とある画家と少年の譚

Kokonuca.

文字の大きさ
上 下
111 / 192
真新しい画布

13

しおりを挟む



「嘘だ」

 ぐちぐちと小刻みに動かし、目一杯広がって俺を飲み込むそこを眺めた。
 卑猥に痙攣し、俺の逸物を深く咥え込んで放さないそこは執着を見せているように思える。

「う、そじゃな……」
「嫌なら萎えるものだろ?」

 腹の間で涎を垂らすそれに触れると、泣きながら真っ赤になって首を振った。
 見えた項を舐めると、翠也は嬌声を堪えるために唇を噛み締める。

「声、出して」
「  っ…………」

 きっとこちらを睨んでくるその目は、俺の言葉を拒否していて……
 それを突き崩すために紅く腫れて立ち上がる胸に指を這わせる。

「  く、……っふぅ、っあ……」

 噛み殺しきれない嬌声。

 触ってと言わんばかりに張り詰めた紅い蕾を捏ねると、すんすんと鼻が甘えたように鳴った。
 堪え切れないように後唇が締まり、痛々しいほどに立ち上がった先端からこぽりと蜜が滴る。

「これが、苦しい?」

 玄上が教えてくれたいいところを繰り返し突き上げ、とろりと快楽に濁った眼に向かい言い放つ。

「これが、辛い?」

 俺の与える振動にがくがくと揺さぶられてだらしなく涎を垂らす翠也。
 時折、腹に当たる健気な牡ははち切れんばかりに育ち、先にある刹那を目指して猛っていた。
 
「気持ちいいの間違いだろう?」

 床に縫い付けられ、蹂躙されながら翠也はゆらりと体を捩る。
 先端を俺の腹に擦りつけるように動かし、唾液で濡れて光る唇で足りない空気を取り込もうとする姿は、快感を追いかけているようにしか見えない。

 翠也が自ら達しようとのたうつその姿に、愉悦が走る。

「気持ちいいと、言えばいい」

 気持ちいいから抱かれたのだと、そう理由がわかる。
 欲した俺に応えてくれたのだと思ったのに……

 そう信じていた。

 だけれど、翠也は俺に気持ちがないと言い、後に彼が得る力が欲しいがための関係なのだと言う。

 俺はただ、彼が欲しかっただけなのに……
 けれど、翠也がそう思うならば仕方がない。

 俺はしがない駆け出しの画家で、金も才能もなく、この身一つしか財産はないのだ。

「俺に抱かれて、気持ちがいいと言え」
 
 彼を繋ぎとめようとするには体を使うしかない。
 ぐじゅ と根元から先端までなぞり上げてやると、翠也の内が精を絞ろうと締め付けてくる。
 
「っ、やぁ……は、っ卯太、朗さん……ぉっき……っい」

 腰をがくがくと震わしながら耐える彼を、堕とすことしか俺に出来ることはない。

「翠也、ほらっ」
「あっ……! んっ」

 ぶるっと体が震えて、一際強い締めつけが襲う。

 二人の腹の間で嬲られる健気な起立がとぷりと白濁したものを吐き出した。

 
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

アルバイトで実験台

夏向りん
BL
給料いいバイトあるよ、と教えてもらったバイト先は大人用玩具実験台だった! ローター、オナホ、フェラ、玩具責め、放置、等々の要素有り

R指定

ヤミイ
BL
ハードです。

天使の一般論

わこ
BL
おかしな画家の男×モデルバイトの大学生 かつて自サイトに載せていた短編のうちの一つです。 表紙画像はぱくたそ様(www.pakutaso.com)よりお借りしています。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

壁乳

リリーブルー
BL
俺は後輩に「壁乳」に行こうと誘われた。 (作者の挿絵付きです。)

処理中です...