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教えて!先生っ
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しおりを挟むヒタの第一声通り、ないわーな事柄なのは重々承知だ。
三人で乱交って言う件と、未成年って言う件と、酔ってやっちゃった過ちって言う件と、生徒って言う件と、……って、全部だこれ、全部アウトな奴だ。
まぁでも幸いなことは一つあった。
「でも、番にはなってなかったみたいだし」
「?」
「いい匂いがするって言ってたから」
そこは安心だ。
っとなれば、一昨日のはただの間違いだったってことにして、華麗にスルーしてしまえばいい。
ちょっと気持ち良くて、ちょっと安心できて、ちょっとクセになりそうで、ちょっとカッコよくて、ちょっとドキドキしたから、ちょーっと勿体ないなって思ったりもするけれど。
「ナニ言ってるの、番の匂いがするのは当然でしょ」
「んひっ⁉」
やばい、変な声出た!
「噛んだアルファに匂いが届くのは当たり前でしょうが!」
ぺちん!と額を弾かれて「え?」と声が出た。
「あんたまだ混乱してるんでしょう?大丈夫?」
「え?」
慌てて起き上がったオレの額を、もう一度ヒタがぺちんと叩いた。
そうだった……双子が匂いがするって言っても意味がないんだった!しかも今は発情期でもないのに匂いがしたとか……
ざわざわっとした物が首筋を撫ぜたような気がして咄嗟にそこを押さえた。
オレの問題はまだ何一つ解決していないっぽい!
追い込み漁 と言う漁法があるけれど、追い込まれる魚の気分はきっと今のオレの気分と同じに違いない。
双子のコンビネーション怖い……
「 っ、は、はぁー……」
階段を駆け上がった先の屋上に追い込まれてしまっては、もう逃げ場はなかった。
流石に金網を乗り越えて飛び出す勇気はなくて、青い空と金網と、はるか遠くまで見渡せるのは文句なかったけれど、二人のαに追い詰められてしまってはそれを楽しむ余裕もない。
「ぃ、や、あの、 も、降参」
コンビネーションのついでに体力も舐めていた。
少し追いかけっこしただけで息の上がるオレとは違い、二人は余裕綽々で……汗の一つもかいていない。
「 で、せんせーなんで逃げてるの?」
「俺たちもっとせんせーと居たいよ?」
右にも左にも逃げれず、仕方なくずるずると床に座り込むと、それを追いかけるようにして出鳳と凰珀がしゃがんで、増々近くなった二人の顔は……どうしよう、オレの好みど真ん中。
自分の好みのままの顔が二つも並んでこちらにキラキラとした視線を送ってくるのだから、平静を装うのにも限界があるってもんで……
「あああああの、でも、な?」
「あ、学校なの気にしてる?」
「じゃあ、せんせーの家でいい?」
何がいいのか悪いのか分からないけど、個人的に生徒を家に連れ込んだりしたら更にまずいことになるのは確実っ!
「だだだだ、だめっ」
「えっ でもせんせーいつでもきていいからって、合鍵くれたし」
「ちゃんと無くさないように持ってるよ?」
あの日のオレっ!何してるんだっ!
「わ 悪いっ けどっ!生徒と そんなことしたとか 」
「そんなこと じゃ、わかんないよ?」
「ちゃんと言ってくれなきゃ」
さわ と床に突いた手に指が這い寄る。
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