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青い正しい夢を見る
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しおりを挟む「どうしたの?準備あるから飲んでていいよ?」
「 いえ、できれば 今のうちに……」
相手が看護婦とは言え、さすがに異性にその姿を見せるのは躊躇われて……僕は下着とズボンをずらした。
また、吐いてしまわないようにしないと と喉に力を入れた所で、制止の声にはっと顔を上げる。
「いやいや!ストップ!ストップ!」
「え 」
ガタガタと医者が椅子から勢いよく立ち上がると派手な音がして、それを聞きつけたのか奥に行った看護婦が怪訝な顔を覗かせ、服を乱した僕を見てぱちりと目を瞬かせてから医者を見た。
「目を離した隙に何やってるんですかっ!」
びくっと身を竦めるも、その怒鳴り声は僕ではなく一生懸命首を横に振っている医者に向けられており、責める視線もこちらを見ない。
「 違います、自分で……」
慌ててそう声を掛けると、きつい視線を医者、それから和らいだ視線を僕に向けてから、ほっとした表情をして微笑む。
「先生に何かされたら言ってね?ほら、服直しましょうね」
乱れたままだった僕の服に手を伸ばした看護婦が手を止め、ちらりと医者を振り返って視線を送る。
「ここ、かぶれかな?ちょっと見せてもらってもいい?」
「あ いえ、これは 」
定規で叩かれた箇所だと言うのもなんだか、躾のなっていない子供の様で恥ずかしくて、身を引いて小さく首を振った。
こんな事をされないといけない程のΩだと思われるのも怖いし、これ以上叩かれるのも怖い。
「酷くなるといけないから薬だけでも塗ろうか、先生は向こう行っててくださいね」
「はいはい」
そそくさと診察室から医者が出て行き、二人きりになったせいかどこか気まずくて……
薬を塗るからと言う言葉に素直に従っていいのかどうかも分からずに、薬を持って僕の動きを待つ看護婦に困った顔を向ける。
「あの こんなの、平気です から」
「念の為だけね、さ 服を捲るからね」
ささっとシャツの裾を捲られて、若い女性に尻を見られるのは恥ずかしくて堪らない。
少し冷たく感じる軟膏をちょいちょいと手際よく塗られ、抵抗とかいろいろ考える前にあっさりと「終わったよ」と声を掛けられた。
「あ ありがとうございます」
「ついでに項も見せてもらってもいい?」
「え? はい」
「じゃあ座ってね。せんせぇ、入っていいですよ!」
その言葉に医者が奥からちらりとこちらを覗き込み、それからそろそろとこちらに戻ってくる。二人の力関係が分かったような感じがして、微笑ましい と思った。
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