OMEGA-TUKATARU

Kokonuca.

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教えて!先生っ

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 目覚ましを止めながら、今日も休んでやろうかと言う思いも過ったけれどー……ソコは社会人、流石に罪悪感で起き上がった。

 早めに布団に入ったと言うのに寝た気がしなくて、とりあえず体を起こそうとよたよたと椅子に座ってみたが、気をつけなければ転がり落ちそうだ。

「   せめて……コーヒー」

 ブラックで一杯でも飲めば頭がしゃんとするかもしれないと思うも、ふと姉が妊娠した時の事を思い出して手が止まる。

 カフェインは、妊娠中は控えた方がいい と。

「    」

 むっと唇が曲がるが、思い出してしまったものは仕方ない。

 薬は飲んだし!

 別に妊娠していると分かったわけでなし!

 ……しかも、相手が分からないのだから、産んで育てるわけにも……

「 ……いかないのになぁ」

 思わず臍の下をさすりながらそう言葉が出た。

 それはまるで誰かに話しかけているようで、なんとなく縋るようにそこに視線を向ける。

「そこにいるのかなぁ?」

 もちろん返ってくる言葉なんかはないはずなのに、どうして尋ねかけてしまったのか……





 αの心当たり……と言われて、思い浮かんだのはヒタのバーの常連達、顔見知りだし、酒の入った勢いで話も盛り上がったりした、軽いノリで嗅いでくれるかもしれない けど!

 場所が場所だけにそんな事したら誘っていると思われてしまう。

 まぁこれは素行のせいもあるんだろうけど……

 後は職場の人間くらいだけれど、教師と言う立場上、今回のようなことが職場に知られるのはごめん被りたい。
 父に相談するのはもっとごめん被りたい!

 こう言う事には厳しいし、何よりそんな爛れた生活を送っているなんて知られたら、また厳しいあの家に引き戻されるかもしれない。やっと自立して、厳しいあそこから逃げてきたって言うのに!

「  詰んだぁぁぁ」

 さーて、どうしたものか?

 適当に街でαをナンパして試してみる と、言う荒業もあるにはあるけれど、それはなんだか気乗りがしない。いや、気乗りと言うか、微妙に感じるそのことに対する嫌悪感ってなんなんだ?

「   あ!虎徹先生!」

 廊下の先を行く白衣の後ろ姿にそう声をかけて呼び止めると、茶色いふわふわの髪を揺らしながらキョトンとしてこちらを振り返った。
 飴色の大きな瞳がオレを見てきらりと輝く。

「烏丸先生!具合はもうよろしいんですか?」

 ちまっと首を傾げて笑う虎徹先生に頷いて返してから、身を屈めてひそりと問いかけてみる。

「昨日はありがとうございました。ご心配をお掛けしまして……で、あの ちょっとご相談なんですが、お知り合いにアルファの方はいらっしゃいませんか?」
「パートナー探しですか⁉︎」

 いたずらっ子っぽく目を輝かせて、虎徹先生は食い気味に反応した。

「烏丸先生のそう言ったお話って初めてですよね!」
「えっぅ、あー……そうですね」

 別に特定のパートナーが欲しいって欲求はなかったから、そんな話をしたことがなかったなぁと思い返すオレを、どんぐり眼がキラキラと見上げている。
 内心を隠しもしないで、好奇心いっぱいのままこちらの話を待っていた。

「失礼は承知なんですが、先生はオメガですか?」
「僕ですか?僕はベータですよ?」

 えっ と出そうになった声を飲み込み、そうですかと返事を返す。


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