放課後教室 御礼SS

あの日あの時の欠片(校舎)

2

　耳障りで、大きな音のチャイムが鳴り響き、再び静寂が訪れた時、ゆっくりとトイレの扉に手をかけた 


　きぃぃ…… 


　扉を軋ませ、トイレに入る 
　指定しておいた通りの個室がしまっていた 
　声をはっきりと聞かれない為のマスクが邪魔だったが仕方ない 


「ハナちゃん、待たせたね………返事は？」 
「っ!!…は…い」 

　目隠しをして、カタカタと震える彼は、孵ったばかりの雛鳥のように見えた 
　頼りなくて、庇護欲をそそるが…同時に握り潰したくもなる 

　マスクを少しずらし、微かに開いて震える彼の唇を塞ぐ 

　歯列をなぞり上げ、下唇を軽く噛んでは舌先でくすぐり、その唾液を啜る 

「…ねぇハナちゃん。朝、何してた？」 
「あ…」 
「ワルイコ…してたよね？」 

　少し声を低くしてやると、彼はびくんと体を硬直させて首を振る 

「ち…ちが……だって！無理矢理…」 


　そう、無理矢理 

　そう頼んだのだから… 


「手｡キタナイの触った手はこれだよね」 
「…ぁ…だ………だって…」 
「ワルイコにはオシオキがいるね。服を脱いで」 
「ごめ…ごめんなさい…ごめんなさいっ…もうしない……」 
「服を、脱げ」 







　素直に素直に服を脱いでいく彼が手に入る日も、近いと思うと自然と笑いが漏れた。