とある画家と少年の譚

Kokonuca.

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破瓜

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 ここに触れられることに抵抗があったはずなのに、その小さな粒を苛んでやる度に膝を擦り合わせて快感の深さを教えてくる。
 もう一度口づけると、最初とは違って唇が微かに開いて俺の舌を受け入れて……
 奥に縮こまるようにしてある舌を探して絡めると、追いつかない呼吸のためか翠也の胸が忙しなく上下する。
 
 口づけと胸の刺激に誤魔化しながら、褌をずらして中に指を挿し込む。

 昔、好き者の娼婦に会った時に挿れたことはあったが、あれは良く使い込まれたものだった。

 男の破瓜の方法なんて見当がつかない。

 けれど、何とかするしかないのだと己に言い聞かせて双丘の奥を探った。

「ぁ……っそこは……」

 はっと現実に引き戻された顔をした彼の頭を撫でて宥め、帯を解くと着物を広げる。
 いつもの代わり映えしない自室に、さぁっとしろい色が現れて……

 染みらしきものが一つとしてないその体を眺め、窮屈そうな膨らみを持つ褌を取る前に自らを裸に剥いた。
 残念ながら玄上のような体からは程遠いそれを彼に披露するには勇気が必要だったが、俺が脱ぐと翠也は恥ずかしそうにはにかんで見詰めてくれる。

「貧弱だろう?」
「いいえ、とても……男らしいです」

 苦笑を返して、翠也も一糸纏わぬ姿に変える。

 空いたわずかの間に羞恥を取り戻してしまったのか、翠也は股間を押さえるようにして身を捻った。
 それを追いかけ、「観念するんだ」と告げると項垂れたままそろりと手を開く。

 ゆっくりとこちらを向いた彼を抱き締め、互いに固く張り詰めたそこを擦り合わせるように腰を揺する。
 それだけの刺激でも彼は喘いで俺にしがみついて……

 二人の間で擦り合わせたものから零れる液で、腹がひんやりと冷たく濡れる。 

 男の肌だったが、しっとりと汗ばんだそれは掌に吸いつくようで夢中になって舌を這わした。

「あ  っ、……ぅ  」

 いつもより零れる嬌声。
 白磁のような滑らかな肌を伝って紅い尖りを含み、吸う。

「ひっ  」

 体から来る快感について行けず、翠也は悲鳴のような声を上げて首を振った。
 荒くなる息を懸命に抑えながら、指を唾液で濡らしてもう一度秘された奥に指を添える。

「──っ」

 上がりそうになる声を唇で押し留め、激しい口づけで意識を逸らして指を押し進めていく。

 圧迫感に押し戻されそうになるのを堪え、ゆっくりと指を動かして……

「や……っな、なぜ、そんな  と……」

 そこが排泄のための場所だとしか知らない翠也は、こんな場所を弄り始めた俺を狼狽した顔で見上げてくる。

「女の体とは違うからね、ここを使うよ」

 はっとしたように尻に力が込められ、苦笑しながら体を抱き締めた。
 

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