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花占いのゆくえ
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しおりを挟む泣いたのか縁を赤くした目が怯えたようにこちらを見ようかどうしようか迷い、やはり観念してオレを見た。
吸い込まれそうな、満天の星空のような漆黒に光が散りばめられている。
「どした?」
「……な んでもないよ、 」
「んなわけねぇだろ」
逃げられる前に距離を詰めて肩が引っ付く距離にオレも座ると、居心地悪そうにもじもじと身を縮めてしまう。
「六華も心配してたぞ」
「っ 、り、六華のお弁当美味しかった?」
自分の問いに答えずに問いかけ返された居心地の悪さはあったけれど、頑固な薫のことだからここで反論してもいい結果にはならないと思って、口に詰め込まれた弁当の中身を思い出して頷いた。
「美味かったよ」
「……」
ぎゅっとますます縮こまってしまって……
何か変なこと言ったか?
「あ、朝も、一緒に登校してたし、あーん……とかして、な なんか……なんか仲いいね」
ぼそぼそと消えて行く言葉尻を辛うじて聞き取り、それはそうだろうとちょっと呆れが出た。
オレと六華の不仲は薫を取り合った為の不仲なんだから、その間の薫を掻っ攫われてしまえば諍う必要なんかない。
普通に、ただの、ちょっと親しい友人程度だ。
だから、どうした?
オレ達にいがみ合うのは止めろって常々言ってたんだからいいことだろ?
「まぁ仲良くしてるよ」
「 六華、可愛いもんね」
カワイイ?
人のことを投げ飛ばした奴をそう見るとしたら、オレはよっぽどおめでたい奴だと思われてるのか?
「あー……どうだろ、オレの好みはー……黒髪の方が好きだな、目も茶色じゃなくて真っ暗な中に星があるような、そんな目の奴がいい、唇はサンゴのピンクでね」
首を薫の方に傾げて、目の前の薫の特徴を告げると一瞬だけ、はっとした表情を見せてからまた項垂れてしまった。
「 ミナトさんのこと、好きなんだね」
ふ と薫の匂いがきつくなる。
感情が昂ったせいなのか?
そう頭の片隅で冷静に考えてみたけれど、胸の内は先程から今この場では関係のない名前ばかりを出されて怒鳴り出したい気分でいっぱいだった。
「だから、なんでさっきから六華やミナトさんの話が出てくるんだよ!」
ちょっときつめに言ってやると、薫はショックを受けたように一瞬息を止めて膝を抱える手に力を籠める。
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