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ひざまずかせてキス
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しおりを挟む「ぅ あ っ」
「あー……きもちぃ」
相良の言葉と正反対に、オレの全身にざわりと鳥肌が立ち、嫌な汗が流れる。
「 なん なに……」
耳元で、はぁ と満足げな息が吐かれた。
背後から落ちて来る汗に、やはり胃がキュ と縮み上がる。
「あ ナカ、ヒクヒクってしてて 」
「っ ちがっ どけ! どっ 」
その痙攣は嘔吐感のせいだと注意することもできないまま、デスクの上に黄色い液体が垂れ落ちた。
気持ちの悪い臭いが鼻を突き、それがまた吐き気を誘うせいかまたグゥっと喉の奥が鳴り、内臓と言う内臓が引き攣るように動く。
腹が、喉が、
「おい!大丈夫か?ほら、横向け 横!」
慣れた手つきでデスクの上の物を避け、ティッシュを何枚も掴んで吐瀉物がそれ以上広がらないように堰き止めるように押さえる。そうしながらも片手はオレの背中を軽く摩ったり叩いたりし、意外な一面を見た気がした。
「出たっても液だけかぁ?あんた飯食ってんの?」
吐いたせいか体に力が入らず、支えられながら床に座らされ、デスクの上を片付ける相良を見上げた。
「なぁ?なんか食べた?昼の注文も一人分だったろ?」
「あ んな事があって、食える とっ思う方が、おかしいだろ」
口の中の酸っぱいような苦みに顔をしかめて言い返すと、相良は意外そうな顔をした。
「そんな事で食えなくなるって、センサイだな」
あんな事があれば、図太くても食欲くらいは落ちるだろう。
いや 目の前で一物をブラブラさせる図太さがあれば、いきなりレイプされて動画撮られて脅されていたとしても、大盛りのラーメンくらいはぺろっと平らげるのかもしれない。
先程まで、オレの中にいたソレは今は力なく垂れさがっていて滑稽だ。
「なーにー?そんなに気になる?」
「 ああ、切り落としてやれば、世の為になりそうだなと」
「世の女の子が泣いちゃうだろ?あんた分かってないなー」
ち ち と指を左右に振って見せる。
その姿のせいで更に腹が立ったが、未だに思い出したように吐き気がせり上がってくるので、何も言えずに目を閉じた。
気持ちが悪い……
「あれー?ホントに気持ち悪いの?」
「嘘を言って どうする っ」
「ふぅん?じゃあまぁ、あんたの体洗いに行くかぁ」
洗う?
ぼんやりと頭の中で繰り返していると、体がふわりと浮いた。
「は!?」
「あれだろー?ナカで出したらキレイにしないと腹下すんだろ?」
「だからって なんで 」
「上から下から大変じゃーん。俺やっさしー!」
オレは大柄な方で……鍛えているから筋肉質で、だいぶ重いはずだ。
だが相良はふんふんと鼻歌を歌いながら、軽いとでも言いたげなヘラヘラとした表情でオレをお姫様抱っこで俺を奥に連れて行く。
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