているミナトの姿が見え、その姿の乱れのなさに未遂で終わったんだとわかってほっと胸を撫で下ろす。
腕に噛み傷がある程度で、オレは特にどこにも問題はないように思う。
「ミナトさんは無事、大丈夫だよ 」
「ごめ ごめんなさ、 っどこか、具合の悪いところとか……」
しゃくり上げるミナトに「大丈夫」と返してゆっくりと深呼吸をする。
「薬が撒かれた?」
「うぅん……俺が間に合った。 その、窓を見てたら様子がおかしかったから……」
悪夢でも見ていたかのような気分の悪さに、薫を見てからミナトに視線を移す。
「そっか……」
「まき 巻き込んで、ごめ 」
発情期はその時のタイミングでずれることもある。
人間なのだから機械のようにいかないのは百も承知だし、今までそう言う教育を受けて生きていた。でもいざこう言う場面に出くわして……もし最悪の事態になっていたら「仕方がなかった」で済ますことはできなかっただろう。
ミナトにとっても不慮の発情だったのはわかる。
わかるけれど……
「 、 」
気にしないで と返してあげられるほど気持ちは穏やかじゃなかった。
「ごめんなさい。いつも、こんなことなくて……多分、相性のいい喜蝶くんがいたからかなって思うんだけど」
「 」
「で、でも、薬が効いてるから本格的なヒートじゃないとおも ぅっ」
言葉を遮るように体を起こし、話を止めるように手を突き出す。
「じゃあ、この事故はオレがミナトさんの傍にいたから?」
噛み痕のある腕の向こう側で、ミナトの顔色が変わったのがわかった。
オレの言わんとしていることを理解してしまったのか、続きを言う前に小さく首を横に振る。
「や そうじゃなくて、わ、わかんないっ違うかもっ!」
「今回は 薫がいてくれたから助かりました、けど 次も助かるとは限らない、です」
つっけんどんな言葉になりそうだったのを辛うじて堪えて、体に掛けられていたシャツに腕を通す。
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