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闇夜の皓
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しおりを挟む「狂いそうになるのが、怖い……」
心細そうな顔をする翠也を抱き締める。
「あっ……」
戸惑いと共に上がった声に苦笑を返した。
「 わかるかい?」
「ぁ、……」
腕の中の翠也の尻に俺自身のそこを擦りつけると、それだけで甘い痺れが走るほど熱を持っている。
刹那の逡巡。
「卯太朗さんも、苦しいですか?」
おっかなびっくりのその様子が愛しくて、苦笑のまま頷く。
「苦しい、だから君に狂わせて欲しいと 思う」
「──っ」
腕の中の体が飛び跳ねる。
「駄目っいけませんっ! あんな恐ろしいこと、体に障ります!」
「は……?」
しがみついてきた翠也に押し倒されるように倒れると、俺の上で泣きそうになっている顔を見上げた。
「それでなくとも卯太朗さんはご病気なのに、体に負担をかけてはいけませんっ」
ひくり ひくり と白い喉が激情に合わせて細かく震える。
その必死さを興味深く思う反面、愛しいと思う。
けれどそれらと共に悪戯心のようなものが首を擡げた。
「では、俺の代わりになってくれるかい?」
「 え?」
「それなら負担にもならずに楽になれるんだが」
彼はやはり戸惑いを見せる、けれどわずかに唇を震わせながら、
「そうすれば、卯太朗さんは苦しくなりませんか?」
と問いかけてくる。
まるで蜘蛛の巣に雁字搦めになって動けなくなっていく蝶を思う浮かべながら、にっこりと笑って彼の下肢に手を伸ばした。
反り勃ったそこは、闇夜に浮かぶ翠也の肌と同じように露を含んでてらりと白く光って見える。
ぐじゅ と根本から扱くようにすると、翠也の濡れた唇の間から堪え切れない声が上がった。
「あぁっ! く……」
苦悶に歪んだ端正な顔は苦行に耐えるようで、苛虐の心を満たして行く。
腹を跨がせているために、止めどなく流れた先走りが俺の服を遠慮なく汚し、翠也がどれほど感じているかを教えてくれる。
ぎゅ と自分の体に爪を立て、なんの抵抗も見せずにそこを触れさせる姿は健気だった。
「あっ……ぅ、いやだ、こ 」
怖いと繰り返す彼の双袋を片手で転がし、鈴口を指先で苛め抜く。
「ひっ っ! ……っ!」
脚がぴんと張り、開いた唇から声は出ずに息だけがはぁと漏れた。
どっと、吐き出される精。
俺のそれより幾分透明な感のあるそれを掌に受け止める。
「ひっ……ふ、ふぅ、ぁ、 ぅ」
ぶるぶると余韻に震える翠也を引き寄せると、なんの躊躇もなくこちらへと倒れ込む。
限界だったのかぼろりと大粒の涙を零して泣き出した彼の頭を優しく撫で、あやすように優しい声をかけた。
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