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透る雫
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しおりを挟むほんのわずかな譲歩を見逃さず、裾に手を入れ止める声が上がる前にそこに触れた。
「 ──あぁっ」
跳ねるように仰け反りながら倒れた体に圧しかかり、揶揄るような目をそこに向けてから彼の顔を覗き込んだ。
「これ、どうしたの?」
恥じらう彼、答えることなんてできるはずもないのに、それを承知でわざと尋ねる。
「わ わかりま……ぅ……」
俺の手の中にある彼の急所は、薄い布越しに確かな存在を主張し始めており、緩急をつけて揉んでやるとぴくんと可愛らしい反応が返った。
「卯太朗さんっ! 手をっ! からかうのは……堪忍してください。お願いですから舐めるだけに……」
その舐める行為自体がからかわれているのだと、翠也はいつ気づくのだろうか?
はっ はっ と荒くなり始めた彼の息で上下する胸にも舌を落としたくて、衿をぐいと引いて乱れさせる。
ますます蹂躙されている感を強めた翠也を見て、どこかからかう側と言った歪んだ優越感で余裕を持っていたはずなのに、それが薄まって俺自身にも変化を起こしつつあることに気がついた。
「はぁ……ぅ、んっ」
歯を食いしばり耐えるその姿を見ながら、そんな扱いを受けたことがないだろう胸の紅い頂へ舌を這わせる。
「んんっ」
質量を増した手の中のものと、布越しに感じるようになった湿り気。
「なん……何を!? そんなところ……」
「美味い」
実際に感じるのは微かな塩気だったが、確かに甘みを感じた。
弄る度に首筋からさぁっと朱に染まって行く姿に煽られて、夢中でその小さな粒を味わう。
硬さのない柔らかなそこがぷくりと膨れて尖り、更に赤く艶を含む姿に変わったことに心が満たされる。
上がる喘ぎ声を堪えようとする克己的な姿に、完全に秘めていた欲を引きずり出された。
どこか、今まではからかいがあった。
けれど、彼を本気で堕としてやりたいと言う思いが体を満たす。
堕ちてなお、その涼しげな清廉さは残るのか?
それを見てみたくなった。
「あぅ……っ……」
きつく胸を吸い上げ、軽く歯を立てる。
翠也の褌の前はもうすでにどろりとした液体で滲みを作り、微かないやらしい音を響かせ始めている。
「濡れて気持ち悪いだろう? 外すよ」
「えっ! 待っ 」
制止の声も聞かず、止めようと伸ばした手を一まとめに掴んで押さえつける。
押し返そうと力を込めるのが見て取れるが、あってないような抵抗はただ嗜虐心をそそるだけだ。
「ひ ぃ、やっ」
濡れて色を変えた褌を剥ぎ取ってやると、ぴん と反り返る桃色の杭が立ち上がる。
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