OMEGA-TUKATARU

Kokonuca.

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ひざまずかせてキス

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 こんな物を何個も作るなんて、ふざけているとしか思えない。
 数が多くなった分だけ漏洩の危険性が増すと分かっていないのか?

「どうする?いる?」

 ここで受け取ったとしても、コピーがあるのなら意味がない。
 受け取らなければ、数は減らない。
 だからと言って受け取って、相良の持つメモリが減るかと言われれば、そうじゃないだろう。

「     」
「あれ?そんなに悩むトコ?」


 いっそ、一思いに……


「今ぶっそーなこと考えただろー?」
「なんのことだ」
「あん た、顔に 全部 出るんだもん」
「喋りながら食うな」

 とうとう最後の唐揚げまで平らげて、相良は満足そうだ。
 手をつけなかった粥と、完食したラーメンと唐揚げの皿をおかもちに入れて、「ん」と手を差し出してくる。

「代金」
「オレが払うのかよっ‼︎」

 顔面に札を叩きつけ、放り出そうと襟首を掴んだ   が、やっぱり動かない!

「お金を粗末に扱っちゃダメだろー?」
「むっかつく!」
「おこりんぼさん!」

 可愛らしく言って頬を突いてくるのに腹が立って腹が立って……蹴り出してやろうと足を出すもあっさりと避けられた。

 ぷーくすくすとワザとらしく笑う顔に頭の血管が切れそうだっ!

「次は粥以外の物持ってくるからちゃんと食えよ!」
「お前はっナニがしたいんだ!」
「イチャイチャしたいなっ!はい」

 そう言って相良は写真の時のようにオレの手に紙を押し付けてきた。

「俺の部屋。ベッドの上で、じっくりイイコトしよ?」

 いい加減にしろと怒鳴り上げてやったが相良は何も感じていないようで、逆にオレ一人だけが更に疲れることになった。



 
 命も守れる とかなんとかキャッチコピーのついていた無骨な首輪を摘まみ上げる。

 項部分に金属が埋め込まれているとかなんとかと説明を読んだが、なるほど……重い!

「こんな物を首につけてて大丈夫なのか?」

 重さで肩が凝りそうと言うか姿勢が歪みそうだ。もしかしてジョークグッズか何かだったのかとも思うが、大神の歯を受け止めているところを見ると真面目な商品なのだろう。

 ポリカーボネートとかそう言うのじゃ駄目だったんだろうか?

 項と命の前に違うところが駄目になりそうな気もするが、それを平気で嵌め続けているセキには、丈夫だな と言う感想が素直に漏れる。

 発情期の度に新しい物にするのも面倒なので、用意する側としてはさっさと噛んで欲しいものだが、βと言い張っている大神がセキを噛むことはないだろう。
 α因子が強く出ていればαじゃなくともΩと番うこともできると言うのに、そうしないのは立場のせいなのかどうなのか……

 囚われの身から解放してもらった立場としては、いつまで囚われているんだろうと思う。



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