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濡羽と黄金
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しおりを挟む「やっ、駄目っ……こんな所では……」
「じゃあ部屋に戻ろうか?」
ひく と彼の喉が震えた。
俺の示すそれが、肌を舐めさせることに留まらないのを分かったのだろう。
逡巡と誘惑。
俺は彼を蹴落とすために、じわりと蜜を漏らし始めた先端を苛む。
「 っ」
背筋を駆け上がった痺れに屈するように、彼は小さく頷いた。
戸も窓も閉めた部屋の空気はどろりと湿って重く苦しい。
けれどそれも些細なことで……
翠也の着物の裾を絡げて下半身をむき出し、小さな蕾を苛む頃にはどうでも良くなっていた。
るりのものとは違う、日本人らしい肌理の細やかな乳白色の肌。
「あっ」
胸の尖りを吸い、軽く歯を立てながら先端をくすぐる。
「 ふぅ、あ……」
自らの上げる嬌声が恥ずかしいのか、つい漏れる度にはっとして口を噤む様が可愛らしくて、繰り返しわざと声が出るようにしてやると、赤い目元で柔らかく睨まれてしまう。
「ふふ、ごめんよ」
唾液で濡れた胸の飾りが、障子を透かして入った光にてかりと光り、いやらしく誘うように立ち上がっている。
「……綺麗だ」
そう、美しい。
俺の手で手折った翠也と言う花は、腕の中でますます華やかに咲き誇ろうと懸命で、貪欲にさえも見える。
こちらが与える愛撫の反応に戸惑いながらも受け入れ、嬉しそうに応える姿はさながら一つの作品を作るのにも似て……
清らかなまま堕ちる姿に、ごくりと喉が鳴る。
「……卯太朗さん」
丁子油を塗った指で翠也の内を探ると、細い指がきつく服を掴んでその緊張を伝えてきた。
「そんなにしがみつかなくとも」
「わ、分かってはいるのですが……」
そこは一度不埒ものの侵入を許したとは言えまだ処女のそれのように硬く、指一本でもきついほどだ。
ぬるつく指で入り口を解し、玄上に教えてもらった場所を探る。
「ひ、ぃあっ!」
甲高い声と共に翠也が飛び上がった。
「ん、気持ちいいかい?」
「な、なんですか……?」
翠也の声は完全に怯えていて、指を再び動かそうとするともがいて逃げてしまう。
「いや、だったかい?」
るりのあの狂い様を思い出すと、決して悪いような場所ではないと思うのだけれど……
「ぃ、いや……と、言うより……」
ん? と穏やかに尋ね返しながら翠也の肩を掴んで引き寄せ、するりと起立を触ってやると、引いていた身が微かに擦り寄る。
「ぁ、んっ」
「何? 教えて?」
「……お、おかしくなりそうで」
緩く扱いていた手を滑らせて、丁子油で滑るすぼまりに触れた。
「やぁっ! 本当にっそこは 」
震える彼の手を片腕で抑え込み、有無を言わさず指で犯す。
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