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どっとはらい
落ち穂拾い的な 帰ってから
しおりを挟む「サラリーマンすげぇ!革靴足いたーい!」
そうぼやきながら雪虫の待つ家へと帰り着いた。慣れない遠出に慣れない格好に、もうクタクタだった。
今日見た物をどう話せば、面白く雪虫に聞いてもらえるかを考えながらリビングに行くと、向こうからと と と軽い足取りで寄ってくる雪虫の姿が見えた。
「雪虫!ただい 」
ぱっと腕を広げて抱き締めようとしたのに、肝心の雪虫は少し手前で止まって固まってしまい……
「え?どうした?」
寄ると、その分雪虫も逃げる、そしてオレの肩の辺りを見て面白くなさそうにむぅっと頬を膨らませると、ぷいっとそっぽを向いて二階に行ってしまった。
「ゆきむ え?ええっ⁉︎」
ポツンと残されて……皆の視線が痛い。
「しずるくーん、君、ナニしてきたの?」
「な なに ?」
ただ大神のお使いに行ってきただけだ。
ちょっとアレだったけど、
「んー しばらくは近寄らないでね」
やはり肩の辺りを見てから、瀬能はじりじりと後ずさって逃げてしまった。
やはりポツンと残されて……
セキに助けを求めようとそちらを見ると、すでにいない!
「な、な、何!?オレ、何!」
訳の分からなさに混乱して声を上げると、台所にいたらしいうたが何事かと顔を覗かせた。
一瞬視線が合ったと思った途端引っ込み、バタバタバタっと慌てた音がして……
「 っ!! ちょっとしずる!あんたナニしてんの!」
台所から飛び出してきて何かをぶっかけられて、
「 ────ぶっ‼︎ちょっ 目ぇっ!目ぇぇぇぇ!」
激痛にのたうち、思わず床に蹲み込んだ。
目が痛い!
口の中がしょっぱい!
これは……っ、塩!
「てめっ うた!ナニすんだ!」
「うるっさいな!近寄んないでよ変態っ!」
「はぁぁぁぁぁ⁉︎」
ボロボロと涙が出て前が見えず、闇雲に伸ばした手は容赦なく踏みつけられて……
「ちょ マジで なんなの……」
「あんた今日外!外で寝て!入ってこないでよ!もう!ホント!信じらんない!不潔!変態!」
訳の分からないまま罵られ……涙が止まらなかった。
END.
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