とある画家と少年の譚

Kokonuca.

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るり

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「何も実践しろとは言ってない! さっさと服を直してやれ! 口頭で十分だ!」
「口じゃ伝え難いんだよ」

 玄上はそう言う端から、るりの抵抗をかいくぐって質の悪い悪戯を仕掛ける。

「おにいちゃ……ゃ  っ」
「るり、手伝え」

 強く言われて、るりは硝子のような目に戸惑いを含ませながら今までのようにこくりと頷く。

「おいっ! よせっ!」
「おにいちゃんのお願いなら、いいよ」

 目の前で粗末な着物が剥がされ、小さな部屋で向かい合う男の間でるりの体が披露される。

 汚れてはいたが、それでも破格の白い肌が艶めかしい。

「すぐできるか?」
「んっ、……少し待って、おにいちゃんのはこのままじゃ……」

 か細く返事をし、玄上の膝の上でこちらに向かって足を広げたるりは、唾液を掌に吐き出して奥まった菊座に塗り込め始める。

「んっ  んぁ、っ」
「卯太朗、気に入ったか?」

 顎を掴んで顔をこちらへ向かせると、玄上は俺の好みの傾向をわかりきっているんだと言いたげに片眉を上げてにやにやと笑った。

 細い手足は、明らかに日本人のそれとは違い長い、肌は白いはずなのに胸の飾りと唇、そして自身で弄り始めた個所だけは薔薇色で……
 仰け反った白い喉に垂れる金糸のような髪は思わず触れたくなるほどだ。

 翠也とそう年の変わらない少年が手慣れた風に穴を弄り始めるのを見て、正直驚きに身を引いてはいた。
 けれど穴が馴染んでぽぅっと花が咲くように肌が赤らみ始めると、透けるような肌の内側から血の気が現れて、息を飲むような鮮やかな変化を見せる。

 知らず知らず、ごくりと喉が鳴った。
 
「後はやってやろう」
「  ん、意地悪しないで、ね?」

 そう言うと肩までの亜麻色の髪を揺らして首を傾げる。
 愛らしく強請る様子は手練手管の娼婦を彷彿とさせて、るりの職業を俺に思い起こさせた。

「あっ  ──っ」

 片手でるりの足を抱え、俺に見せつけるように玄上が指を差し込む。
 
 到底、玄上の太い指など咥え込めなさそうなそこは、あっと言う間に二本を咥え込んで花が散るように赤みを伴って広がっていく。

「ふぁ、……っ! あーっ……」

 捩じるように穴を抉られ、白い喉が反射的に仰け反る。
 こちらを見ているようで見ていない舶来の人形の硝子のような目が、とろりと気持ちよさげに揺れた。

 ちゅく と玄上と指の粘膜の擦れる音がする。

 外からは喧騒が聞こえるというのに、小さなその音がやけに大きく耳の中にこだまして聞こえて……

「女の陰とは違って勝手に濡れんからな、唾か丁子油でも使え」

 ごくりと唾を飲み込みながら頷く俺を、ちょいちょいと指で手招く。


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