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ひざまずかせてキス
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しおりを挟む「 ぇ 」
腹の中に広がる他人の熱。
白濁の、粘り気のあるソレ。
「や 」
「ちょっ 出てるんだから動くなって!」
「いやだ!」
射精の快感で緩んだのか、がっしりと腰を掴んでいた手の力が緩んだ。お陰で男の下からは脱げ出せたけれど、抜けたソレは中途半端に白い液を撒き散らして……
「お。スッゲー出た!」
無邪気な子供のような感想と、頬に跳んだ精液の生温かさに、
「ぅ っ」
ぐっと胃が迫り上がった。
内臓が、
股が、
尻が、
胸が、
顔が、
全身が、ぬるつく。
気持ちの悪い潤滑油と男達の出した精液と……
「 ────ひっ」
跳ね起きて足の動きの違和感に気が付いた。
「あ、起きた」
と、同時にピッと顔に滴が跳んだ。
「わり、また顔に跳んだわ」
人の足を抱えて素股を堪能していた男は、そう言って悪びれる風でもなくへらへらと笑った。
頬を流れ落ちていく粘液への嫌悪感で再び胃が縮んで、反射的に腹筋に力が入る。
「 っ ぐ、」
「あーまた吐くの?なんなのあんた」
仰向けになっていた体を横向に促して、男が緩く背を摩る。
「え?具合悪いの? な、ワケないっか」
口の中が酸い。
喉が何度も何度も鳴るのにこれ以上出るものがないのか、好ましくない酸っぱい味が口に溢れるだけだった。
「なん な っ」
内臓が大きく動いて攣る感覚に、反射的に涙が溢れて鼻がぐずぐずと鳴る。
「あ、それイイな」
────ピロン
「 は?」
男の手に持たれた携帯電話は確かにシャッター音を響かせた。
「なん なに 」
「グズグズの泣き顔イイ!」
そう言って男はまたへらへらとした笑いを浮かべた。
「だーから、なんで俺が蹴られないといけないワケ?」
蹴り付けた為に腫れ上がった頬を押さえながら、相良大我と名乗った男は心底分からないと言った風に不貞腐れた。
「あんたが吐いたのも全部片付けたのにさぁ。あ、その後またムラっとして汚したのは悪かったけど、蹴るほどじゃないだろ?な?」
同意を求めてグイッと突き出された軽薄そうな顔を押し戻し、その眼前に手を突き出す。
「あ?え?何?金?ない!」
「携帯、寄越せ」
「え?なんで?」
「なんで?からかってるのか!」
胸倉を掴んでぐっと引き寄せたが、意外な程筋肉があるのか相良はふらつかなかった。
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